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コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況について

2003年8月6日

独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

メール本文に潜むウイルス?!

1.コンピュータウイルス届出状況

情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、2003年7月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめた。

7月の届出件数は1,411件と6月の1,401件と同水準での推移となった。

メール本文に潜む姿無きウイルス?!

2003年4月に初めて届出の寄せられたWscript/Fortnightウイルスの届出が6月29件、7月71件と増加している。このウイルスは、メールの添付ファイルとして届くものではなく、メールの本文に不正な記述を見えない形で書き込むことで、ウイルスを強制的にダウンロードさせる仕組みを利用している。また、セキュリティホールを悪用しているため、対策をしていないパソコンでは、メールを開いただけで感染してしまう。

下表に列挙したように、セキュリティホールを悪用するウイルスの届出が7割を占めている状況であるため、修正プログラムを適用して欠陥を無くしておくことが肝要である。

  2003年7月 代表的なウイルス名称
セキュリティホール悪用ウイルス 985件 69.8% W32/Klez、W32/Bugbear、W32/Fizzer、Wscript/Fortnight、VBS/Redlof
メール機能悪用ウイルス 354件 25.1% W32/Sobig、W32/Hybris
マクロウイルス 32件 2.3% XM/Laroux、X97M/Divi
その他のウイルス 40件 2.8% W32/CIH、W32/Funlove
合 計 1,411件  

7月には、Windowsの全てのバージョンに影響を与える深刻なセキュリティホールの存在が報告されている。この欠陥を悪用したウイルスが出現する可能性があるので、セキュリティホールの解消を早急に実施されたい。

2. 今月の呼びかけ:「セキュリティホールを放置していませんか?」
− 早急にアップデートで対処しよう −

Windowsユーザーへ

今までにセキュリティホールを悪用したウイルス、不正アクセスによる被害は多く報告されており、7月には、Windowsの全バージョンに影響を与える深刻なセキュリティホールなどの存在が次々に報告されている。中には、攻撃コードが発見されているセキュリティホールもあり、これを悪用したウイルスや不正アクセスによる被害が拡大する恐れがある。

Windowsユーザーは以下のサイト等から日々セキュリティホールに関する情報を収集する習慣を身に付けて頂きたい。

セキュリティホールを放置したままでは、簡単に被害に遭ってしまうので、下記の手順による修正を早急に行って頂きたい。

システム管理者へ

Ciscoのルーターに深刻なセキュリティホールが発見されており、攻撃コードも発見されているため、至急セキュリティパッチ適用による対策を行う必要がある。

システムへのセキュリティパッチの適用に際しては、テスト環境での動作確認を実施してから本番環境の適用を行う事が望ましいが、動作確認に時間を要する場合やセキュリティパッチを適用できない場合は回避策を実施することにより対処して頂きたい。

3. ウイルス届出の詳細

グラフは届出件数の月別推移を表し、2001年は24261件で1月は2440件で、2月は1567件で、3月は1476件で、4月は1236件で、5月は1515件で、6月は1335件で、7月は1738件で、8月は2809件で、9月は2238件で、10月は1241件で、11月は2766件で、12月は3900件を示している。2002年は20352件で1月は2283件で、2月は1439件で、3月は1460件で、4月は2012件で、5月は2410件で、6月は1965件で、7月は1781件で、8月は1756件で、9月は1193件で、10月は1510件で、11月は1408件で、12月は1135件を示している。2003年は8777件で1月は1158件で、2月は1052件で、3月は1187件で、4月は1110件で、5月は1458件で、6月は1401件で、7月は1411件を示している。

1) 7月、届出のあったウイルスは39種類であった。 (Windows/DOS ウイルス1,219件、マクロウイルス及びスクリプトウイルス192件、Macintosh及びUNIXウイルスは0件。)

(*)印は今月の新種ウイルスを示す。

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
 W32/Klez 316  XM/Laroux 17
 W32/Fizzer 243  X97M/Divi 8
 W32/Bugbear 233  WM/Cap 2
 W32/Sobig 231  W97M/Ethan 2
 W32/Yaha 34  W97M/X97M/P97M/Tristate 2
 W32/Hybris 26  W97M/Marker 1
 W32/Nimda 21    
 W32/Lovgate 20    
 W32/Opaserv 16    
 W32/CIH 14    
 W32/Badtrans 12 スクリプトウイルス 届出件数
 W32/Ganda 8  VBS/Redlof 71
 W32/Gibe 8  Wscript/Fortnight  71
 W32/Magistr 6  VBS/LOVELETTER 9
 W32/Mumu (*) 5  VBS/Netlog 5
 W32/Funlove 4  VBS/Haptime      4
 W32/Sircam 4    
 W32/Deloder 3    
 W32/MTX 3    
 Form 2    
 WYX 2    
 W32/Frethem 2    
 Anti-CMOS 1    
 YankeeDoodle 1    
 W32/Fbound 1    
 W32/Inor 1    
 W32/Spaces 1    
 W32/Valla 1    

備考:件数には亜種の届出を含む

注)ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
WM MSword95(WordMacroの略)
W97M MSword97(Word97Macroの略)
XM、XF MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
X97M MSexcel97(Excel97Macro)
W97M/X97M/P97M MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
W32 Windows32ビット環境下で動作
VBS VisualBasicScriptで記述
Wscript WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
Solaris Solaris環境下で動作
FreeBSD FreeBSD環境下で動作
Linux Linux環境下で動作

2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一般法人ユーザからの届出が約79%を占めている。

届出者 届出件数
2003/7 2003年合計 2002年合計
一般法人ユーザ 1,108 78.5% 7,471 85.1% 15,313 75.2%
教育・研究機関 202 14.3% 708 8.1% 1,914 9.4%
個人ユーザ 101 7.2% 598 6.8% 3,125 15.3%

3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、中部地方の順となっている。

地域 届出件数
2003/7 2003年合計 2002年合計
北海道地方 2 0.1% 20 0.2% 311 1.5%
東北地方 13 0.9% 146 1.7% 534 2.6%
関東地方 733 51.9% 5,714 65.1% 12,986 63.8%
中部地方 197 14.0% 952 10.8% 1,894 9.3%
近畿地方 374 26.5% 1,522 17.3% 3,254 16.0%
中国地方 24 1.7% 147 1.7% 365 1.8%
四国地方 3 0.2% 30 0.3% 151 0.7%
九州地方 65 4.6% 246 2.8% 857 4.2%

4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の約94%を占めている。

感染経路 届出件数
2003/7 2003年合計 2002年合計
メール 1,269 89.9% 6,725 76.6% 17,107 84.1%
海外からのメール 59 4.2% 1,524 17.4% 2,660 13.0%
ダウンロード(※1) 27 1.9% 123 1.4% 121 0.6%
外部からの媒体 21 1.5% 138 1.6% 119 0.6%
海外からの媒体 1 0.1% 2 0% 4 0%
不明・その他(※2) 34 2.4% 265 3.0% 341 1.7%

(※1)ホームページからの感染を含む (※2)ネットワーク経由を含む。

5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感染台数 届出件数
2003/7 2003年合計 2002年合計
0台 1,361 96.5% 8,344 95.1% 18,633 91.5%
1台 36 2.6% 351 4.0% 1,364 6.7%
2台以上 5台未満 9 0.6% 58 0.7% 206 1.0%
5台以上 10台未満 2 0.1% 12 0.1% 59 0.3%
10台以上 20台未満 0 0.4% 4 0% 60 0.3%
20台以上 50台未満 1 0.1% 4 0% 23 0.1%
50台以上 2 0.1% 4 0% 7 0%

4.特定日発病ウイルスについて

ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISEC に届出されたウイルスの中で、8月6日〜9月30日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げたので注意されたい。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]

 W32/Klez  8月6日、9月6日 (毎月6日に発病)
 VBS/Haptime  9月4日 (「月」と「日」の合計が13の時に発病)

コンピュータウイルスに関する届出制度について

コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、平成2年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

コンピュータウイルス対策基準

  • 通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
  • 通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
  • 通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
  • 通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂

問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)

TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
E-mail: 電話番号:03-5978-7501までお問い合わせください。
相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/