非金融分野におけるブロックチェーンの活用動向調査報告書を公開しました。
海外(米国、欧州、アジア)及び日本国内における事例を調査し、ブロックチェーンの活用が特に効果的である場面や分野、ブロックチェーン導入時に検討しなければならない技術課題、実用化に向けた解決の方向性を明らかにしました。
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2019年12月23日公開
独立行政法人情報処理推進機構
社会基盤センター
非金融分野におけるブロックチェーンの活用動向調査報告書を公開しました。
海外(米国、欧州、アジア)及び日本国内における事例を調査し、ブロックチェーンの活用が特に効果的である場面や分野、ブロックチェーン導入時に検討しなければならない技術課題、実用化に向けた解決の方向性を明らかにしました。
我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱された「Society 5.0」の実現を支えるデジタル技術としてIoT、AI、ロボット、そしてブロックチェーンが挙げられています。
ブロックチェーンはいまや金融分野における暗号通貨のための技術としてだけでなく、他の産業においてもビジネス基盤を構築するための技術として、社会的なインパクトが大きい技術として注目されています。
そこで本事業では、徐々に実証実験の進む分野、特に非金融分野における事業活動へのブロックチェーンの活用動向等について調査を実施しました。
今回の調査では文献調査、ヒアリング調査を実施しています。文献調査ではより実用に近い先進的な取り組みを行っている事例から海外事例23件、国内事例10件を対象として調査を行い、その中から更に海外11社、国内5社へヒアリングを行い、ブロックチェーンの活用における現状、課題、対策を分析しています。
【目次】
【ページサンプル】
本調査では、ブロックチェーンの活用が特に効果的である場面、分野等を明らかにしつつ、ブロックチェーン導入時に検討しなければならない技術的な課題や、開発段階から事業化段階の間に存在する障壁を克服して実用化に向かうために政府や企業がとるべき解決策の展望を以下のように整理しました。
【4つの技術課題】
技術課題 | 内容 | 対策の方向性の例 |
---|---|---|
スケーラビリティの向上 | 実用化が進みノード数が増えると、システムの処理性能が低下する。 | 新たなコンセンサスアルゴリズムの開発 |
オフチェーン化 | ||
保存データの分散-Sharding | ||
セキュリティ対策 | 以下等の脆弱性に関する対応。
|
コア選択時に、コアの改ざん耐性を考慮する |
ブロックチェーン用のセキュリティツールの使用 | ||
ブロックチェーンの信頼性評価方法の確立 | ||
入力データの 正当性保証 |
ブロックチェーンに書き込むデータ自体の信頼性を如何に担保するか。 | タグやバーコードを利用 |
データの信頼性を高める専用のIoTデバイスの開発 | ||
インターオペラビリティ(相互運用性)への対応 | 様々なブロックチェーンを用いたシステムが運用されるようになったときに、システム間で相互運用を行う必要性が高まる。 | ブロックチェーンコア間をつなぐクロスチェーン技術の開発 |
インターフェースの標準化 |
【実用化に向けた4つの解決の展望】
課題 | 解決の方向性 |
---|---|
中長期的な計画 | 取り組みを短期的な成果に捉われない中長期なものと位置づける。 |
既存のシステムが整備されていない国・地域からの導入を進める。 | |
将来的にブロックチェーンが成熟したときに備え組織的な能力を高める。 | |
外部資金援助。 | |
新しいビジネス モデルの創出 |
ブロックチェーンの複数の特徴・機能を組み込んだビジネスモデルとする。 |
市場や競争環境に変化が起きている分野へ適用する。 | |
ブロックチェーンを基盤として、データの収集、管理、取引、決済までを行うビジネスエコシステムを実現する。 | |
合意形成、 ガバナンスの仕組み の構築 |
得られるメリット・利益と負担を参加者間で公平に配分、分担できる仕組みを作る。 |
システムを継続、維持、管理を行う中長期的な仕組みを作る。 | |
同業者間で、意見が一致しない点より業界横断で業務効率化できる点や新たな市場の創出の可能性に目を向ける。 | |
管理者の経済的なインセンティブのあるビジネスモデルを設計する。 | |
対応する制度、 規制の整備 |
国をまたがる、多国間の制度・規則を共通化する。 |
電子的な決済・契約・記録の法律的な有効性を整備する。 | |
電子的記録保持を義務付ける。 | |
暗号資産とユーティリティトークンを異なる位置づけとし制度・規制を整備する。 | |
GDPR(EU一般データ保護規則)などの個人情報保護の規則と両立させる技術、制度を開発する。 |
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