2018年3月22日
独立行政法人情報処理推進機構
2018年3月22日
独立行政法人情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田達夫)技術本部ソフトウェア高信頼化センターは、今後ますます普及が進むIoT(*1) の品質確保を目的に、検証の立場における考慮事項を示したガイドブック「つながる世界の品質確保に向けた手引き」を公開しました。また、開発・運用の現場で活用できる「つながる世界の品質確保チェックリスト」も同時に公開しています。
近年、さまざまな分野において、IoT機器・システムの開発・導入が進展しています。たとえば、産業分野においては、工場の製造システムをインターネットで外部に接続し、製造設備の保守の効率化や部品調達の迅速化などの生産性向上が図られています。また、生活分野においては、家電や自動車、住宅設備などがインターネットにつながることにより、多様なサービスが生まれ、利便性の向上が図られています。
一方、IoT機器は、屋内/屋外、高地や寒冷地など、あらゆる環境での利用が想定されます。そして利用者も幼児から高齢者まで、幅広い層の利用が考えられます。
加えて、接続される機器の種類やその個数(接続数)など利用環境が日々刻々と変化するのもIoTシステムならではの特徴です。よって、これらの状況を踏まえた新たな品質確保の視点が必要です。
本日公開した「つながる世界の品質確保に向けた手引き」は、2016年3月に公開した「つながる世界の開発指針(*2)」の品質確保に関する事項を具体化したものです。IoTの開発に関する考慮事項については、国内外でさまざまなガイドブックが公開されています。しかし、IoTの検証に関する考慮事項を記載したものは少なく、本件は13の品質確保の視点としてまとめたものです。開発者、保守者、品質保証者、運用者など、品質に携わるすべての担当者を読者対象としています。
例えば、【視点8】はテスト効率化の具体策として、テスト項目の爆発を抑える直交表などの手法、類似テストの統合、大量データの自動生成などを示しています。
また、IoTのライフサイクル全般で、品質を確保する活動を「V&V(*3)マネジメント」「妥当性確認」「検証」「運用マネジメント」「運用実施」の5つに整理しました。その他、【視点11】から【視点13】のように、運用時にも着目して考慮事項をまとめています。(表1参照)
本ガイドブックを活用することで、IoT機器・システムの開発・運用時に考慮すべき品質を理解、確認することができます。また、本書の活用のために、「つながる世界の品質確保チェックリスト」を併せて公開しています。これらにより、利用者が安心して利活用できる品質のIoT機器・システムが提供されることを期待しています。
(*1) IoT(Internet of Things):さまざまなモノがインターネットに接続し、情報をやり取りすること。
(*2) IoT開発者や経営者を対象に開発時に考慮すべき指針17点をまとめたもの。
(*3) V&V(Verification & Validation):製品やシステム開発において検証と妥当性確認の2つの視点で評価を行うこと。
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