HOME情報セキュリティセキュリティエコノミクス営業秘密官民フォーラムメールマガジン★営業秘密のツボ★ 2019.07.17_第37号

本文を印刷する

情報セキュリティ

★営業秘密のツボ★ 2019.07.17_第37号

営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
INDEX
巻頭メッセージ
      重要さを増すTrade Secret Theftへの対策強化

               弁護士 林 いづみ (弁護士知財ネット専務理事)

知的財産はもともと「情報財」ですが、昨今のIoTやAIの進歩によって、既存の知的
財産権の要件を満たさない情報が「現代の石油」といわれるほど、イノベーションと
競争の源泉となっています。令和元年7月1日の改正不正競争防止法の施行により、
「限定提供データ」という日本特有の新制度が開始しましたが、グローバルには
Trade Secret(営業秘密)の窃取(日本では「漏洩」という自然に漏れるニュアンスの
用語が使われますが、昨今の対中リスクを強調する米国政策では故意の犯罪的な
theft(窃盗)が使われていますので、ここでは「窃取」と呼ぶことにします。)へ
の対策が、最重要事項であることに変わりはありません。

しかし、ほとんどの企業が営業秘密の重要性を認識している一方で、自社の営業秘密
の窃取や不正流用を防ぐための積極的な取り組みに足踏みしている企業が多いのも事
実です。

ところで、営業秘密の窃取防止対策の最大の障害は、自社で営業秘密の窃取が日々発
生していることへの認識の欠如であるといわれます。米国のあるアンケート調査では、
退職する従業員の50%が退職後も会社の機密データを保持し続けており、40%がその情
報を新しい仕事に使用することを計画しているそうです。実際の事件では、米国でも、
中国でも、日本でも、退職する従業員が最終の出社日(秘密情報へのアクセス権限が
失われる最終日)の最後の数時間を、USBメモリースティックに秘密情報をダウンロー
ドしたり、後でアクセスするためにクラウドにアップロードすることに費やしている
ことが判明しています。このことからも、退職する従業員に対する各種手続(早目の
アクセス制限や秘密情報取扱いに関する誓約、人事手続等)が極めて重要なことは明
らかでしょう。

秘密情報管理の社内の責任者は法務・知財の担当者だけではありません。取締役等の
経営陣が、各社のリスクの程度とビジネスニーズに合わせて、法務・知財、IT、セ
キュリティ、人事の各グループを調整し、外部の弁護士と協力して進める必要があり
ます。アクセス制限のための積極的措置としては、物理的・技術的なセキュリティ、
アクセス管理や秘密情報のメタデータ化、情報ガバナンスとしてNDAに開示情報の取
扱基準の詳細を規定することも有効です。

懲戒処分、民事・刑事訴訟の結果を従業員全員に周知し、会社が、営業秘密の窃盗を
深刻に受け止めて決して許さないという強力なメッセージを送ることも再発防止に有
効です(実際、刑事手続の秘密管理性要件のハードルは高いので、刑事告訴をして起
訴に至った企業は、秘密管理の優等生の証というべきでしょう)。

以上のとおり、企業の平時からの秘密管理体制の構築、事案に適したNDAの作成、退職
従業員への面接、調査、誓約書等の対応、情報盗用事件への懲戒処分、民事訴訟及び
刑事告訴・捜査・公判、会社広報など、営業秘密を守るために必要な一連のリーガル
サービスについては、弁護士知財ネットの全国の会員弁護士に、お気軽にご相談くだ
されば幸いです。

【1】 訴訟・判決コラム:弁護士知財ネット
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 営業秘密侵害品の水際取締手続き
                    弁護士知財ネット 弁護士 松田 誠司
                             弁護士 小倉  徹
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
営業秘密を不正に使用して生産した物(営業秘密侵害品)の輸出入の差止めが可能に
なってから3年が経ちました。営業秘密の重要性の高まり、グローバル化の進展、雇用
の流動化等に伴い、営業秘密侵害品の輸入差止めを検討する機会も増えていくことが
予想されます。もっとも、営業秘密侵害品の輸入差止手続は、他の知的財産権侵害物
品の輸入差止手続と異なる点がありますので検討に際し注意が必要です。

詳細は、こちらをご覧ください。

【2】 サイバーセキュリティ対策:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. Microsoft製品の脆弱性対策について(2019年7月):
          独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2019年7月10日(日本時間)にMicrosoft製品に関する緊急性の高い脆弱性の修正プロ
グラムが公表されています。Microsoft社は「悪用の事実を確認済み」と公表してお
り、今後被害が拡大する可能性があるため、至急、修正プログラムを適用して下さい。

 https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20190710-ms.html
 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2. 情報セキュリティ白書2019発行予定のお知らせ:
          独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
──────────────────────────────────────
新しいサイバーセキュリティ動向を掲載する「情報セキュリティ白書2019」を、2019
年8月8日に発行予定です。
印刷書籍版は2,000円、PDF版は昨年度版に引き続き無償提供予定です。
発行に向け、更新情報を随時IPAのホームページ上(下記)でお知らせします。

 https://www.ipa.go.jp/security/publications/hakusyo/2019.html
 

【3】 セミナー・イベント等のお知らせ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 企業の技術等の情報管理を支援する専門家派遣事業のお知らせ:
          経済産業省製造産業局技術戦略室
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
経済産業省では、技術等情報の適切な管理に係る認証制度(※)の普及を目指します!
今年度は、経済産業省の委託事業(委託先:三菱総合研究所)として、技術等の情報
の管理を進めようとする企業や団体の皆様に、情報管理の具体的な方法のアドバイス
や、認証の取得の支援を行う専門家を無料で派遣いたします。
(※)技術等情報の適切な管理に係る認証制度について

 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/technology_management/index.html


専門家派遣の申込みは次のURLをご参照ください。

 https://www.mri.co.jp/news/press/public_offering/recruit/028683.html

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2. 営業秘密・知財戦略セミナー、知財活用支援セミナー開催のお知らせ:
        独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
営業秘密の管理・活用方法及び知財戦略に関する無料セミナーを開催します。

■知財活用支援セミナー
海外ビジネスを円滑に進めるための留意点を、海外知的財産プロデューサーからお伝
えする講演を含むセミナーです。

1)日時:7月26日(金)13時15分~17時00分(受付12時45分~)
 場所:香川県高松市
    香川県新規産業創出支援センター ネクスト香川3F 大会議室

2)日時:9月13日(金)14時00分~17時45分(受付13時30分~)
 場所:宮城県仙台市
    トラストシティ カンファレンス・仙台 Room5

■営業秘密・知財戦略セミナー
1)日時:7月31日(水)14時00分~17時15分(受付13時30分~)
 場所:北海道札幌市
    アスティ45ビル ACU-A 小研修室1212

2)日時:8月6日(火)13時30分~16時45分(受付13時00分~)
 場所:三重県津市
    三重県教育文化会館 3F 第2会議室

3)日時:8月23日(金)14時00分~17時15分(受付13時30分~)
 場所:茨城県水戸市
    TKPスター貸会議室水戸駅前 カンファレンスルーム6A

 開催概要・参加申し込みは、こちらをご覧ください。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3. 第10回コラボレーション・プラットフォームについて:
         独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
企業の経営に携わる方々・関係機関等の方々が、サイバーセキュリティ対策等に関す
る情報交換・交流をする「コラボレーション・プラットフォーム」の第10回です。
今回は「クラウドにおけるセキュリティ」をテーマとして7月29日(月)午後に開催し
ます。開催概要と申込みは、下記URLをご参照ください。

 https://www.ipa.go.jp/security/announce/collapla_index.html
 
【4】 営業秘密関連情報のご紹介
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 不正競争防止法平成30年改正「限定提供データ」に関する改正事項等が施行され
ました:
経済産業省知的財産政策室
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
7月1日(月)に、平成30年改正で導入された「限定提供データ」に関する不正競争行為等
についての事項が施行されました。経済産業省知的財産政策室では、本改正事項を含め
た逐条解説等を作成しておりますので、ご参照いただけますと幸いです。

▼逐条解説 不正競争防止法 令和元年7月1日施行版

 https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/20190701Chikujyou.pdf

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2.「営業秘密・知財戦略相談窓口」をご活用ください:
        独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
知的財産戦略アドバイザーが企業に出張訪問して、秘密情報の管理体制(例えば、書
類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備を支援させていただくケース
が増えてきています。個別企業訪問セミナーも好評で多数実施しています。
「営業秘密・知財戦略セミナー」を企業のニーズに応じてカスタマイズし、社内でセ
ミナーを開催することができますので、是非ご活用ください。

お問い合わせはこちら
電話03-3581-1101(内線3844)

事務局のつぶやき
★今月の知財室★

つぼマガをご愛読いただきありがとうございます。
今年4月より経済産業省知的財産政策室に着任いたしました関と申します。

令和元年7月1日、平成30年改正不競法の「限定提供データ」の保護等が施行されまし
た。価値あるデータのうち、一定の要件を満たせば「限定提供データ」とし、悪質性
の高い不正取得等を「不正競争行為」と位置づけ、差止請求権等の救済措置を設けて
います。

ところで、7月1日は「ウォークマンの日」らしく、40年前に「ウォークマン」の第1号
が発売されたとのことです。今では、辞書にも載っている日本発の世界的な単語です
が、その当時は、現在の認知度になるとは思わなかったのではないでしょうか。
「限定提供データ」についても、日本だけでなく世界中の皆様に認識されるよう広まっ
てくれることを期待しています。


「つぼマガ」第37号をお読みいただき、ありがとうございました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■「営業秘密のツボ」は、メルマガ受信登録いただいた方にお届けしております。
 送付先変更/配信解除は、各団体様の連絡担当者にご相談願います。
■原則、毎月第3水曜日に発行。(号外あり)
 バックナンバーを、IPAサイトにて公開しています。
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行/編集:営業秘密官民フォーラム
(事務局)
  経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室
   TEL: 03-3501-3752 FAX: 03-3501-3580
  独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター
   TEL : 03-5978-7530 FAX : 03-5978-7514
 ◎皆様のご意見、ご要望などをお待ちしております。
  ご意見およびご要望は、下記アドレスにメール願います。
   MAIL: 営業秘密官民フォーラム事務局
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━