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IT人材育成

IT融合人材についての取り組み

掲載日:2013年11月15日
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
IT人材育成本部HRDイニシアティブセンター
最終更新日:2015年8月20日

 IPA HRDイニシアティブセンターでは、IT環境変化を踏まえた今後のIT人材の重要分野※注1の一つとして位置づけられている「次世代高度IT人材」を「IT融合人材」と位置付け、以下の2点を取り組んでいます。

1.IT融合人材育成連絡会(平成25年度実施)

 近年、ITはIT関連産業の枠を超え、他産業・分野との融合によってイノベーションを起こし、新たなサービスを創造する役割を担いつつあります。「産構審人材育成WG報告書」 では、このような異分野とITの融合領域において、イノベーションを創出し新たな製品やサービスを自ら生み出す人材を育成することが喫緊の課題と位置づけられました。同時に新製品・新サービスの創出プロセスや必要な能力、及び人材像なども提示されました。この「産構審人材育成WG報告書」での提言を受け、ここで示された「次世代高度IT人材」を「IT融合人材」と位置付け、更に検討を進めるため、IPAは平成25年7月に特定非営利活動法人ITコーディネータ協会様(ITCA)と共同で、各機関に呼びかけを行い、「IT融合人材育成連絡会」を立ち上げました。
 この連絡会は、我が国の経済、産業の活性化を目指すイノベーションへの取り組みを加速するために、産官学が一体となって「IT融合人材」の育成と組織のイノベーション環境作りを促進することが重要であるとの認識のもと、情報交換と意見交換を行う場として位置付けられました。

(1)IT融合人材連絡会について 別ウィンドウで開く
  1. 連絡会開催に当たっての呼びかけ文書(趣意書)
(2)IT融合人材育成連絡会 活動について (最終成果) 別ウィンドウで開く

(3)IT融合人材育成連絡会 検討成果報告セミナーの詳細についてはこちら 別ウィンドウで開く
(5月20日に実施されたセミナー内容につきましては上記リンクから参照できます)
  1. テーマ:IT融合による価値創造に向けて~IT融合人材育成連絡会検討成果報告セミナー~
  2. 日時:2014年5月20日(火) 14:30~17:30(14:00開場)
  3. 会場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
  4. プログラム:こちらをご覧ください 別ウィンドウで開く
  5. 参加費:無料(ITコーディネータの方はITC実践力ポイントが1.5ポイントがつきます)
  6. お申込み:(申込期間は終了しました)
  7. 告知用チラシ:こちらをクリックしてください(PDF)
(4)ご参考 -IT融合人材育成連絡会 上期活動について(中間報告)  別ウィンドウで開く
上期までの中間報告はこちらをご覧ください。最終成果については上記(2)のリンクからご覧ください。なお、上期活動においては「融合IT人材」と表現しておりましたが、最終的に「IT融合人材」と呼称を変更しています。
  1. 中間報告 ~「IT融合人材」育成のあり方~
  2. 体制とスケジュール
  3. 各機関の取組み事例報告
    • 株式会社 NTTデータ経営研究所様 「求められるIT人材像と育成の方向性」
    • 東京海上ホールディングス株式会社様 「融合IT人材の論議の方向感について」
    • 株式会社 リクルートテクノロジーズ様 「リクルートグループの人材・組織の取り組み」
    • 一般社団法人 経営情報学会様 「融合IT人材育成の議論に向けて」
    • 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会様 「融合IT人材育成に関連した取組みのご紹介」
    • 一般社団法人 情報サービス産業協会様 「JISAにおけるイノベーション人材の検討」
    • 特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会様 「ITCのイノベーション実践力向上を目指して」

2. IT融合人材に関する育成フレームの整備(平成25年下期実施)

 「産業構造審議会情報経済分科会人材育成WG報告書(2014年9月)」(以下「産構審人材WG報告書」という。)では、異分野とITの融合領域においてイノベーションを創出し、新たな製品やサービスを自ら生み出すことができる人材を育成することが喫緊の課題と位置づけられました。
 IPA HRDイニシアティブセンターでは「産構審人材WG報告書」での提言を受け、上記の人材を「IT融合人材」と位置付け、2013年度に特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(以下「ITCA」という。)と共同で「IT融合人材育成連絡会」を設置し、その育成のあり方を検討してきました。

 本事業は「産構審人材WG報告書」における提言および「IT融合人材育成連絡会」における検討結果を具体化・詳細化することでIT融合人材の育成フレームを「スキル指標」および「IT融合人材育成における組織能力評価指標(成熟度モデル)」として整備しその過程を事業報告書としてまとめました。これらの成果物を通じてIT企業におけるIT融合人材の育成を促進することを目的としています。


IT融合人材に関する育成フレームの整備 図1

※本事業の概要を解説したドキュメントは以下からダウンロートしてください。

成果物

(1)事業報告書
 本事業の背景、目的と成果物の作成過程における検討経緯をまとめた報告書です。「IT融合人材」の位置づけを明らかにし、本事業と関連する「IT融合人材育成連絡会」などの活動との関係を説明します。また、本事業の成果物である「スキル指標」の検討経緯と作成における考え方を解説します。「IT融合人材育成における組織能力評価軸(成熟度モデル)」についても検討経緯と定義における考え方を解説します。

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(2)スキル指標
 「スキル指標」はIT融合人材がイノベーションを創出する際のタスクを定義した「(a)タスクモデル」、このタスクを実行するために求められるスキルを定義した「(b)スキルモデル」、複数のタスクに共通に求められる「(c)共通スキル項目」、必要な知識を整理した「(d)知識項目」、およびタスクを主として実行する役割例を示した「(e)役割モデル」から構成されます。
 企業においては、「(a)タスクモデル」を参照することで、イノベーション創出に向けた具体的な取組の検討を開始することができます。「(b)スキルモデル」「(c)共通スキル項目」「(d)知識項目」を参照することで、既存人材に新たに求められる能力を見極めIT融合人材の育成に活用することができます。また、「役割モデル」はタスクを実行する際の役割分担のガイドとして参照することができます。

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(3)「IT融合人材育成における組織能力評価軸(成熟度モデル)
 「成熟度モデル」は企業におけるIT融合人材の育成を評価する組織能力指標です。企業におけるIT融合人材の育成・活用環境の整備度合いを評価できるように段階表現を用いて成熟度をモデル化しています。企業はこれを利用することで自社の状況を客観的に把握するとともに、今後の整備に向けた方向性を見出すことが可能になります。

ダウンロードはこちら

IT融合人材に関する育成フレームの整備 図3

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※上記のファイルは「成果物」におけるリンクファイルと同一のものです。

3.IT融合人材育成における組織能力評価指標(成熟度モデル)活用事例 (平成26年上期実施)

 IPAでは、ITとビジネスとの融合領域において新たなサービスを創出する役割を担いつつある「IT融合人材」の育成について検討を進めてきました。この過程でIT融合人材が十分に力を発揮するためには組織能力の向上が必要であるとの認識を得ました。平成25年度には、このような認識に基づき、IT融合人材を育成するために組織に求められる能力を更に精査し「IT融合人材育成における組織能力評価指標」(以下「成熟度モデル」という。)を作成しました(上記2参照)。
 成熟度モデルの枠組みを用いて、IT融合人材育成の取組みを分析・整理した事例を公開いたします。この事例集を参考にすることで、IT融合人材育成を活性化しイノベーション創出に向けた組織環境の整備を促進することを目的としています。
 今回の事例収集においては、イノベーション創出とこの活動を牽引する人材の育成に取り組んでいる企業に成熟度モデルを使用した組織環境整備に関する取組みについてヒアリングのご協力を頂きました。調査にご協力頂いた企業は以下の5社です(五十音順)。
  • セイコーエプソン株式会社
  • 株式会社ソルパック
  • 株式会社ディー・エヌ・エー
  • 株式会社日立システムズ
  • 株式会社リクルートテクノロジーズ

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4. IT融合人材育成事例調査(平成26年下期実施)

 ビジネスとITを融合し新事業・新サービスを生み出すイノベーションの創出は、IT企業に限らず様々な業種のユーザー企業においても行われています。今回、このような活動を牽引する「IT融合人材」の育成についてユーザー企業を中心に事例を収集しました。
 平成25年度に作成した、「IT融合人材育成における組織能力評価指標」(以下「成熟度モデル」という。)の枠組みを用いて、IT融合人材育成の取組みを分析・整理し報告書としてまとめました。この事例集を参考にすることで、IT融合人材の育成を活性化しイノベーション創出に向けた組織環境の整備を促進することを目的としています。
 今回の事例収集においては、イノベーション創出とこの活動を牽引する人材の育成に取り組んでいるユーザー企業に成熟度モデル(上記2参照)を使用した組織環境整備に関する取組みについてヒアリングのご協力を頂きました。調査にご協力頂いた企業は以下の6社です(五十音順)。

  • 大阪ガス株式会社
  • 芝園開発株式会社
  • 積水化学工業株式会社
  • パナソニック株式会社アプライアンス社
  • ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社
  • ヤマト運輸株式会社

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5.イノベーションへの組織的取組みを解説した「価値を生み出すビジネスへ」冊子公開

ビジネスとITを融合しイノベーションを創出する「IT融合人材」は、ビジネスモデルのシフトを促し「攻めのIT」を実現するうえでも重要性を増しています。新事業・新サービスの創造に取組む企業の経営者や人材育成担当者に向け、イノベーションを組織的に生み出すという考え方や人材に求められる能力などについて簡潔に解説した冊子を公開します。

価値を生み出すビジネスへ 第一巻(人材編) イノベーションを起こすのは誰か?
第一巻(人材編)
 価値を生み出すビジネスへ 第二巻(組織編) イノベーションを起こすのは組織とは?
第二巻(組織編)

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