Web上には日々多様な情報が発信されている.特に近年のblogなどの普及はプライバシや秘匿性の高い情報を含めた実社会の多様な情報のWeb上への流通を推し進めている.一方,Web上における従来の情報共有の枠組みでは発信者の意図を反映して適切に情報を流通させることが困難であるため,ユーザの情報共有の障壁となっている.セマンティックWebの実現へ向けて,このようなWeb上における急速な情報発信の流れと現状の情報アクセス制御のギャップを埋めることが必要となってきている.
特にソーシャルネットワークなどにより実世界の社会的関係がWeb上で投影されつつある現在,実世界の社会的関係を反映した新たな情報共有のしくみが重要になっている.
我々は現実社会において情報発信と人の社会的関係とが密接につながり柔軟かつ信頼ある情報共有が行われていることに着目し,人の社会ネットワークを考慮した情報共有のためのアクセス制御環境の開発を提案する.これにより,情報が発信者に納得される形で共有されるようになり,発信者のソフトウェアに関する信頼度が増す.さらには、信頼度が増すことにより、ユーザは相互に価値ある情報を発信可能になりセマンティックWebを中
心とした次世代Webの普及へ寄与するとともにユーザ間およびコミュニティ内の情報共有が実現する.さらに信頼できる情報共有基盤に支えられた各コミュニティの活性化は異なる組織,コミュニティ間の信頼ある横断的な情報共有へつながる.
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