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2004年度第2回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM

 

 中島 秀之  (公立はこだて未来大学 学長)



2.委託金支払額


 代表者

 薬師寺 浩二 (九州工業大学 情報工学部 修士課程)

共同開発者

 前田 良史 (九州工業大学 情報工学部 修士課程)
 南迫 博和 (同上)
 小出 洋  (九州工業大学 情報工学部 助教授)



3.プロジェクト管理組織


 株式会社シスコム



4.採択金額

 

 3,794,372円



5.テーマ名

 

 三次元GUIスタイルの提案とその開発環境の整備



6.関連Webサイト


 http://k-www.mickey.ai.kyutech.ac.jp/cosmo/index.html



7.テーマ概要


 近年のCPU とグラフィックス性能の向上は著しいものがあるにも関わらず、現在のデスクトップ環境の概念は20 年もの昔から本質的にはほとんど変化していないと言っても良いという状況にある。3 次元デスクトップは従来から考案されてきたが、マシン負荷やその利点をうまく活かすことができるアイデアの不足の為あまり重視されず、実用化されても利用されることが少なかった。

 本プロジェクトの目的は、新しいPC デスクトップスタイルの一例を示し、それを見た多くの開発者により新しい独創的なデスクトップスタイルが開発されることを促すことである。開発者たちは、3 次元のJava アプリケーションのためのプラットホームであるProject Looking Glass 上に惑星系をモチーフにしたスケジュール管理ソフトCosmo Scheduler D (CSD) を作成し、その独自の美しいデザインと先進性を実証した。




8.採択理由

 

 3Dインタフェースを実用化しようという意欲的な提案であるが,3Dインタフェース自体が新しいわけではない.提案も既存のインタフェース上のツール作成にある.従ってツールの完成度をもって最終判断とする.3Dカレンダーツールを次世代の標準にすることを目指すという条件で採択する.単にプロトタイプを作ってみましたということでは満足しない.




9.開発目標


 新しいPC デスクトップのー例として実装するアプリケーションは、宇宙空間のスタイルを持つスケジュール管理ソフトウェアである。このソフトウェアの最大の特徴は、惑星系を自身のスケジュールに見立てて、デスクトップ空間の上に浮かばせることである。スケジュールだけではなく、ファイルや他人のスケジュールとの連携もシームレスに表現する。本システムはデスクトップやアプリケーションを3 次元で表現するときの表現力の豊かさをうまく活かすことを第一に仕様を設計する。
 

 現在の 2 次元表示では、多くの情報を同時に表示するとどうしても煩雑になりがちである。開発者たちは3 次元表示を利用することにより、極力文字やメニューなどの表示を抑え、直観的に理解、操作できるようなGUI を目指した。
 

 今回のプロジェクトで開発したスケジュールソフト(CSD)の仕様,構想をまとめると以下のようになる。

  ・ 惑星系をスケジュール帳に見立てる
  ・ 予定を惑星で表現する
  ・ 予定に関連するファイル等は衛星として予定の周囲に配置する
  ・ 惑星は公転し、期限が近付くにつれ手前に迫ってくる
  ・ 遠い先の予定でも重要な予定は大きな惑星で表されるので目立つ

  ・ 予定の重要度や規模などを惑星の色や形で表現する
  ・ 依存関係のある予定を扱え,自動スケジューリング機能をもつ
  ・ 他のメンバーのスケジュールは他の惑星系として確認できる
  ・ 終らせた予定は星屑となり、自分の惑星を美しく飾る
 

 開発者たちはCSD と、それを作成するために開発したCosmoAPI をオープンソースのフリーソフトとして公開しており、新たに3 次元ソフトウェアを開発しようとする者のために提供している。




10.進捗概要


 スケジューラの基本部分の実装は順調に完成した。内外から非常に高い評価を受けるに至り、3 次元GUI スタイルの魅力を第三者に見せるという初期目標部分については、達成されたと考える。
 

 スケジュール機能自体の高度化に関してはやり残したことがある。たとえば、他人のスケジュールの参照などのネットワークに関連する部分と自動スケジューリングに関する部分は、試験実装に留まっている。




11.成果


  3 次元ならではの操作性が実現されたと考えている。特に以下の点が優れている。

 @2次元の場合はどうしても画面切り替えが不連続になるが,3次元の場合は接近・離脱や視点の移動という概念が自然に導入でき,このような操作によって連続的な表示の切り替えが行える.

 Aスケジューラとして見た場合に年,月,週,日単位での表示が公転軌道の周期を対応する単位(年,月,週,日)に変更することによって容易に変換可能である.

 B1日を惑星で表示し、関連資料が衛星としてその惑星を公転するモデルが使われている。資料を内容やテーマでなく日付によって分類する手法は「超整理法」でも推奨されているものであり、実際知り合いの研究者にもその整理法を実行しているものが多いことから考えても、CSD で実装された手法は有効であると考える。



12.プロジェクト評価


 最終プレゼンテーションもLooking Glass 上で行われたが、文字データ、写真などがスケジューラから連続的に呼び出され、使い勝手の良さが証明されたと考えている。

 このソフトウェアは、Java プログラムで最高の賞であるDuke's Choice Awardを受賞するなど高い評価を得た。

 スケジューラ自体の機能については、今後の実用を経て改善して行けばよいことであり、最大の目的である3D GUI の有用性に関しては証明できたと考える。

 



13.今後の課題


 バンドルソフト化と公開を目指し、3D GUI 普及の一助となって欲しい。



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