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III.2.2.3 プローブ解析の対策

以上説明してきたようにプローブ解析は目的とするレジスタへのアクセスが 可能な状態を準備することさえできれば, 秘密情報の解読はほとんどの暗号方式に対して比較的容易に実行できると考えられる. しかしこれを実現するためには 攻撃者は次に挙げるような技術的課題を全てクリアしなければならず, プローブ解析の実現可能性は決して高いとは言えない.

  1. ICチップの前処理
    チップ表面の露出,保護膜の除去など
  2. デバイス構造の把握
    目的とするレジスタ位置・ビット位置の見極め,各種解析センサの回避など
  3. プローブ中の制御
    探針の特性劣化の対策,攻撃する暗号方式の内部ループとの同期など

1番目に関してはそれほど高度な専門性は必要としない場合があるとしても, 2番目,3番目に関しては暗号方式およびそれが実装された デバイスに関する詳細な知識に加え, 技術的にもかなりな習熟度が要求されると考えられる.

プローブ解析に対する耐タンパー技術としては, 周波数検知回路,電圧検知回路,温度検知回路などの カード用ICへの標準装備が進んでおり, ICチップカタログに低・高電圧センサー,低周波数センサー, コンタクト異常検出機能などの各種セキュリティ回路の搭載を 記載しているベンダーもある.

また耐タンパーの新技術として, ICチップにSiコーティングを施すことで プローブ解析のようなICチップへの物理的攻撃を防ぐ技術 (例えば物理的に無理なアクセスをするとチップ自体が破壊される) も開発されている[Pio98]. これは従来の製造工程を用いてコスト効率良く実現でき, リバースエンジニアリングや, プロービング,化学的処理,電子顕微鏡,フォーカスイオンビーム(FIB)などの 解析からICチップを保護するものである.