IPA






2004年度第2回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM

 

 坂村 健



2.採択者氏名


 代表者

 上野 真路 (有限会社ユー・システムズ 代表取締役)

共同開発者

 なし



3.プロジェクト管理組織


 有限会社ユー・システムズ



4.委託金支払額

 

 14,000,000円



5.テーマ名

 

 高い汎用性・移植性を有した分散コンポーネントシステムの開発



6.関連Webサイト


  http://www.usys-assoc.org



7.テーマ概要


 このプロジェクトでは,おもにロボットなどの機械制御を対象とした,複数のプロセッサを用いた分散制御を行う開発環境システムを構築することを目的とする。
  組み込み分野において,比較的要求仕様に余裕のある制御対象にまで,複数のプロセッサを用いた分散制御が用いられるようになっている。これには,チップの低価格化,出荷後の新機能追加などの拡張性確保,ネットワーク技術の浸透,開発効率の重視などが起因している。しかし,組み込み分野での分散コンポーネントの導入には,一般に高い技術が求められる。このため,このプロジェクトでは,おもにロボットなどの機械制御を対象とした,複数のプロセッサを用いた分散制御を行う開発環境システムを構築する。
  さまざまなプロセッサ上に移植し,動作させることを可能にするため,通信接続に使用するハード仕様を,ほぼすべてのプロセッサに搭載されているといえるUARTを基本とすることにし,そのうえで複数のプロセッサ間の通信規約を定めた。また,コンポーネント(ここでは,一般に関数の形で実現される処理単位をコンポーネントと呼ぶ)の信号線間を接続,分散制御を行う開発環境を,グラフィカルなユーザインタフェースを利用して提供した。
  現在ロボット制御用機器間での通信プロトコルには,標準仕様がない。このため,本ソフトウェアが完成することにより,組み込みコミュニティに寄与することが見込まれる。



8.採択理由

 

 最終成果物の到達目標が明確であり,また計画も緻密であったため。現在ロボット制御用機器間での通信プロトコルには,標準仕様がなく,このソフトウェアが完成することにより組み込みコミュニティに寄与することが見込まれるため。




9.開発目標


 このプロジェクトの開発目標は,ロボットに代表される機械制御をおもな対象アプリケーションとし,以下の2つを有する分散コンポーネントシステムの開発ツールを開発することである。
 1. 軽量なプロセッサ間通信接続プロトコル仕様
 2. コンポーネント接続を定義するユーザインタフェース



10.進捗概要


 当初は,上記の9.開発目標に掲げた開発項目のうち,第1項を重視した開発を進める予定であった。しかし,プロジェクトマネージャから「普及させるためには,実際にユーザが使ってみたいと思えるようなシステムを開発しなければならない」と助言した。このことにより,第2項を重視したシステム開発を進めることとなった。第2項のユーザインタフェースはもともとCUIベースのものであったが,GUIベースのものに変更した。
 第1項についても,今回の開発対象であるコンポーネント間のパラメータ受け渡しに特化してはいるが,軽量なプロセッサ間通信接続プロトコルを実装した。
開発目標を達成するための基本的なツールは実装できた。実用的なデモンストレーションを行うための制御システム装置の開発が若干遅れているが,1ヶ月以内に完了する予定である。



11.成果


 以下の2つを有する分散コンポーネントシステムの開発ツールを開発した。
    1. 軽量なプロセッサ間通信接続プロトコル仕様
    2. コンポーネント接続を定義するユーザインタフェース
 本成果は,日本ソフトウェア学会第22回大会(2005年9月13日〜15日)にて発表される。



12.プロジェクト評価


 通信プロトコルに標準仕様のないロボット制御の分野において,軽量なプロセッサ間通信接続プロトコル仕様とコンポーネント接続を定義するユーザインタフェースを構築し,実動させたことは評価に値する。
 ただし,「高い汎用性を有した」開発ツールというには,まだ事例検討やシステム整備が不足している。またマニュアルの整備なども不可欠である。今後はシステム整備をさらに進め,本プロジェクトの成果が普及することを期待したい。



13.今後の課題


 今後は,事例検討やシステム整備をすすめ,本成果物の実用性を向上させることが必要である。また,マニュアルやサンプルを充実させ,プロモーションを行うことによって本成果が普及することを期待したい。


  ページトップへ   






  Copyright(c) Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved 2004