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社会基盤センター

システム構築の上流工程強化(要件定義・システム再構築)

システム開発における上流工程の課題解決により、ビジネスに貢献

 ITシステムの役割が現場中心からビジネス中心へ、個別最適から全体最適へ、と変化する時代に、経営層がITシステム開発の上流に深くかかわることの重要性を2000年代に発信しました。以来10年が過ぎましたが、その間も上流工程の重要性が指摘されてきたにもかかわらず、上流工程の作業不備(手戻り)に起因した開発プロジェクトの失敗や運用後のシステムトラブルは無くなっていません。むしろ、ITシステムの大規模化・複雑化が進み、一部ではトラブルの発生数が増大しています。今後、システムが予想もしなかった相手とつながり、要求が多様化して複雑に深化すると、一つの不備が広範囲に影響し、社会に与えるインパクトは以前とは比較にならないほど甚大となります。

 そこで、上流工程において歴然と変わらないシステム開発における問題への取り組みが大切になります。手戻りの問題には二つの傾向があります。要件定義に関する問題によるものと、既存資産を用いた再構築に特有な問題によるものが考えられます。IPAでは、こうした問題を解決するための課題を検討し、解決の指針を示すために「システム構築の上流工程強化」に取り組んでいます。

 2016年3月にIPA内に設置したシステム構築上流工程強化部会、および同部会配下のシステム化要求WG、モダナイゼーションWGでは、課題解決のための活動テーマを設定し、活動の成果をガイドブックにとりまとめ、普及活動を推進しています。

 ガイドブックを参考にプロジェクトの上流工程を適切に遂行することにより、要件定義の不備を無くすことで、成果物の品質向上が期待できます。さらに、システム再構築における特有の難しさを踏まえた工期・コスト・品質への影響を明確化することで、ユーザ企業とベンダ企業の目線が合うことにより、システム構築の効率およびシステム全体の品質向上が期待できます。

システムに求められる要求を確実にシステム要件へ

  • ユーザ企業からベンダ企業に要求が正しく伝わっていないと、開発プロジェクトの現場で実装する機能は要求を正しく反映したものにはなりません。この問題の解決には、ユーザが要求を抜け・漏れなく定義するために実施すべきことを明確にすることが重要です。
  • そこで、システム化要求WGの活動を通じて、ユーザ企業とベンダ企業の知見やノウハウをまとめた“勘どころ(コツ)”を示した「ユーザのための要件定義ガイド ~要求を明確にするための勘どころ~」を出版しました。
  • 本ガイドブックは、主にユーザ企業でITシステムの要件定義を実施する読者を対象に、要件定義において発生する問題と、その解決方法をまとめました。
  • 本活動は、 システム構築上流工程強化部会の下に設置した「システム化要求WG」で行っています。

システム構築上流工程強化_図1

難易度の高いシステム再構築におけるアプローチ

  • 長期にわたって保守開発をしてきたシステムの再構築は、簡単ではありません。そこには、「現行業務仕様の理解不足」などによる再構築に特有の難しさという問題が内在します。この問題の解決には、上流工程においてリスクを明らかにして、対策をユーザ企業とベンダ企業で合意することが重要です。
  • そこで、モダナイゼーションWGの活動を通じて、ユーザ企業とベンダ企業の知見やノウハウをまとめた「システム再構築を成功に導くユーザガイド ~ユーザとベンダで共有する再構築のリスクと対策~」を出版しました。
  • 本ガイドブックは、ユーザ企業が現行システムを再構築する際に、最適な手法を選択し、正確でかつベンダ企業側と齟齬を生じさせない「システム化計画」の策定を支援します。
  • 本活動は、システム構築上流工程強化部会の下に設置した「モダナイゼーションWG」で行っています。

システム構築上流工程強化_図1

関連情報

報告書・成果物