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平成15年度未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM


 鵜飼 文敏  (日本ヒューレット・パッカード株式会社 ヒューレットパッカード研究所 主幹研究員)



2.採択者氏名


 代表者

須崎 有康(産業技術総合研究所 情報処理研究部門 主任研究官)

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 日本エンジェルズ・インベストメント株式会社



4.委託金支払額


 15,444,072円



5.テーマ名


 KNOPPIXホスティング環境



6.関連Webサイト


 http://unit.aist.go.jp/it/knoppix



7.プロジェクト概要


今までFree Softwareを利用するに際して障害となっていたインストールの手間をなくして、Free Softwareのアプリケーションを試すことができるだけでなく、ホスティング環境を手元のコンピュータに持ってきたり、試しに使ってみて気に入れば自分のコンピュータのNative OSにインストールし、そのストレージデバイスの構成も自由に選択できるようなKNOPPIXホスティング環境を開発する。このような環境が構築できるのは、おかしなライセンスに縛られないFree Software の特性のお陰である。本プロジェクトではFree Softwareの恩恵が更に循環できる環境構築を目指す。



8.採択理由


フリーソフトウェアを手軽に試してもらい、それをそのままインストールできる環境を開発しようというのは、ソフトウェアの新しい配布手段、インストール手段としても非常におもしろいと思います。提案者はKNOPPIX日本語版にも関わっており、これまでの開発実績から遂行能力は高いと判断しました。




9.開発目標


CDからブートしてそのまま利用可能なGNU/Linux"KNOPPIX"と相補的なエミュレータベースのホスティング環境をつくる。ネットワーク越しにアプリケーションが利用できるようにし、さらにホスティングするエミュレータ環境を自分のパソコンへ移住(Migration) したり、Native OS としてのインストールしたりできるようにし、シームレスに同一環境を提供できるようなインフラを構築する。



10.進捗概要


Internet Conference 2003のWorkInProgress & Demoセクションで「地域ネットワーク、WAN、P2P環境でのKNOPPIXマイグレーション」という発表をおこなった。また、LinuxConference 2003において「UserModeLinuxを使ってKNOPPIXマイグレーション」という発表をおこなった。
http://unit.aist.go.jp/it/knoppix/ において開発して成果を公開、配布しはじめた。
2月14日の未踏成果発表会で、本プロジェクトの成果を発表した。




11.成果


KNOPPIXホスティング環境の要素技術となるUserModeLinuxでブート可能なKNOPPIX、WAN対応ファイルシステムによるホスティングサービスとWebブラウザからこのKNOPPIXを起動するための環境の構築、分割差分更新可能なループバックデバイスの開発がおこなわれた。
開発したソフトウェアや関連したソフトウェアなどは http://unit.aist.go.jp/it/knoppix/ にて公開、配布されている。




12.プロジェクト評価


KNOPPIXのホスティング環境をつくるための手段としていくつかの提案が含まれていたが、本期間内にいくつかの手段は他のオープンソース開発者によって似たようなものも実装されてしまった。ある意味、着眼点がよかったので同じようなことを試みようとした人が世界にはいたということになるのだろう。
UserModeLinuxを使うKNOPPIXを開発し、WAN対応ファイルシステムを利用してネットワークブートの実現可能性、実用性が確認できたのは評価できる。外部への発表、情報発信は積極的におこなっており、KNOPPIXの普及にかなり貢献している。
今のところクライアント側にまずインストールしておくべき環境を構築すること自体にまだ手間がかかっているために、目標としていた手間をかけずにFree Softwareのアプリケーションを試すことができる環境にはまだ至っていないと思う。
ScrapBook UMLやcoLinuxなどとの協調、連携を今後うまくすすめていけばそういった目標に近付いていけるだろう。それが実現できれば実用度も高いものになると思われる。




13.今後の課題


本プロジェクトでおこなわれたKNOPPIXへの修正を、オリジナルのKNOPPIXに統合していくことが望まれる。また15年度未踏プロジェクトで萩谷PMのもとでRichard Potter氏が開発をすすめた ScrapBook UMLと統合することにより、単にネットワーク越しに利用できるようになるだけではなく、実際に実行していた状態を移動させることもできるようになるだろう。
現状では、ReadOnlyなファイルシステムしか提供できないために、環境提供者が構築したアプリケーション環境しか利用することができない。ユーザに変なプログラムを勝手にインストールされないという観点では悪くないとも言えるがユーザがある程度自由にアプリケーションをインストール、更新できるようにすれば応用が広がるだろう。
ユーザ側のUserModeLinuxが GNU/Linuxでしか動かないという点が、実際に広める際には問題となる可能性があるが、coLinuxというWindowsで動くUserModeLinuxと同等のソフトウェアが開発されたので、それを利用して安定して動くようになれば利用価値が高まるだろう。


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