以下に本応募課題のルールを述べます。必ず従ってください。 1. 本応募課題では、応募者本人の知識量、考察力、説明力を審査します。必ず自分の言葉で記述してください。 2. 調査、説明、考察、記述を他者や AI に委ねることを禁止します。例えば LLM および LLM を応用したサービス(例: ChatGPT, Claude, Gemini, Grok, 各社の Deep Research 機能など)は、英文の翻訳といった、調査、説明、考察、記述に寄与しない範囲でのみ使用を許可します。 3. 文字数制限はありませんが、要点を押さえた冗長でない記述を心がけてください。特に問(5)のように、説明のために長い記述が必要ならば回答が長くなってもかまいません。 以下の記述問題に回答してください。 (1) CPU やペリフェラルを集積したシングルチップの IC を一般に SoC と呼びます。この中でも、電気回路の中で特定の処理を実行することに特化したものは MCU やマイクロコントローラーなどと呼ばれます。MCU とそうでない SoC の線引きは、一般に消費電力の大小であるとか、実行できる演算の規模であるとかといった明確でない尺度で表現されます。しかしながら、高性能な SoC でも不要なペリフェラルの停止や動作周波数の低減により消費電力は低減できますし、逆に非常に高速な CPU を持ち AI 推論コア (NPU) まで兼ね備えた MCU もあるので、この尺度では線引きには不十分なことがわかります。これら以外の違いで MCU とそうでないものに決定的な線引きを与えたい場合、どんな箇所が有り得るかを提案してください。 (2) Wi-Fi による無線通信が可能なマイコン、MOSFET、モーターの3つを組み合わせて車のラジコンを作りました。マイコンと通信するためのスマートフォンのプログラムと、制御コマンドを受け取ったマイコンが MOSFET を駆動しモーターを回転させるプログラムも開発しました。しかし実際に前進コマンドを送ってみると、何度試しても、一瞬ラジコンが前に進んだあとすぐに停止してスマートフォンとマイコンの通信が切断してしまいます。しばらくすると再度通信可能になるので、不可逆的な故障は生じていないようです。ラジコンが前進し続けずに通信が切断するという現象の例と要因を考察し列挙してください。可能であればその調査方法と具体的な対策も挙げてください。 (3) USB 機器が任意の電圧による電源供給を受けられる規格として USB Power Delivery があります。最初に登場し、USB Type-A 端子と Type-B 端子を利用する USB PD Revision 1.0 はほとんど普及しませんでしたが、Type-C 端子と共に登場した USB PD Revision 2.0 は広く普及しました。この要因を自由に考えて述べてください。規格そのものの差分だけではなく、より広い視点で記述された考察を期待します。 (4) USB マウスが接続されたコンピューターがあります。コンピューターでは Web ブラウザが動作しています。マウスポインターはハイパーリンク( タグで囲まれたテキスト)の位置を指していて、マウスの左ボタンをクリックすると別のページが開かれます。このとき、マウスのボタンを押してから実際に別のページが開かれるまでにコンピューターの中で起きることを、クリックのイベントがマウスからどのようなハードウェアやソフトウェアを通じて伝わっていくかを起点として、時系列順にできる限り詳細に説明してください。特定の OS やハードウェアを例にしても、あるいはしなくてもよいです。上記の状況説明にない部分は、何かを仮定して補填してもかまいません。 (5) 私達の使っているあらゆるコンピューターの CPU では、コアが2つや4つ、あるいは8つ以上搭載されていることがあります。CPU の全体性能としてマルチコアの計算性能を測定すると、コア数が多いほどスコアが増加する傾向にあります。なら、同じ面積のCPUダイでコア数をとんでもない数にすれば同じ消費電力で性能も飛躍的に上がるのではと考えられますが、現実では一定の数に落ち着いています。この理由を、近年の多コア構成の CPU ダイのトレンドも参考に考察してください。 (6) 本トラックでは工作、電気回路、Linux、Python、Web の3言語 (HTML, CSS, JavaScript) など広い範囲の技術に触れることを通じてすべてのレイヤーを渡り歩きます。意気込みを教えて下さい(この分野が気になる、こういうことを学びたい、など)。また、今までにやってきたことのアピールも自由にどうぞ(ブログ、GitHub、Web サイト、またその内容の説明など)。