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~財団法人地方自治情報センターによる非機能要求グレード(地方公共団体版)の策定~

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社会基盤センター

地方公共団体の情報システム向けカスタマイズ版「非機能要求グレード」を導入
~財団法人地方自治情報センターによる非機能要求グレード(地方公共団体版)の策定~

2018年2月8日更新
2014年3月25日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア高信頼化センター

概要

  IPA/SECでは、情報化社会を支える情報システムの開発において、発注者と受注者との認識の行き違いを防ぎ、信頼性の高いシステムを効率よく開発することを目的に、サーバやOS等のシステム基盤に対する非機能要求(*1)を漏れなく確実に定義する手法である「非機能要求グレード」を2010年に公開しました。以降、その活用のための研修教材等の公開やセミナーの開催をとおして、普及展開活動を進めています。

  このたび、「非機能要求グレード」の有効性が評価され、地方公共団体向けのシステムに特化させたカスタマイズ版の「非機能要求グレード(地方公共団体版)」が財団法人地方自治情報センター(LASDEC)(*2)によって、作成・公開されました。

  【平成25年度調査研究「地方公共団体の情報システム調達仕様書における非機能要件の標準化に関する調査研究」】(LASDEC)
     https://www.j-lis.go.jp/rdd/chyousakenkyuu/cms_92978324-2.html

  「非機能要求グレード」を用いることで、システム開発の早い段階で非機能要求を漏れなく明確化することができ、開発プロジェクトの失敗削減やシステムの信頼性向上に結び付けることができます。さらに、適用する分野や領域などに対応してカスタマイズすることにより、使いやすさが向上するとともに一層高い効果が得られます。IPA/SECでは今後も、「非機能要求グレード」がカスタマイズされ、様々な分野で活用されることを期待し、引き続き「非機能要求グレード」の普及を促進していく予定です。

オリジナル版と地方公共団体版の比較

  「非機能要求グレード(地方公共団体版)」は、地方公共団体での情報システム調達において、非機能要求を漏れなく明確化し、効率よくシステム調達仕様を作成するために特化したカスタマイズ版です。
  「そのため、地方公共団体の情報システムの特徴を踏まえ、オリジナル版とは異なる情報システムのモデルを設定しています。

オリジナル版
  障害時の影響の観点から、次の3つのモデルシステムを設定しています。

  1. 社会的影響がほとんど無いシステム
  2. 社会的影響が限定されるシステム
  3. 社会的影響が極めて大きいシステム
「非機能要求グレード(地方公共団体版)」
  平常時の可用性(*3)及び災害時の初動対応の観点から次の4つのモデルシステムを設定し、より実際の運用に則したつくりにすることにより、使い勝手の向上を目指しています。
  1. 平常時にはそれほど高い可用性が求められず、災害対策に使用しないか、災害時の初動対応が不要なシステム
  2. 平常時には高い可用性が求められ、災害対策に使用しないか、災害時の初動対応が不要なシステム
  3. 平常時にはそれほど高い可用性が求められず、災害時の初動対応が必要なシステム
  4. 平常時には高い可用性が求められ、災害時の初動対応が必要なシステム

  また、オリジナル版の非機能要求項目(全236項目)から、地方公共団体が情報システムの調達をするために必要な76項目に集約(一部項目追加も実施)して導入への抵抗感を軽減し、より分かり易く、かつ使い易くなるよう目指しています。

  地方行政分野における住民サービスの内容はどの地域でも基本的に同じであるため、各自治体で利用される情報システムは共通性が多く、民間に比べても要求の標準化がし易いという特徴があります。この点から「非機能要求グレード(地方公共団体版)」は多くの自治体システムの構築に活用することが期待でき、システム構築作業の効率化とシステムの信頼性向上につながることが期待できます。

脚注

(*1)  システム開発において、そのシステムで実現したい機能(機能要求)以外で、システムを実現するうえで必要となる事項。その多くはサーバ等の機器やOS・ミドルウェア等から成るシステム基盤で実現される。
(*2)  Local Authorities Systems Development Center。地方公共団体の情報化を推進している団体。平成26年4月1日より、地方公共団体情報システム機構「Japan Agency for Local Authority Information Systems (J-LIS)」に承継された。
(*3)  障害等による停止がなく使用し続けられる性質。

更新履歴

2014年4月30日 脚注(*2)を更新しました。
2018年2月8日 リンクを修正しました。