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情報セキュリティ

★営業秘密のツボ★ 2021.01.20_第55号

営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
INDEX
■巻頭メッセージ

              経済産業省 大臣官房審議官 中原 裕彦

新しい年を迎えまして、最初の営業秘密官民フォーラムメルマガ『営業
秘密のツボ』を配信させていただきます。
昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大により日本経済が戦後最大の落ち
込みを記録したこともあり、国難とも言える状況を乗り越えるため、経済
産業省全体として力を尽くした一年となりました。本年は、依然として
緊急時対応を余儀なくされつつも、ポストコロナ時代を見据えて段階的に
移行していくことができるように、「グリーン社会」への転換、「デジタ
ル」化への対応、「新たな日常」に向けた事業再編・事業再構築、中小
企業の足腰の強化といった、我が国経済にとって重要な視座に根差して、
着実に取組を進めていくこととしております。

さて、お陰様で平成28年に創刊されたこのメルマガは、本号で第55号を
迎え、今年で6年目となりました。ひとえに皆様方の御協力の賜であり、
あらためまして、巻頭メッセージ、判例分析や関係情報の提供など、皆様
の御理解、御協力に感謝を申しあげます。

企業において営業秘密に関する認識は高まり、各社その対策に取り組まれ
ていると認識しております。一方、技術情報をはじめとする企業情報が
内外に流出する事例が依然として発生しており、営業秘密の管理を行う上
でのリスクの高まりを感じられている企業の方々が増えているのではない
でしょうか。また、在宅勤務の進展、働き方の変容やDXの進展など、様々
な社会情勢を踏まえた、秘密情報管理の新たな課題なども生じており、
改めて、本フォーラムを通じ官民一体で各々の経験を共有しながら秘密
情報管理を進めていくことの重要性が増していると感じております。
経済産業省でも、営業秘密保護に係る取組を引き続き強化しております。

昨今、国境を越えた営業秘密侵害事案、いわゆる渉外事案への懸念が高ま
っていることを踏まえ、令和元年度に調査研究委員会を開催し、学識経験
者・実務家等の参加を得ながら、営業秘密侵害事案を含む渉外的な不正
競争事案に係る準拠法・国際裁判管轄の考え方について整理・検討を行い、
令和2年4月に報告書を公表しました。その上で、本委員会での議論を踏ま
え、企業の訴訟戦略に資するものとして「渉外事案の適用関係の概略と
民事訴訟における考えられる主張ポイント集」を同年6月に取りまとめ、
公表しております。
また、在宅勤務への切り替え等働き方が急速に変容しており、企業サイド
の的確な営業秘密管理を促すため、企業の秘密情報を適切に守りながら
在宅勤務を実施していく上でのポイントを取りまとめた「テレワーク時に
おける秘密情報保護のポイント(Q&A解説)」を令和2年5月に公表して
おります。

さらに、日系企業の海外進出が増加する中、技術情報の漏えいリスクも
増大しており、特に、中小企業では営業秘密管理の重要性認識・秘密管理
体制の整備が不十分なところもあることから、在外日系中堅・中小企業を
主なターゲットにすえて、現地専門家によるハンズオン支援と情報提供
活動を通じて、営業秘密管理体制の整備・強化を支援するための「中小
企業等アウトリーチ事業」を令和元年度からJETROとともに実施し、令和
2年4月には、営業秘密の管理に必要な留意点や契約ひな型等を盛り込んだ
「中国における営業秘密管理マニュアル」を取りまとめ、公表しました。
本事業は令和2年度も継続実施しており、中国の他、タイ、ベトナムに
おいても個別支援事業を実施しております。

営業秘密の流出への対応策を議論する場合には、その管理の在り方をどう
するかといった視点から検討されることが多かったものと思います。この
点につき、企業における営業秘密を含む無形資産がその競争力を決する
ことが多くなっている昨今では、自社が生み出す付加価値の源泉は、自社
のいかなる無形資産によっているのか、今後、競争力の強化を図っていく
に当たって無くてはならない無形資産、あるいはその深化を図っていかな
ければならないものは何なのかといった「攻めの視点」で、自社に存在
する営業秘密を改めて見直してみることが重要であるものと思います。
もとより「攻め」と「守り」は有機的一体のものであり、「攻め」の視点
で見直しを行うことが「守り」の強化につながるものであることは言うま
でもありません。

令和3年を迎えましたが、「攻め」の姿勢で企業の皆様による付加価値の
向上に向けた果敢な取組が実現されていくことを期待申し上げつつ、引き
続き、関係各位の協力を仰ぎながら、営業秘密の適切かつ実効的な保護の
実現に向けて、侵害の「抑止」と「予防」に資する取り組みを、着実に
進めてまいりたいと考えております。

結びになりますが、皆様にとりまして本年が幸多き年でありますよう、
お祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
【1】 訴訟・判決コラム:弁護士知財ネット
―――――――――――――――――――――――――――――――――
営業秘密の「使用」が認められた事例
名古屋高裁金沢支部判令和2年5月20日
原審・福井地判平成30年4月11日
            弁護士知財ネット 理事長 弁護士 末吉 亙―――――――――――――――――――――――――――――――――
今回は、設計図の類似性等を認定して営業秘密の「使用」を認めた事例を
紹介します。とくに、技術情報である営業秘密については、相手方から独
自開発の主張が提出された場合など、営業秘密の「使用」が大きな争点と
なる場合がありますが、今回の事例は、この観点から取り上げるものです。

詳細は、こちらをご覧ください。

【2】 サイバーセキュリティ対策
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1. 国内・欧米・中国のIT関連制度政策動向レポート:
                独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
国内外のIT関連先進技術の研究開発の推進、社会実装に係る制度、政策動
向の調査を行い、動向を取りまとめています。

サイバーセキュリティも含めIT関連技術は、社会への実装という観点から
様々な分野に適用されるため、各国の制度政策状況を全体として把握する
ことは、各個別分野の技術動向の把握やセキュリティ対策にとっても有用
となります。

詳細はこちらをご確認ください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
2. Microsoft製品の脆弱性対策に関する更新情報(1月度):
                独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
1月13日(日本時間)にMicrosoft製品に関する脆弱性の修正プログラムが
公表されています。脆弱性を悪用された場合、プログラムが異常終了した
り、攻撃者によってパソコンを制御されたりして、様々な被害が発生する
おそれがあります。

この内CVE-2021-1647の脆弱性について、Microsoft社は「悪用の事実を確
認済み」と公表しているため、至急修正プログラムを適用ください。

詳細はこちらをご確認ください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
3. 「Emotet」ウイルスにご注意(継続):
                独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「Emotet」と呼ばれるウイルスへの感染を狙う攻撃メールが、国内の組織
へ広く着信しています。特に、攻撃メールの受信者が過去にメールのやり
取りをしたことのある、実在の相手の氏名、メールアドレス・メールの内
容等の一部が、攻撃メールに流用され、「正規のメールへの返信を装う」
内容となっている場合や、業務上開封してしまいそうな巧妙な文面となっ
ている場合があり、注意が必要です。最近、攻撃が再開されています。

詳細はこちらをご確認ください。

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4. DX推進に向けた「情報システム・モデル取引・契約書」第二版を公開
  ~セキュリティ仕様策定プロセスの明確化等、情勢変化を反映~:
                独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
IPAではシステム開発を委託する際に締結する「情報システム・モデル取引
・契約書」について、第二版を2020年12月22日に公開しました。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を円滑に進めるためは、契約時
にユーザー企業、ITベンダーがそれぞれの役割を明確にすることが重要
です。

この第二版では、以下の論点を見直しています。

・「セキュリティ」
・「プロジェクトマネジメント義務および協力義務」
・「契約における『重大な過失』の明確化」
・「システム開発における複数契約の関係」
・「再構築対応」

契約書のひな形、修正履歴、解説などをダウンロードできます。

詳細についてはこちらをご覧ください。
【3】 セミナー・イベント等のお知らせ
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1. 営業秘密・知財戦略セミナー・知財活用支援セミナーの開催情報:
            独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
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INPITでは、営業秘密の管理・活用方法や知財戦略に関する無料セミナー
を開催しています。

■開催予定
2021年 1月28日(木)14:00~17:00 営業秘密・知財戦略セミナー
 Zoomミーティング
 ・秘密情報を守るために~営業秘密管理の導入に向けて~
 ・オンライングループディスカッション

2021年 2月 5日(金)14:00~16:35 海外知的財産活用講座
 WEBセミナー(YouTube Liveによるライブ配信)
 ・海外展開における知的財産活用の重要性
 ・(仮)海外販路開拓の進め方

開催概要・参加申し込みはこちらよりご確認ください。

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2. DX推進に向けた戦略マネジメント系セミナー
                独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
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事業の継続や発展のためにデジタル化を推進する際、事業とICT活用をリ
スクマネジメントの観点で結び付ける「戦略マネジメント層」のセキュリ
ティ知識や経験がポイントとなります。まずは、事業やICT環境の変化に
対応しつつ、事業を支えるセキュリティの必要性を認識することが喫緊の
課題です。

本セミナーは、「戦略マネジメント層」の一員に相当する、あるいは今後
「戦略マネジメント層」としての活動が期待される、部課長級の方を主な
対象とし、オンラインで開催いたします。

詳細はこちらをご覧ください。
参加申し込みは、「2020年度の詳細」リンクから。

【4】 営業秘密関連情報のご紹介
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1. 事業者の情報管理を支援する専門家を無償で派遣します
(産業競争力強化法に基づく「技術情報管理認証制度」): 
                  経済産業省 安全保障貿易管理課
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経済産業省では、平成30年9月より、産業競争力強化法に基づく技術等の
情報の管理について、国の認定を受けた機関による認証を受けられる制度
を運用しております。

今般、事業者に対する情報管理方法のアドバイス・講師派遣や認証取得に
係る申請書作成、情報管理体制の監査の支援業務、業界団体向け業界毎の
標準的な技術等の情報管理手法(モデル)の確立等を無償で支援する専門
家派遣を10月8日(木)より実施しております。

詳しくはこちらをご覧ください。

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2. 営業秘密・秘密情報管理、知財戦略のFAQ
           独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
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INPITが運営する「知的財産相談・支援ポータルサイト」にて、営業秘密
管理のコツをありがちな課題に絞り、一問一答形式のFAQとしてとりまとめ
ています。

・営業秘密管理に関するご質問
・秘密情報管理と漏えい防止に関するご質問
・知財戦略に関するご質問

詳しくはこちらをご覧ください。

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3. 不正競争防止法テキスト2020を公表しております: 
                    経済産業省 知的財産政策室
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不正競争防止法のテキスト最新版を、知財室ホームページにて公表しております。
こちらのサイトからご覧いただけます。

また、不正競争防止法について説明会をしてほしい!などのご要望が
ございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。
知財室員がご説明に伺います。

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4. 「秘密情報の保護ハンドブック」及び「情報管理も企業力
  ~秘密情報保護ハンドブックのてびき~」を配布しています:
                    経済産業省 知的財産政策室
―――――――――――――――――――――――――――――――――
不正競争防止法の講義等において、不正競争防止法の概要をはじめ、秘密
情報の保護ハンドブックや同ハンドブックのてびきの紹介・説明をさせて
いただいております。

これらの資料は、経済産業省ホームページからダウンロード可能です。
また、ご希望の方には、冊子をお届けすることも可能でございます。

こちらをご確認いただき、社内研修等での活用をご検討いただけますと
幸いです。

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5. 知的財産戦略アドバイザーのコラム:
            独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
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営業秘密・知財戦略相談窓口の知的財産戦略アドバイザーが、営業秘密を
管理・活用する上で皆様のお役に立つようなちょっとした豆知識等を紹介
しています。
第26回は
「のぞみ」に乗った 営業秘密
 INPIT 知財活用支援センター 知財戦略部 知的財産戦略アドバイザー
                            小原 荘平
こちらをご覧ください。

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6. 「営業秘密・知財戦略相談窓口」をご活用ください:
           独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
知的財産戦略アドバイザーが企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制
(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)
の整備をご支援いたします。
地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、
中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、
ご好評いただいております。是非ご活用ください。

お問い合わせは、こちらへ
E-mail :trade-secret@inpit.go.jp
https://faq.inpit.go.jp/tradesecret/service/

※緊急事態宣言が発令された対応として、対面での支援を当面休止してお
 ります。Web・メール・電話でのご相談は受け付けておりますが、対応
 に時間を要することがございます。
事務局のつぶやき
★今月の知財室★

あけましておめでとうございます。
いつも「つぼマガ」をご覧いただきありがとうございます。

皆さま年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。
新たな年を迎えるにあたり、例年とは異なる年末年始を過ごされたのでは
ないかと拝察いたします。
毎月第三水曜日に「つぼマガ」を発信しておりますが、令和3年1月20日
(水)は、「大寒」に当たるそうです。
昨今の情勢から、テレワークを活用される方も増えている中においては、
寒い中を通勤せずに済むというメリットもあるように思いますが、漠然と
した情報漏えいリスクを懸念される企業もあるのではないでしょうか。

従業員に秘密情報を持ち帰らせることなどによる情報漏洩リスクや法的
保護の毀損を懸念される企業も想定されますが、適切な管理を行いながら
テレワークを推進することは可能と考えられます。
知的財産政策室では、主に不正競争防止法上の「営業秘密の保護」の観点
から、テレワークを実施していくうえでのポイントを「テレワーク時に
おける秘密情報管理のポイント(Q&A解説)」

にまとめておりますので、是非ご参照いただければと思います。

本年も皆様が御健勝で御多幸でありますよう、心からお祈り申し上げます。
「つぼマガ」第55号をお読みいただきありがとうございました。
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■原則、毎月第3水曜日に発行。(号外あり)
 バックナンバーを、IPAサイトにて公開しています。
 
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発行/編集:営業秘密官民フォーラム
(事務局)
  経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室
   TEL: 03-3501-3752 FAX: 03-3501-3580
  独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター
   TEL : 03-5978-7530 FAX : 03-5978-7513
 ◎皆様のご意見、ご要望などをお待ちしております。
  ご意見およびご要望は、下記アドレスにメール願います。
   MAIL: 営業秘密官民フォーラム事務局
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