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社会基盤センター

2017年度組込みソフトウェア産業の動向把握等に関する調査結果を公開

2018年3月29日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア高信頼化センター

概要

 独立行政法人情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(以下、IPA/SEC)は、組込みソフトウェア産業の動向把握等に関する調査結果を公開しました。

調査の背景と狙い

 近年、自動車、医療機器、工場設備、家電などの様々な機器に組み込まれたコンピュータシステム「組込みシステム」は機器の制御だけでなく、データ・センシング、知的なユーザ・インタフェースなど高度な機能を持つようになっています。さらにインターネットにつながることでIoT(Internet of Things)として社会に広がる基盤を形成しつつあり、組込みシステム上のソフトウェアである「組込みソフトウェア」の品質確保はより重要な課題となっています。このような状況の下、IPA/SECは、組込みソフトウェア産業の実態や課題を把握するとともに、今後、取り組むべき施策の立案に活用することを目的に、昨年度に引き続きアンケート調査を実施しました。具体的な調査方法は以下のとおりです。

  • アンケート調査の主な目的:組込みソフトウェア産業における開発の品質・開発技術・人材育成状況などについて、マクロな傾向を把握する
  • アンケート期間:2017年11月~2018年2月
  • 調査票の配布数:2,436部
  • 回収数:244件
  • 有効回答者数:236件
  • アンケート対象者:組込み関連企業の経営層または事業部門責任者

調査結果から分かった現状と課題

 今回の調査結果で、組込みソフトウェアの複雑化の傾向として明らかになったことは、「適用技術の複雑化・高度化」「安全性の向上(機能安全への対応等)」「セキュリティ/プライバシー保護の強化」「つながる対象が増加」の4つが上位にきていることです。
 このことにより、組込みシステムの複雑化に伴い、安全安心に関する課題やIoT(つながる世界)に関する課題が発生していることがうかがえます。また、別設問の「複雑化傾向への対応方針」としては、約9割の回答者が「技術者の教育・訓練、スキルの向上」を重要と回答しています(詳細は報告書参照)。


図1 組込みソフトウェアの複雑化の傾向

 また、組込み人材の過不足状況の観点から分析すると、図2に示すように、現在と今後の不足人材の関係を示した散布図では、45度のライン周辺にほぼすべての人材が位置していることから、どの人材も現在/今後とも不足と考えていることがわかります。特に、「システム全体を俯瞰して思考できる人材」、「ビジネスをデザインできる人材」、「プロジェクトリーダ(PL)」などの不足が顕著になっています。


図2 現在/今後の不足人材の関係(軸は回答者数)

 これに対し、それぞれの回答数に人材の不足人数を乗じた散布図(図3)では、「設計者」の不足が顕著であり、特に現在、不足していることが見て取れます。「ビジネスをデザインできる人材」は現在/今後とも不足と感じられるものの、不足人数は多くないようです。


図3 現在/今後の不足人材の関係(軸は回答者数×不足人数)

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