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未踏IT人材発掘・育成事業:2018年度採択プロジェクト概要(山下PJ)

最終更新日:2018年7月3日

1.担当PM

竹迫 良範(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 専門役員)

2.採択者氏名

山下 琢巳(東京大学 大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻)

3.採択金額

2,304,000円

4.テーマ名

あらゆるアセットを管理するビジネスロジックを兼ね備えた汎用型分散台帳基盤の開発

5.関連Webサイト

なし

6.申請テーマ概要

 本プロジェクトでは、あらゆるアセットを管理するビジネスロジックを兼ね備えた汎用型分散台帳基盤を開発する。分散台帳技術とは、高い信頼性が求められる金融取引や重要データのやりとり等を可能にする技術である。分散台帳システムには、システムの一部が故障しても障害の重大性に応じて機能を低下させながらも処理を続行するフォールトトレラント性を持つこと、外部からの侵入攻撃によってデータの改竄を行うことが困難であることが求められる。これらを解決する技術として、昨今ブロックチェーン技術が関心を集めている。しかし、現状のブロックチェーンプラットフォームの多くは合意形成に多大な時間がかかるため、多くの人が十分に潤滑な取引を行うことは難しい。その点を解決するために、合意形成アルゴリズムの改善が試みられているが、研究過程であるものや用途が通貨に限定されたものがほとんどである。本プロジェクトで新しく開発する汎用型分散台帳基盤は、あらゆるアセットを管理することを目的とした、十分高速で上記の分散台帳システムに期待される性質を満たしたシステムである。
 この汎用型分散台帳基盤は以下の要件を満たす。

・あらゆるアセットを管理できる。
・取引が改竄されることがない。
・いつでも利用できる。

 また以下の理念を持たせる。

・ソフトウェアの内部ロジックは簡潔に設計されている。
・利用者は簡単に扱うことができる。
・多くの人が十分高速に取引ができる。
・利用者が自身の利益を最大化しようとした時、全てのロジックが成り立つ。

 これらの要件と理念により、だれでも簡単にオリジナルアセットを発行し同一基盤上のユーザと取引することができる。

7.採択理由

 現在ブロックチェーン技術に対する投資が各方面で行なわれているが、ノード数や取引量が膨大になった場合にきちんとスケールする基盤が技術的にも運用的にも整っているかどうかが事業成長を支えるための一つの課題となっている。本提案は、IDやライセンス管理など、組織における一般的なIT運用で求められる資産管理のビジネスロジックに着目し、アセット管理をベースにした分散台帳を統合的かつ汎用的に管理できるような技術基盤を開発することを目標としている。従来のマイニングに基づくプルーフ・オブ・ワークではないコンセンサス・アルゴリズムでどうのように分散的に合意形成をしていくのか、Yet Anotherな技術的手法でビザンチン将軍問題を解決していくことは社会的意義がある。複数の組織ガバナンスの元で管理を分割して規模をスケールさせたり、複数組織下での管理だったアセットをマージして統合的に扱えるようにしたりするなど、技術的なシーズ課題に対してコンセプト検証する他にも、実際の応用例に基づいたニーズ志向の開発にも挑戦して欲しい。ホリゾンタルな開発であらゆるものを対象としてしまうと焦点がぼやけてしまう可能性があるので、バーティカルな目的特化の視点も持ちながら、事業ドメイン的にも技術的にも競合優位性を確保していくことを期待している。

更新履歴

2018年7月3日 2018年度採択プロジェクト概要(山下PJ)を掲載しました。

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