デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(ユース):2009年度下期採択プロジェクト概要(佐藤PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

安村 通晃(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    佐藤 剛(明治大学 理工学部 情報科学科)

  • コクリエータ
    なし

3.未踏プロジェクト管理組織

  • 株式会社ゴーガ

4.採択金額

  • 3,000,000円

5.テーマ名

  • 柔軟なシークバーによるコンテンツ操作インタフェースの開発

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請テーマ概要

シークバーの扱いを固定されている棒から柔軟に曲がる紐へと変えることで、シークバー自体を可動にし、それと共に、曲げる、切る、結ぶといった機能を組み込む。これにより、シークバーの特性である、再生位置のわかりやすさと再生位置の変更のしやすさを残しつつも、コンテンツの編集機能を持つ、より柔軟性のあるシークバーの扱いが可能になると考えた。
このインタフェースをシークロープとして提案する。

複数の楽曲に対応するシークロープを二次元上の再生エリアへ自由に配置する。紐のような特性を持たせたシークロープは、曲げる、切る、結ぶといった加工が行える。これらの機能を用いることで、シークロープのループやカットイン、同時再生が可能となる。このことから、楽曲の再生だけではなくリミックスやマッシュアップといった楽曲編集の機能を包含したインタフェースとしての使い方も期待できる。

なお、今回の開発では音楽再生を前提にシステムの実装を提案しているが、動画再生においても同じ構造のインタフェースを適用できると考えている。

一般的な楽曲編集ソフトウェアと違い、曲のループに同じパーツを繰り返し配置する必要がない、曲げ方を工夫することで小さな画面にシークロープを納めることが可能となるといった利点が挙げられる。

このインタフェースを再生プレイヤーに実装することで再生作業から編集作業に無理なく着手できる。このことより、コンテンツの編集に慣れ親しんでいない層の人にもその面白さを味わってもらえると考えている。

8.採択理由

音楽再生の時間経過を示す従来は直線状のシークバーを、曲げたり、切ったり、交叉させたり、つないだりと言う操作をするシステムの提案と試作。音楽の連続再生(ループ)、メドレーリレー、ランダム再生などが可能である。ある程度の試作ができているので、しっかり使えるシステムとして完成させると同時に、さらなる工夫をして欲しい。現状では、Windowsだけを考えているようだが、できれば、Macでも動くと良い。また、音楽再生以外に、映像再生その他の展開も応用として考えていくと良いだろう。ユニークなアイデアに基づく、斬新なインタラクションメニューの提案と考えられ、未踏的でもあり、成果が楽しみである。