PCと比較して携帯電話は,電話帳などの個人情報を含むために様々なセキュリティの保護の仕組みを持ち,スパイウェアなどによる情報漏洩のリスクが比較的低い.この携帯電話をPCと相互接続することで,PCの入出力デバイスとして用いたり,個人認証を目的としたハードウェアトークンとして利用したりすることも可能となる.
一方,PCと携帯電話を接続する既存方式では、相互接続する際に導入の手間がかかり、対象を限定するものが多い。それらはまた,携帯電話とPCを1対1で接続することを想定した設計になっており、1台の携帯電話で複数台のPCを同時に操作・管理することは困難である。
本プロジェクトでは,こうした問題を解決するために、我々が2006年度前期未踏ソフトウェア創造事業で取り組んできた「携帯電話の2次元コードリーダを活用した個人認証システムSUAN」を発展させる形で、「携帯電話とPCを相互に接続・制御するミドルウェア」とその応用ツールを開発する。開発を検討している応用ツールや機能には、携帯電話のPC用2次元コードリーダ化機能、PC用カメラデバイス化機能などがあげられる。また、 SUANを用いた個人認証方式に関して、PC上にソフトウェアをインストールすることを想定したアプローチも検討する。OSやブラウザに認証用プラグインをインストールするタイプのソフトウェア開発を行い、これを利用することで、既存の固定パスワード入力環境や、Web上の個人情報に関する入力の手間を改善することを目指す。
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