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2004年度第2回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM

 

 鵜飼 文敏 (日本ヒューレット・パッカード株式会社 ヒューレットパッカード研究所 主幹研究員)



2.採択者氏名


 代表者

 武井 和久(フリー)

共同開発者

 なし



3.プロジェクト管理組織


 財団法人京都高等技術研究所



4.委託金支払額

 

 4,704,465円



5.テーマ名

 

 分散型コンテンツマネージメントシステムの開発



6.関連Webサイト


 なし



7.テーマ概要


 
本プロジェクトでは、分散型のノード間の記事投稿、アクセスコントロール、拡張機能のロード、ユーザによる簡単なインターフェースをもつコンテンツマネージメントシステム、BlanquiAzulの開発をおこなう。




8.採択理由

 

 本提案はクラスタのような密な結合をした分散システムではなく、疎な結合で連合した分散型コンテンツマネージメントシステムの開発であり、オープンソース実装としては新しいものであるといえます。またプログラミング言語Rubyによるコンテンツマネージメントシステム実装はあまりないので、本開発によりRubyのその方面の実装が充実していくことが期待できます。提案者の別提案であるwebページ埋め込みツールバーのような機能も本システムの一部機能として実装されると、より使いやすいシステムにすることができると考えるので、その開発もあわせておこなうことも期待します。提案者はRubyを利用したWebニュースシステムも開発しており、本提案の開発能力はあると判断しました。




9.開発目標


 Webインターフェースでコンテンツの作成・管理を行うことができるコンテンツマネージメントシステム(以下CMS)は、コンテンツの作成や管理を容易にできるようになることから、いくつか開発され利用されるようになってきている。しかし、現状オープンソースとして開発された多くのCMSでは、基本的に単一サイトのコンテンツ作成を前提としており、インターネットらしい疎結合な分散型のものは存在しない。
 本プロジェクトの目的は、分散型CMSをオープンソースとして開発することである。CMSとして必要な機能である記事の投稿やアクセスコントロールなどをWebインターフェースからおこなえることができるようにするだけでなく、それらのCMSを複数組合せて記事の投稿のやりとりや、CMS間での検索、また他のCMSからの拡張モジュールなどの安全なロード機能などを提供することで、分散したCMS間で統一感のとれたコンテンツを管理できるようなマネージメントシステムを開発する。




10.進捗概要


 2005年1月20日に、プロジェクト管理用にtracというプロジェクトシステム管理システムを設置・運用を開始した。
 4月頃までは、CMSの基本機能の開発をすすめていたが、5月以降は開発者の家庭事情もあってあまり開発を進めることができなくなってしまった。



11.成果


 単体で動作可能なCMSは開発することができた。
 分散化を前提にリクエスト処理、コンテンツ入出力、画面出力をそれぞれについて拡張モジュールの作成や再利用可能な構成をとるようにした。これらのモジュールはそれぞれ別ノードに分散化できるように細分化するようにしている。テンプレートエンジン、テンプレート処理部を分離した構成とし、HTreeを利用したテンプレートを実装した。個々のCMS間で様々なテンプレートエンジンを採用できるようにしつつ、それらのテンプレートを利用したコンテンツを分散化したCMS上で利用できるような構造にした。また、レイアウト用のテンプレートなどについては、テンプレート群を継承することで、直接テンプレートを編集する手間を減らすようにしている。
 簡単に作成可能な埋め込みボックスも作成した。これらを組合せれば基本的なブログを実現することができる。
 これらをWebインターフェースから利用できるようにするために、簡単なCMSに必須の機能であるコンテンツの編集やユーザ認証、アクセス制御については基本的な実装をおこなった。



12.プロジェクト評価


 想定外の事情により期間の後半にほとんど開発できなかったために、本プロジェクトの主眼となる分散型のCMSを実現することがほとんどできなかったのは残念である。
 本期間では目的に達することができなかったが、オープンソースソフトウェアのプロジェクトとしては終わりとせずに、いつかは目的を実現したものを開発・公開することを期待している。

 



13.今後の課題


 簡易なCMSの機能しかまだ実現できていないので、まず実用に使えるように機能の充実をはかることが必要である。また本来の目的であった分散化という点に関しても、設計のみで実装ができていないので、分散化機能を実装し本プロジェクトで実現したかった機能を示していかないといけない。ブログ等で使われているRSSやTrackbackなどを使った分散との関係を明確にして、提案にあったような分散化をすることで利点が得られるような運用の仕方や例などもまとめていくことも大事だろう。
 プロジェクト応募当時はRubyによって実装されたCMSを開発するという意味があったが、期間中にRubyOnRailsなどがでてきたので、それらとも融合して利用できるようになっていくと、より便利なCMSが実現できていくのではないかと思う。


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