情報セキュリティ
公開日:2022年1月19日
営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
経済産業政策局担当審議官 蓮井 智哉
新しい年を迎えまして、最初の営業秘密官民フォーラムメルマガ『営業秘密のツボ』を配信させていただきます。令和3年10月に着任いたしました、経済産業省経済産業政策局担当審議官の蓮井 智哉でございます。
お陰様で平成28年に創刊されたこのメルマガは、本号で第67号を迎え、今年で7年目となりました。ひとえに皆様方の御協力の賜であり、あらためまして、巻頭メッセージ、判例分析や関係情報の提供など、皆様の御理解、御協力に感謝を申しあげます。
さて、経済産業省では、平成30年度に不正競争防止法の改正を行い、ビッグデータをはじめとしたデータの利活用を推進すべく、限定提供データに係る不正競争の創設や技術的制限手段の規律の強化等を行いました。本年は、平成30年改正から施行後3年を迎え、また、平成27年改正から5年が経過する節目の年となります。これら法改正以降、新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークの急速な普及拡大等の働き方の変容、経済安全保障といった枠組みも踏まえての技術・重要データの保全・流出防止の要請など、企業をめぐる社会経済情勢は、大きく変化しており、企業の知財活用におけるオープン・クローズ戦略の重要性とも相まって、技術のみ
ならず権利化前のデータ・ノウハウを含む幅広い情報財をカバーする不正競争防止法が担う役割はますます高まっています。
こうした状況を踏まえ、経済産業省では、令和3年12月より不正競争防止小委員会を再開し、「限定提供データ」の関係規律の実効性の検証や、その他の情報財の保護に関する規律・運用の課題についての検討を進めております。制度的課題については、本年春頃に、検討結果を取りまとめることとしており、また、令和元年に策定・公表された「限定提供データに関する指針」や「秘密情報保護ハンドブック」の見直しもあわせて検討することによって、制度の実効性確保につなげていくこととしております。制度課題の検討結果の取りまとめ内容については、改めて皆様に共有させていただきたいと思います。
令和4年を迎えましたが、引き続き、関係各位の協力を仰ぎながら、営業秘密・限定提供データの適切かつ実効的な保護の実現に向けて、侵害の「抑止」と「予防」に資する取り組みを、着実に進めてまいりたいと考えております。
結びになりますが、皆様にとりまして本年が幸多き年でありますよう、
お祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
営業秘密の帰属についての第1回コラム及び第2回コラムに対する追っかけコラムです。不正競争防止法2条1項7号は、営業秘密を事業者から「示された」者による不正利用行為を規律していますが、従業員が自ら開発したノウハウや自ら収集した顧客情報等を不正利用した場合に、そもそも当該従業員は、営業秘密を事業者から「示された」といえるでしょうか。
この従業員創作型の営業秘密に関する問題は、しばしば起こりますが、学説でも肯定説・否定説があるとおり、なかなかの難問です。そこで、本コラムでは、実務上の参考としていただくべく、「示された」の要件が問題となった裁判例(原価セール事件,投資用マンション事件等)をご紹介します。
詳細は、弁護士知財ネット 営業秘密メルマガコラムをご覧ください。
宅配便業者を騙る偽SMSによる詐欺について、新たな手口が確認されています。これまで解説してきた内容と、最近確認されている相談内容を集約し、手口、影響、対処と被害にあわないための対策を整理しています。
詳細は、安心相談窓口だよりよりご確認ください。
2022年1月12日(日本時間)に脆弱性の修正プログラムが公表されました。 攻撃が行われた場合の影響が大きいため、早急に修正プログラムを適用し
てください。
詳細は、Microsoft 製品の脆弱性対策について(2022年1月)よりご確認下さい。
アドビシステムズ社から修正プログラムが公表されています。「過去に攻 撃リスクが高いとされた脆弱性」としてアナウンスされているため、早急
に修正プログラムを適用してください。
詳細は、Adobe Acrobat および Reader の脆弱性対策について(APSB22-01)(CVE-2021-44701等)よりご確認ください。
海外ビジネスを展開するにあたって、自社の経営や技術に関する情報を保護することは極めて重要です。
ジェトロでは、実際に営業秘密の保護・管理体制の導入を図る日本企業の中国、タイ、ベトナム、シンガポールの現地法人を対象に、専門家を派遣しコンサルテーションや社内研修を行う事業を実施します。サービス内容は支援対象企業のニーズにあわせてオーダーメイドでご提供いたします。
日本とは異なる商慣習や労務環境、司法保護状況に合わせて営業秘密の管理体制や保護措置を導入するために、ぜひご利用ください。
事業の詳細、申請書は次のリンク先よりご確認いただけます。
採択後から2022年2月18日金曜日まで
1社あたり中国、タイは17時間
シンガポールは10時間
中国、タイ、ベトナム、シンガポールの4カ国で計40件程度
無料
ジェトロ知的財産課
中国担当:赤澤、藤本
タイ、シンガポール担当:古賀、峯
Mail:CHIZAI@jetro.go.jp
Tel:03-3582-5198
INPITでは、知財戦略アドバイザーがセミナーや企業支援などで使用しているセミナー資料を公開しています。営業秘密保護・活用のポイント、権利化/秘匿化などの基本事項やおさえていただきたい事柄について説明しています。
・秘密情報を守るために 営業秘密管理の導入に向けて
・はじめての「営業秘密管理」
詳細は営業秘密・知財戦略相談窓口よりご確認ください。
経団連は2021年10月に、報告書「副業・兼業の促進 働き方改革フェーズ2とエンゲージメント向上を目指して」を公表しました。
副業・兼業は、働き手と企業、双方にとって有益な施策であるため、経団連としても推進しています。
副業・兼業の施策を推進する際の留意点は多岐にわたりますが、「機密(秘密)漏洩の防止」も重要です。「機密(秘密)漏洩」の恐れがある場合は、副業・兼業を制限することを就業規則や申請書、誓約書に明記しておくなど、各社はさまざまな工夫を講じています。(本文18ページ参照)
15社の具体的な対応事例(25ページ以降)も掲載しておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
詳しくは次のリンク先よりご覧ください。
経済産業省では、平成30年9月より産業競争力強化法に基づく技術等の情報の管理について国の認定を受けた機関による認証を受けられる制度を運用しております。
今般、事業者に対する情報管理のアドバイス・講師派遣や本認証制度の説明や申請支援、情報管理体制の監査の支援業務等を無償で支援する専門家派遣の公募を2022年2月28日月曜日まで実施しています。
派遣時期は同年3月11日金曜日までです。
不正競争防止法テキストの最新版は次のリンク先からご覧いただけます。
また、不正競争防止法について説明会をしてほしいなどのご要望がございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。
知財室員がご説明に伺います。
不正競争防止法の講義等において、不正競争防止法の概要をはじめ、秘密情報の保護ハンドブックや同ハンドブックのてびきの紹介・説明をさせていただいております。
これらの資料は、経済産業省ホームページからダウンロード可能です。
また、ご希望の方には、冊子をお届けすることも可能でございます。
次のリンク先をご確認いただき、社内研修等での活用をご検討いただけますと幸いです。
平成30年改正によって、不正競争防止法に限定提供データに関する規定が創設されました。企業が保有・活用する「情報」の保護を、営業秘密と相互補完的に守る不競法上の枠組みです。
知財室では、データ利活用に関する資料についてもホームページにて公表しております。
データ利活用の留意点を網羅的に説明した詳細版
データ利活用のQ&Aや企業の成功事例を載せた冊子になります。
データ利活用のエッセンスをまとめた概要版
データ利活用に取り組み始めたい方向けの冊子になります。
データ利活用のポイント集を基に企業のデータ利活用の事例を詳細に記載した事例集になります。
データ利活用を始めたいが何から始めて良いかわからない、データ利活用においてどのような点に気をつければ良いか等の疑問をお持ちの方は是非ご覧ください。
INPITが運営する「知財ポータル」にて、「取引先から我が社のノウハウの提供を求められている。どうしたらよい。」といった、営業秘密管理におけるよくある質問を一問一答形式のFAQとしてとりまとめています。
詳しくは知財総合支援窓口 知財ポータルの営業秘密・知財戦略よりご覧ください。
知的財産戦略アドバイザーが企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備をご支援いたします。
地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、ご好評いただいております。是非ご活用ください。
登壇予定のセミナーは次のリンク先でお知らせしております。
お問い合わせは、次をご参照ください。
E-mail:trade-secret@inpit.go.jp
「知識って誰にも奪われない唯一の財産じゃないですか。」
毎年正月の『芸能人格付けチェック』という番組を楽しみにしていますが、今年は諸事情でお休みされていたGACKTさんが、何年か前の番組で、どうして回答を間違えないのかと問われた際の答えの一部です。
おせちを頬張りながら漫然と(というか爆笑しながら)見ていたのでうろ覚えになりますが、(1)知識は誰にも奪われない財産なので、常に知識をアップデートしている、(2)知識と経験があるから、仮に家、金等を失ったとしても大丈夫、といった趣旨のことを語っていたように記憶しております(自分の中ではそれまで得体の知れないアーティストといった印象でしたが、なるほどと思った瞬間です。)。
個人の生活や企業の活動で前に向かって進んでいく上で、財貨だけでなく知識や経験など有形無形の様々な「財産」を蓄えるという「攻め」の姿勢は、自身の手札を増やす上で、いうまでもなく大切です。
とはいえ、家財やお金といった「目に見える」財産と異なり、知識等の「情報」は物理的に囲い込むことや、外見から無くなったことを確認することは難しく、この面ではむしろ「奪われやすい財産」ともいえ、知識の更新・収集だけでなく、それを無断で取られないようにする「守り」の取組も必要・重要になると思います。
企業にとって価値ある情報の漏えいを巡る報道が報じられますが、情報が「至高」の財産となる「攻め」と「守り」をバランス良く組み合わせた不断(+普段)の取組に役立てるように、今年も、皆様のお力を借りながら有益な情報を発信してまいりたいと考えています。
今後も「つぼマガ」を御愛読(できましたら情報提供も)いただけましたら幸いです。
「つぼマガ」第67号をお読みいただき、ありがとうございました。
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皆様のご意見、ご要望などをお待ちしております。
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