提案する「フリーハードウェア」とは,オープンソース・ソフトウェアの特徴をハードウェアであるコンピュータにまで拡張するものである.従来の概念ではハードウェアはソフトウェアのように容易に複製,流通が困難であるため,ユーザに無料で提供することは実質不可能である.またソフトウェアのようにインターネットを通じて世界中に即座に伝送することはできず,物理的輸送手段が必要となるため普及にも時間がかかる.同様の理由から回路のディバッグや新規格への対応,或いは機能の追加なども非常に困難である.このため現状ではユーザは数年毎に新しいハードウェア(コンピュータ)に買い換えることで対応している.しかし,もしこのコンピュータがソフトウェアと同様に,インターネットを通じて伝送することが可能であったとしたら,現在のIT産業は根底から覆るだろう.「フリーハードウェア」はFPGAを用いることでこれを可能にする.具体的には,これまでハードウェアであったコンピュータをFPGA上にロードするコンフィギュレーション・データとして,ソフトウェア化することで実現する.
今回申請する開発期間中では,この「フリーハードウェア」を実現するためのプラットフォームとして,FPGAプラットフォーム基板とネットワーク・インターフェースIP,及びこれらを用いたアプリケーションを開発する.
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