デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(本体):2009年度下期採択プロジェクト概要(関場PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

加藤 和彦(筑波大学 大学院システム情報工学研究科 教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    関場 治朗(株式会社ウニークス 代表取締役CTO)

  • コクリエータ
    なし

3.未踏プロジェクト管理組織

  • 株式会社オープンテクノロジーズ

4.採択金額

  • 6,000,000円

5.テーマ名

  • 省資源ホスティングのためのコンテナ最小化技術の開発

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請テーマ概要

本提案は、仮想サーバ1台あたりの計算機資源の占有量を抑えるための省資源ホスティング技術に関するものである。

省資源ホスティングには、ハードウェア仮想化のVM(Virtual Machine)や、OS(Operating System)仮想化のVPS(Virtual Private Server)に対して、より小さな仮想化単位であるコンテナの利用が有効である。現在コンテナを利用したホスティング技術は、SunのSolarisなど商用OSに実装されている。

ここで仮想サーバを、サービスを提供するものとみなすと、その実行段階を少なくとも3つに分類できる。サービスの開発ステージ、テストステージ、運用ステージである。

本提案は、運用ステージの仮想サーバを、計算機資源の占有量を可能な限り小さくしたコンテナの中で実行することを目的としている。そのために、

  1. 差分保存型ファイルシステムを用いた開発ステージ用コンテナ管理機能
  2. 必要ファイル検知を用いたテストステージ用コンテナ管理機能
  3. 不要ファイルを除去したコンテナを実行する運用ステージ用コンテナ管理機能

の3機能を備えたコンテナステージングツールを開発する。

本提案により、1台の物理サーバに多くの運用ステージの仮想サーバを、少ない手間で集約できるようになる。

8.採択理由

コンテナ方式による仮想化は、ゲストOS環境がホストOS環境と同じである制約は持つものの、少ない実行時オーバヘッドで仮想化を実現できるという特色を有する。本提案は、コンテナ方式の仮想化システムにおいて、差分管理技術を活用してコンテナサイズを最小化し、省資源の仮想ホスティング技術を開発しようとするものである。開発・テスト・運用の三ステージにおいて、統合的な管理ツールを開発する計画である。既にfeasibility studyを進め、提案する方式の有効性に関する実験を行い、有効性が期待できることを示している。これまでに大手IT企業にてオープンソースソフトウェアに関する豊富な開発経験を持ち、提案開発を成功に導ける可能性が十分に高いと期待できる。以上から採択と判定した。