ネットワーク WG
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Internet Activities Board
1989年 1月

English

倫理とインターネット
(Ethics and the Internet)

このメモの位置づけ

このメモは、IAB(Internet Activities Board)によるインターネットの資源の正しい利用に関するポリシーの表明です。このメモの配布に制限はありません。

はじめに English

莫大な人的・経済的費用(アメリカ合衆国政府からの財源)を費やして、産業界と学会は、インターネットと呼ばれる相互接続されたネットワークの集合体に組み込まれてきました。インターネットは、1970年代中頃における実験的ネットワーク研究のための伝達手段として始まり、重要な国家インフラストラクチャとなっており、広がりつつある複数学問の研究者のコミュニティをサポートしています。研究者は、多岐に、コンピュータ科学者や電気エンジニアから、数学者、物理学者、医学者、薬学者、天文学者および宇宙科学者にわたっています。

他の公共インフラストラクチャ(例: 道路、貯水池・水道、および発電・送電)についてもそうであるように、インターネットにおいては、日々の研究活動のサポートについて、そのユーザによる依存が広く存在しています。

インターネットの信頼できる運用とその資源の責任ある利用は、そのユーザ、運用者および出資者にとって、共通の興味と関心事です。インターネット上のホストや同様のネットワークインフラストラクチャ中のホストを巻き込んだ最近のイベントは、インターネットユーザが皆、同僚やシステムの出資者に対して持っている「プロフェッショナルとしての責任」を繰り返し強調する必要性を甘く見ています。インターネット資源の多くは、アメリカ合衆国政府によって提供されています。それゆえ、システムの濫用は、単なるプロフェッショナルとしての倫理を越えて、連邦政府レベルの事柄となります。

IAB によるポリシーの表明 English

インターネットは、国家的ファシリティであり、この有用性は、大きくは広い利用可能性とアクセス可能性による結果です。この極めて重要な資源についての無責任な利用は、技術的なコミュニティに、持続的な利用可能性に対する計り知れない驚異をもたらします。

アメリカ合衆国政府のこのシステムの出資者は、公衆に対して、政府資源を賢く効果的に割り当てる信託責任を負っています。大混乱する濫用が起きた場合、このシステムの支援について正当化する説明は、苦しくなります。 インターネットへのアクセスとその利用は、特権であり、このシステムのすべてのユーザによって、そのように扱われる必要があります。

IAB は、国立科学財団(National Science Foundation)ネットワーク・通信研究・インフラストラクチャ部門(Division of Network, Communications Research and Infrastructure)の部門アドバイザリパネル(Division Advisory Panel)の見解を強く支持します。言い換えれば、これは、次に該当するあらゆる活動を非倫理的かつ許容できないものとして特徴づけています。:

(a) インターネットの資源への認可されていないアクセスを得ようとすること

(b) インターネットの意図された利用を混乱させること

(c) そのような活動を通じて資源(人、能力およびコンピュータ)を無駄にすること

(d) コンピュータベースの情報のインテグリティ(完全性)を破壊すること

(e) ユーザのプライバシーを侵すこと

インターネットは、一般的な研究環境において存在しています。この一部は、ネットワーキングについての研究や実験をサポートするために使われ続けます。インターネット上における実験は、そのコンポーネントとユーザのすべてに影響を与える可能性があるので、研究者たちには、研究活動において多大な注意を払う責任があります。インターネット全体規模の実験行動における怠慢は、無責任であるとともに許容できないことです。

IAB は、インターネットを混乱に対してより耐えるものにするために、技術的機構と手順的機構を識別し、用意するために、連邦省庁や他の利害関係主体と協調して、できる限りあらゆる活動を行うことを計画しています。しかし、そのようなセキュリティは、極端に高価である可能性があり、セキュリティがインターネットを価値あるものにしている情報のフリーな流れを抑制する場合、生産性を阻害するものである可能性があります。最後に、インターネットの健康と安寧は、そのユーザの責任です。ユーザは、一丸となって、システムを混乱させて長期 的発展可能性を脅かす濫用を防がなければなりません。


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