デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2019年度実施プロジェクト概要(瀬尾PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

原田 達也(東京大学 情報理工学系研究科 教授)

2. 採択者氏名

  • 瀬尾 拡史(株式会社サイアメント 代表取締役社長)

3.契約金額

  • 5,600,000円

4.プロジェクト名

  • 小児先天性心疾患のリアルタイム3DCG可視化

5.関連Webサイト

  • なし

6.実施プロジェクト概要

生まれつき心臓や心臓の周りの血管の形(構造)に異常がある疾患である「先天性心疾患」は、約150種類前後の細かい病名に分類され、同じ病名でも一人ひとり異なる心臓であるゆえ無数の差異があり、複数の先天性心疾患が組み合わさっている場合もある。特に、小さく複雑な子どもの心臓の手術の成績や安全性を少しでも高めるためには、手術前に心臓の立体構造を可能な限り細かく把握し、十分な手術計画を立案できることが極めて重要である。
そこで、本プロジェクトでは、一般的なPC(GPU搭載ゲーミングPC)を用いて短時間(数分~10分)で3DCGデータを作成した上で、画面上でリアルタイムに切開や変形が可能なシステムを開発する。これによって、医師自身が自由な角度で心臓断面を生成したり、外科手術時の様子を模した簡易的な変形や切断を加えたり、見え方の微調整を行うことができるようになる。これらの操作は3Dプリンタなどによる心臓模型では不可能であり、且つより低コストで治療計画・診療に役立てることができる。
本プロジェクトでは、現場医師にレビューを求めながら改善を重ね、市場や提供方法の戦略も考え、社会への貢献を目指す。

7.採択理由

提案者は医療の知識と高いプログラミング技術の両方を兼ね備えるポテンシャルの高さが魅力です。リアルタイム性に特化した可視化技術により小児先天性心疾患を対象とした課題に取り組んでいますが、同時に三次元再構築の精度向上への改良も行えば、他の疾患にも適応可能だと考えられます。
一方で、事業化の観点からは今後かなり詰めていく必要があると思われます。