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平成15年度未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM


 増井 俊之  (独立行政法人産業技術総合研究所 情報処理研究部門 主任研究員 )



2.採択者氏名


 代表者

塚田 浩二(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科博士課程)

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 財団法人京都高度技術研究所



4.委託金支払額


 6,993,554円



5.テーマ名


 ユビキタス環境に適した次世代インタフェース



6.関連Webサイト


 http://mobiquitous.com/~tsuka/



7.プロジェクト概要


 ユビキタスコンピューティングのインフラは整いつつあるが、ユビキタスコンピューティング環境においてユーザがどのような操作でどのようにやりたいことを指示するかについては適当な手法がほとんど提案されておらず、既存の計算機画面上のグラフィカルユーザインタフェースをそのまま利用したり、リモコンのような操作手法を使ったりしていることが多い。本プロジェクトでは、ユビキタスコンピューティング環境において真に誰にとっても使いやすいインタフェース手法の開発を行なう。



8.採択理由


 情報家電機器の操作や実世界指向インタフェースにおいては、操作に必要な機器の量をいかに減らすかが重要です。提案者は昨年度の未踏で指装着型のデバイスの提案および実装を行なっていましたが、紙の上のスケッチを利用するという今回の提案手法はさらに大きな可能性を持っていると判断し、採択とさせていただきます。




9.開発目標


 モバイル/ユビキタスコンピューティング環境はさまざまなものが考えられる。 オフィスのユビキタス環境と家庭のユビキタス環境は全く異なるものになるかもしれない。センサの存在を全く意識しなくても自動ドアを利用できるのと同じように、機器の存在を全く意識せずに計算機を利用できる場合もあるし、現在よりも簡単な方法で既存の機器を利用するのが都合が良い場合もある。いろいろなユビキタス環境において有用と考えられるインタラクション手法を開発する。



10.進捗概要


 プロジェクト期間内において、開始時に提案されていたもの以外にも有望と思われるインタラクション手法がいくつか考案されたため、 4種類のシステムの開発が並行して進められた。有望さには違いがあるが、4種類の手法はそれぞれ特徴を持っているため、ひとつに絞りこむことはせず、それぞれをプロトタイプとして実装して使用評価した。



11.成果


 前期では以下の4種類のシステムのプロトタイプが作成された。


 ・MouseField: RFIDを内蔵する物体を台に置いて動かすだけで様々な制御を行なうことができる入力装置
 ・手書きによる情報家電制御: 制御したい機器をペンで図示することにより紙だけで機器制御を行なうことができるシステム
 ・ PhantomTeller: 表示装置を振動させることにより、小さな装置で大きな画像を表示する装置
 ・ActiveWatch: 振動装置を手首の周囲に配置することにより振動で情報を伝えることができる装置


 単純なデバイスを使用しつつ新しいインタラクション手法を提供するという点で これらのシステムは共通している。
 これらのうち、MouseFieldが最も有望と考えられたため、後期では実装が改良され、いくつかのアプリケーションが作成された。



12.プロジェクト評価


 前期に実験された各システムは、完成度は低いが将来性が期待できるものが存在する。ユビキタス環境のためのインタフェースの研究は近年非常に多いが、ひとつの手法にこだわって開発を進めるあまり、多大な労力をかけて役にたたないものができあがってしまったというケースが多くみられる。これに対し、多くのアイデアを考案して数多くの手法に挑戦していく姿勢は 正しい進め方だと思われた。
 後期は、ひとつのシステムに絞ってハード/ソフトの開発が行なわれ、有望な感触を得ることができた。




13.今後の課題


 プロジェクト終了時事典ではMouseFieldのみが実用的レベルに到達したが、前期に提案された他のシステムも継続して開発を行なう価値があると考えられる。 MouseFieldの真の実用化及び、その他のシステムの実験評価を進めていただきたいと考える。

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