デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2011年度採択プロジェクト概要(竹岡PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

石黒 浩(大阪大学大学院 基礎工学研究科 システム創成専攻 教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    竹岡 英樹(東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専 石川奥研究室)

3.採択金額

  • 1,792,000円

4.テーマ名

  • TossCamの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

本提案では、投げる、落とすといった高速自由運動中に映像取得をする多視点カメラシステムTossCamを制作する。また、これらの映像に画像処理を行い、周囲の空間を自由な視点で見られるようなアプリケーションを制作し、TossCamから生成されたコンテンツが有用であることを示 す。TossCamは、従来のカメラと比較して高フレームレートかつ高速なシャッタースピードのカメラを組み合わせたシステムである。このような構成と位置姿勢推定技術を組み合わせることで、「投げる、落とす」といった高速自由運動下の映像からコンテンツ生成を行う。TossCamで は、ユーザはその場でTossCamを投げたり落としたりすることで、壁の向こうにあるようなユーザから見えない場所を撮影することが可能となる。
従来のカメラシステムでは「投げる、落とす」といった運動下での撮像を想定していないため、高速な回転やモーションブラーを伴うため映像を見ただけで何が起きているかを理解するのが難しい。従来のカメラシステムとは異なり、このような領域をターゲットとしている点が、TossCamの大きな特徴である。TossCamでは下記の2点を特徴とした構成をとることでこのような映像から映像の安定化やシーンの復元など実用的なコンテンツの生成を目指す。

  • 高速、回転運動に合わせたハードウェアの利用
  • VSLAMによる位置姿勢推定

将来的には上述したその場で投げるなどの環境センシングを目的とした使用法だけでなく、ボールなどに埋め込むことでスポーツ、エンタテイメントの分野でも潜在的なアプリケーションをも達成できると考えられる。

7.採択理由

発想は、未だ荒削りで改良の余地はたくさんあるが、カメラの新たな形態を提案しているところには十分な期待が持てる。
特にハードウェアや材料に関する経験や知識が少なく、その点において、実現性を欠いている提案ではあるが、そういった部分においては、本プロジェクトを推進しながら、PMや関係者の意見を参考に解決し、是非とも実用的なシステムを完成させてほしい。