公募結果未踏IT人材発掘・育成事業:2013年度採択プロジェクト概要(馬場PJ)

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未踏IT人材発掘・育成事業:2013年度採択プロジェクト概要(馬場PJ)

最終更新日:2013年10月18日

1.担当PM

 石黒 浩PM(大阪大学大学院 基礎工学研究科 システム創成専攻 教授)

2.採択者氏名

 チーフクリエータ:馬場 匠見(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科)

3.採択金額

 2,304,000円

4.テーマ名

 実世界プログラミングのための分散人力処理環境の開発

5.関連Webサイト

 なし

6.申請テーマ概要

 実世界における仕事の多くは人が判断し実行しているが、その際にミスは起こりがちである。自らの経験則によってミスの発生を回避することは可能だが、その熟練した経験則を得ることは容易ではない。一方で、これらの仕事の多くはマニュアル化されたものであり、プログラムとして記述可能な点が多い。ならば、仕事の実行主体である人間をプログラムモジュールとして利用可能にすれば、仕事をプログラムとして実行できるようになると考えられる。このような環境下では、プログラム通りに仕事を厳密に実行していくことになり、人は人でしか実行できないような仕事に集中し、ミスを抑え、効率的に仕事を実行していくことが可能となる。
 そこで本プロジェクトでは、上記のように人がプログラムからの指令に従うことで、人が経験則などに左右されず業務の遂行や目的の達成が可能となるような仕組みを実現する。そのために、プログラム上で人をモジュールとして扱えるようなプログラミング環境を開発する。具体的には、プログラムから人に対して命令を送れるライブラリと、プログラムからの命令を受け取り、人が処理した結果をプログラムに返すようなアプリケーションの実装をする。また、分散処理の仕組みを取り入れ、多数の人を対象とした命令配信を可能にする。
 本プロジェクトの仕組みにより、人間からの返り値と実世界情報などを組み合わせた、より柔軟な人・実世界のプログラミングが可能になるため、様々な応用が期待される。

7.採択理由

 コンピュータに指令を与え思い通りに動かすというのが、これまでのプログラミング言語の常識であるが、本提案では、指令を与える対象をコンピュータではなく、人間にしている。すなわち、”人”または”人々”に対する様々なコマンドを持つプログラミング環境において、人間の行動をプログラムするという野心的なアイデアを提案している。
 この野心的なアイデアを実現するためには、人間をどのように制御するか、どのような環境を対象とするか等、慎重に検討しなければならない項目は幾つもあり、それらの慎重な検討が成功の鍵であると同時に、容易な検討ではないとも想像される。 しかしながら、そうした困難を認識した上でも、本提案の独創的な発想は魅力的であり、チャレンジする価値は十分にあると認められる。また一定レベルの完成度を得られたなら、様々な形で本手法の可能性が広がるとも期待される。

更新履歴

2013年10月18日 2013年度採択プロジェクト概要(馬場PJ)を掲載しました。