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ものづくりDXはデータ活用と企業変革の夢を見るか(コラム)

2020.08.31

DX推進の4つの課題 どのように変革や推進をしていくのか

世の中には、デジタルトランスフォーメーション(DX)の大きな波にwithコロナの波が合わさり、巨大な波が打ち寄せています。この大波が製造業のものづくり現場にも来ていますが、多くの中小規模の製造業ではまだまだDXの認識が低く、DXをするにもコストや人材面など課題が山積していて、取り組めていません。そこでDXに先進的な中小製造業14社にDX推進の課題やその取り組み状況をヒアリングし、どのように取り組めばいいかを探ることにしました。果たして、中小製造業はDXの成果であるデータ活用と企業変革の夢を見るのでしょうか。夢は将来の希望となるでしょうか。

中小製造業が悩む「DX推進の4つの課題」とは?

中小規模の製造業ではDXへの取り組みが大企業ほど進んでいません。そこで最初に文献調査を基に、中小製造業でのDX推進の課題を (1)マインドセット・企業文化、(2)データ活用、(3)企業間連携、(4)製品・サービスの4つに分類しました。この4つをどのように変革し、推進していくのか、それが中小製造業DXの課題です。この4つの課題は大規模製造業でも起こる課題ですが、特に中小製造業では人材やコスト、下請け構造の状況から、より深刻で悩み多き課題です。

中小製造業はこの4つの課題に対して、限りあるヒト、モノ、カネの中で、どのように克服しようとしているのか、いよいよヒアリングが始まります。

中小製造業は「DX推進の4つの課題」にどのように取り組んだのか?

中小製造業ではDXよりもまずIT化というところも多いですが、ヒアリングした会社はDXに取り組み、4つの課題に挑んでいました。例えば、ある企業では企業文化をデジタルに変革するためにタイムカードのデジタル化のような小さな波から始め、やがて全社の製造装置におけるデジタルデータの活用の大波を起こすようにしていました。

別の企業では中小製造業の企業間連携を推進するために、データを共有して、地域を限定せずに原材料や部品供給を行い、またそれだけでなく顧客に対するサービスも連携する仕組みを構築していました。またある企業ではデータを活用するために、まずは製造装置のデータ収集から始めていました。

そして別の企業では従来製品やサービスの下請け構造のままでは生き残れないという危機感をバネに、従来のモノ売り商売から、コンサルテーションなどのエンジニアリングサービスや製造装置のデータを自動収集するサービスのようなコト売りに変革しようとしていました。

中小製造業はDX推進で具体的に何をして成功したのか?

中小製造業はものづくりDX成功の夢のために具体的に何をしたのでしょうか。ここではそのほんの一部を紹介します。

DX推進の取り組み画像

製造装置のデータ収集

製造業の表舞台に登場する立役者は製造装置です。製造装置に関わるデータを活用することがものづくりDXで重要です。製造装置からのデジタルデータや原材料、部品のデータを各種の方法で自動的に収集し、リスク対策や生産性向上に繋げます。例えば、外付けの監視装置で製造装置のパイロットランプの色情報を収集して稼働率の改善につなげていました。このように元の製造装置にデータ収集機能がなくても工夫して対応しているのが中小製造業のものづくりDXです。

AIによる自動化

DXの武器のひとつにAIがあります。AIにより熟練の職人がしていた作業を機械で効率よく行えます。DXではこのAIを利用しない手はありません。例えば、ある企業では製品の高品質化として、微細加工機を遠隔監視し、製品不良などのリスクを予防保全するためにAIを活用していました。まさにAIは熟練職人の夢を見ています。

データ共有による企業間連携

中小製造業では複数の企業が連携することで大きな課題にも立ち向かえます。例えば製造装置や原材料、部品のデジタルデータを企業間で共有するということです。データを共有することで、愛知県の企業と遠く離れた埼玉や九州の企業が連携している例がありました。

ここでは一部の紹介になりましたが、以下の事例調査報告書では、国内外の文献調査で、DXの課題を中心に、ドイツとアメリカの取り組み状況の調査も行っています。また、ヒアリング調査を行った14社の事例は、実名の会社名で掲載しています。さらに、先進的な4事例は、変革に取り組んだ動機、取り組みの成果、成功要因などを詳しく紹介していますので、是非そちらをお読みください。

マンガ1
マンガ2

今後、ヒアリング調査を基に中小規模製造業の製造分野におけるDXで目指す姿を描き、そこに至る具体的なステップや該当分野の企業がDX推進指標を利用するための手法などを示す「中小規模製造業の製造分野におけるDX 推進ガイド(仮称)」を公開する予定です。ご期待ください。

(筆者:五味 弘)

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IPA 社会基盤センター 企画部