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情報セキュリティ

「一太郎シリーズ」におけるセキュリティ上の弱点(脆弱性)の注意喚起

最終更新日 2009年4月7日
掲載日 2009年4月7日
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 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:西垣 浩司)は、「一太郎シリーズ」におけるセキュリティ上の弱点(脆弱性)に関する注意喚起を、2009年4月7日に公表しました。
 これは、「一太郎シリーズ」の利用者が、ウェブブラウザやメール経由で細工された文書ファイルを閲覧した場合に、任意のコードが実行されてしまうというものです。
  悪用されると、コンピュータ上でユーザの意図しないプログラムの実行や、ファイルの削除、ウイルスやボットなどの悪意あるツールがインストールされるなど、コンピュータが悪意あるユーザによって制御される可能性があります。
  対策方法は「ベンダが提供する対策済みバージョンに更新する」ことです。

1.概要

 株式会社ジャストシステムが提供する「一太郎シリーズ」は、日本語ワープロソフトです。「一太郎シリーズ」は、文章を作成するソフトウェアの一つとして、日本国内で広く利用されています。

 「一太郎シリーズ」には、文書ファイルを読みこむ際に、バッファオーバーフローというセキュリティ上の弱点(脆弱性)があります。この弱点が悪用されると、「一太郎シリーズ」がインストールされたコンピュータ上で、任意のコードが実行されてしまう可能性があります。

 脆弱性による影響が大きいことと、「一太郎シリーズ」の普及状況により、この影響を受ける利用者が国内に広く存在すると判断し、注意喚起を行いました。

 詳細は、次のURLを参照して下さい。
http://www.justsystems.com/jp/info/js09002.html

 最新情報は、次のURLを参照下さい。
http://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2009/JVNDB-2009-000018.html

 本脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき、2009年2月12日に以下の報告者からIPAが届出を受け、JPCERT/CC(有限責任中間法人 JPCERT コーディネーションセンター)が製品開発者と調整を行ない、2009年4月7日に公表したものです。
  報告者: (株)フォティーンフォティ技術研究所 鵜飼 裕司 氏

2.脆弱性による影響

 「一太郎シリーズ」の利用者が、ウェブブラウザやメール経由で細工された文書ファイルを閲覧した場合に、システムが破壊されたり、ウイルスやボットに感染させられたりする可能性があります。

 特に、ウェブブラウザでの閲覧の場合、ウェブブラウザの種類や設定によっては、ダウンロード後に開く等の操作を行わなくても、悪意あるURLにアクセスするだけで被害を受けてしまう可能性があります。

 結果として、コンピュータが悪意あるユーザによって制御される可能性があります。

「一太郎シリーズ」におけるセキュリティ上の弱点

3.対策方法

 対策方法は「ベンダが提供する対策済みバージョンに更新する」ことです。

4.本脆弱性の深刻度

(1)評価結果

本脆弱性の深刻度 □ I(注意) ■ II(警告) □ III(危険)
本脆弱性のCVSS基本値   6.8  

(2)CVSS基本値の評価内容

AV:攻撃元区分 □ ローカル □ 隣接 ■ ネットワーク
AC:攻撃条件の複雑さ □ 高   ■ 中   □ 低  
Au:攻撃前の認証要否 □ 複数 □ 単一 ■ 不要
C:機密性への影響
 (情報漏えいの可能性)
□ なし ■ 部分的 □ 全面的
I:完全性への影響
 (情報改ざんの可能性)
□ なし ■ 部分的 □ 全面的
A:可用性への影響
 (業務停止の可能性)
□ なし ■ 部分的 □ 全面的

注)■:選択した評価結果
AV:AccessVector, AC:AccessComplexity, Au:Authentication,
C:ConfidentialityImpact, I:IntegrityImpact, A:AvailabilityImpact

5.本脆弱性のCWE分類

 本脆弱性のCWE分類は、「バッファエラー(CWE-119)」です。

6.参考情報

(1)「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」について

 ソフトウェア製品及びウェブサイトの脆弱性対策を促進し、コンピュータウイルスやコンピュータ不正アクセス等によって、不特定多数のコンピュータ(パソコン)に対して引き起こされる被害を予防するため、経済産業省の告示に基づき、官民の連携体制「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」を整備し運用しています(図6-1参照)。

 最新の届出状況は 「脆弱性関連情報に関する届出状況(プレスリリース)」 を参照下さい。

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図6-1.「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」の基本枠組み

参考情報

本件に関するお問い合わせ先

IPA セキュリティ センター(IPA/ISEC) 山岸/渡辺
Tel:03-5978-7527 Fax:03-5978-7518
E-mail: 電話番号:03-5978-7527までお問い合わせください。

報道関係からのお問い合わせ先

IPA 戦略企画部 広報グループ 横山/大海
Tel:03-5978-7503 Fax:03-5978-7510
E-mail: 電話番号:03-5978-7503までお問い合わせください。

更新履歴

2009年4月7日 掲載