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2004年度第2回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM

 

 中島 秀之  (公立はこだて未来大学 学長)



2.採択者氏名


 代表者

 森 悠紀 (東京大学大学院 情報理工学系 コンピュータ科学専攻 修士1年)

共同開発者

 なし



3.プロジェクト管理組織


 デジタルプロセス株式会社



4.委託金支払額

 

 4,995,875円



5.テーマ名

 

 インテリジェントな3次元形状ブラウザの開発



6.関連Webサイト


 http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~yuki/



7.テーマ概要


 複雑な構造を持つ3 次元物体モデルをわかりやすくブラウズするシステムを研究開発した。3 次元モデルを2 次元のディスプレイにわかりやすく表示するには視点やライト位置の調整の他、物体の一部の除去、半透明表示などが効果的である。これまではこのような設定を、モデリング側であれ、ユーザ側であれ、完全に手動で行う必要があり、既存システムでは複雑なパラメタ設定は困難であった。この問題を解決するために,データの自動分析とユーザの興味の指定による、インテリジェントなアシストを用いた、使いやすい3 次元形状ブラウズシステムの実装がなされた。




8.採択理由

 

 3次元物体の切断面を,人が理解しやすいように設定するという研究である.従来の手法にない新しい計算手法とその実装に期待する.
 提案者本人の理論化能力以外に,企画力を買う.共同研究者をうまく巻き込んで開発して欲しい.



9.開発目標


 物体の3次元形状を最適に表現するための切断面の半自動設定を行うための、以下に掲げる機能を有するソフトウェアの開発を目標とした。

 

 @切断面の最適化
  a. 最適断面探索機能
  b. 断面抽出機能
  c. 断面表示機能
  d. ユーザが必要とする断面を指定するためのインタフェース

 

 Aセグメンテーション(領域分割)のためのインタフェース
  a. ユーザが必要とするボリュームを指定するためのインタフェース
  b. 領域をセグメンテーションする機能

 

 B視点位置(カメラパラメータ)の制御
  a. 物体の表面に対する興味の度合いの定義方法の検討
  b. カメラパラメータの最適化
  c. ユーザが視点位置を指定するためのインタフェース




10.進捗概要


 様々な表示手法、切断面の設定手法に関して従来の研究を発展させるための研究とシステムの実装が並行的に進められた。最終的に実現できた機能については、上記のうち@とAである。



11.成果


 表面形状しかもたないサーフェスデータの場合、対称性などに注目した切断面を用いることができる場合は従来手法をほぼそのまま採用することにした。それ以外の場合は、サーフェスデータをdistance field という表面形状からの距離の分布に直すことによって位相構造を表したデータに変換することができ,これは擬似的なボリュームデータになっていることから、以下のボリュームデータと同じ手法に還元できる。

 

 内部の構造をもつボリュームデータの場合にはデータをあらかじめシステムが解析することでユーザにとって最適な断面を探索するが,解析部分に関しては研究・調査した結果,既存手法を用いることにした。このデータ解析で得られた情報を
  ・どのように利用して
  ・どのような計算によって断面を決定するか,そして
  ・決定された断面の提示の方法
の3点について新たに研究,実装がなされた.




12.プロジェクト評価


 断面の表示に関して自動化が弱いという印象を持っている。従来手法に比べてかなり軽減されているとは言え、ユーザが様々なパラメータを選ぶ必要が残っている。


 様々な手法に挑戦し、面白い成果が得られているのであるが、最終的なインパクトに少し欠けるところがある。一つには全自動化ができていないこと、もう一つには初期の目標であった心臓断面の表示に失敗したことが残念である。今後も研究の予定があるため今後の発展に期待する。



13.今後の課題


 是非当初の目標である、心臓のような複雑な機構の切断面を自動的に表示するところまで完成させてほしい。


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