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平成15年度未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM


 中島 達夫  (早稲田大学 理工学部コンピュータ・ネットワーク工学科 教授)



2.採択者氏名


 代表者

佐藤 嘉則

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 日本エンジェルズ・インベストメント株式会社



4.委託金支払額


 5,998,425円



5.テーマ名


 uClinuxのH8/300アーキテクチャ移植



6.関連Webサイト


 http://uclinux-h8.sourceforge.jp



7.プロジェクト概要


 本テーマでは, H8/300 seriese cpuへlinux kernelの移植をおこなっている. H8/300はMMUをサポートしていため, MMUがなくても動作するuClinuxというLinuxを利用する. 
 併せて開発環境に不足しているpic binary supportを拡張するための作業をおこなう. 具体的には以下の2つの作業をおこなう.

1.linux-2.5の移植とH8/300サポートの統合
 現在開発が進んでいるversion2.5/2.6シリーズへH8/300サポートを統合することで、世界中で広く使えるようになることが期待できる。

2.開発環境の改善
 現状ではメモリの利用効率が良くないので使いにくい面がある。
 PICバイナリを利用できればかなり効率を改善出来るので、現在利用しているGNUのクロス開発環境にPICバイナリの生成機能を拡張する。




8.採択理由


組み込みシステムではMMUを持たないCPUは一般的であり、最新のLinuxを使用可能とすることはオープンソースコミュニティへ大きな貢献となると思われる。 また、uClinuxを最新のバージョンで使用できるようにすることにより商用での組込みLinux普及へも大きく貢献すると考えられる。 また、組込みLinux関係の人材は不足しているので本事業で組込みLinuxに関する人材育成をおこなうことは大変好ましいと考えられる。




9.開発目標


 ローエンドで広く利用されているH8/300 cpuへlinux kernelを移植することで、

・組み込みlinuxの利用範囲を拡大するため
・気軽に組み込みlinux環境を利用出来る環境を整える
・linuxおよびその他フリーソフトウエアコミュニティへの日本人の貢献を増加させる




10.進捗概要


 作業に関しては以下に示すようにはじめの予定をすべて完了している.

1.linux 2.6対応
・進捗状況
 ・アーキテクチャ依存部(arch/h8300 & include/asm-h8300) - 完了
 ・デバイスドライバ
  シリアル(sh-sci) - 完了
  ディスク(ide) - 完了
  ネットワーク(ne2000 / smc9194) - 完了
 基本的な動作は問題なし。
 ハードウエアサポートもlinux-2.4.24-uc0と同等レベルになっている。

・コードのマージ状況
 ・アーキテクチャ依存部 - 完了
  配布ソースに全て取り込まれている。
 ・デバイスドライバ
  シリアル - upstreamのソースに取り込まれている。
カーネルソースへのマージはまだ行われていない。
  ディスク - upstreamへパッチ送付済み
  ネットワーク
   smc9194 - 完了
   ne2000 - upstreamへパッチ送付済み

現状マージされていない部分は、パッチとして公開している。

2.PIC対応toolchainの開発
・進捗状況
gcc-3.3ベースで開発を行っていたが、gccメンテナの平田氏よりgcc-3.4ベースの
コードが提供されたのでそちらを採用した。
linux-2.4.24-uc0をPIC対応に修正して簡単なテストプログラムが動作することが
確認できている。
現在uClibc-0.9.24をPICに対応させるための修正作業中。

2.開発環境の改善

開発環境のうち、アセンブラ・リンカについてはほぼ完了している。
コンパイラについてはH8/300版の開発者の協力を得て現在作業を行っている。





11.成果


 Linux Conference 2003及びFifth Realtime Linux Workshopにて論文発表を行った。また、オープンソースコミュニティの一員として協力することにより、成果はLinuxのメインツリーにマージされている。



12.プロジェクト評価


 本プロジェクトでは,Linuxカーネルの拡張をおこない,コミュニティへの成果のフィードバックをおこなっている.成果を広く多くの開発者に利用可能とすることは大変好ましいことである.日本国内でLinuxに大きく貢献できる人材を育成することは好ましいと思われる.本テーマをきっかけにさらに大きくオープンソースへの貢献が期待できる.また, 産業界の人々との交流の機会を作ることで,産業界がいかにしてコミュニティと関係を持っていくかを学ぶいい機会を作ることも可能と思われる.




13.今後の課題


 本プロジェクトの存在自体はコミュニティからある程度知られているようなので、今後は実際に使ってもらえるようにしていきたい。そのためには、対応するターゲットの追加やドキュメントの整備などを行う必要があると考えている。
 また,コミュニティーと協力することによりさらなる発展が望まれる.


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