現在、ビジネスの現場では、様々なタイプのアプリケーションソフトが利用されている。中でも、ワープロ、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、メール、インターネットブラウザの5種類のソフトの利用率が圧倒的に高い。
しかし、ワープロや表計算ソフト、プレゼンテーションソフトは統合が叫ばれて久しい。それぞれに得手・不得手があるものの、結局は印刷するための文章を作成するためのソフトとして開発されたものである。
ところが今日、全ての文章を印刷するという発想そのものが既にナンセンスであり、殆どの文書は他のコンピュータへ送信されることを目的とする場合が多い。
その最たる例はEメール文書であり、WWW文書である。
そして現在、ほとんどのビジネス的なやりとりはEメールで進められ、ワープロや表計算ソフトで作成した文章は最終的にEメールに添付するためだけに存在すると言っても過言ではない。
極論すれば、自分自身が読むために残したアーティクルであっても、未来の自分が想起するためのものと考えれば、自分自身へのEメールとして扱うことすら可能なはずである。
また、日常の業務に必要なスケジュール調整、オーダーの受付、プロジェクト管理なども全てEメール・アーティクルを通じて行われており、Eメール・アーティクルを通じた記事の流れだけで大方の日常業務が完結しているといっても過言ではない。
また、既存の主要アプリケーションはまずOSありきで全てのUIが設計される傾向が強かった。しかし、今日では膨大なコンピューティングパワーを背景として、従来のようなOSに由来する技術的な制約は極限まで解消された。
このような時代において、既存のOSの枠組みにとらわれ続けることは既にマイナスでしかなく、その証拠にWEBアプリケーションなど、既存のOSのUIには頼らない形のアプリケーションが次々と登場・定着してきている。
本プロジェクトでは、従来のボトムアップ式のアプリケーション開発ではなく、アーティクルの作成・管理作業におけるワークフローをベースとしたトップダウン式の発想をもとに、新世代にマッチしたアプリケーションプラットフォームを開発し、ユビキタス環境における次世代コンピュータリテラシーの礎を築くことを目的とする。
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