2011年10月28日
独立行政法人情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、複数のD-Link製品におけるセキュリティ上の弱点(脆弱(ぜいじゃく)性)に関する注意喚起を、2011年10月28日に公表しました。対策方法は「最新版のファームウェアへアップデートする」ことまたは「SSH機能を無効にする」ことです。
1.概要
D-Link社が提供する「DES-3800シリーズ」、「DWL-2100AP」および「DWL-3200AP」は無線LANアクセスポイントなどのネットワーク機器です。
これらの製品には、SSHの実装に問題があるため、バッファオーバーフローというセキュリティ上の弱点(脆弱性)が存在します。この弱点が悪用されると、対象機器のサービスを停止されたり、対象機器において任意のコードを実行されたりする可能性があります。
下記のサイトから修正済みバージョンを入手して、更新してください。
http://www.dlink-jp.com/page/sc/F/security_info.html
最新情報は、次のURLを参照下さい。
http://jvndb.jvn.jp/jvndb/JVNDB-2011-000092
本脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき、以下の報告者からIPAが届出を受け、JPCERT/CC(一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター)が製品開発者と調整を行ない、2011年10月28日に公表したものです。
報告者: | 株式会社富士通研究所 | 兒島 尚 氏、中田 正弘 氏 (2011年8月4日届出) |
2.脆弱性による影響
D-Link製品のサービスを停止される、または任意のコードを実行される可能性があります。
3.対策方法
対策方法は「最新版のファームウェアへアップデートする」ことまたは、「SSH機能を無効にする」ことです。
4.本脆弱性の深刻度
(1)評価結果
本脆弱性の深刻度 | □ I(注意) | □ II(警告) | ■ III(危険) |
---|---|---|---|
本脆弱性のCVSS基本値 | 10.0 |
(2)CVSS基本値の評価内容
AV:攻撃元区分 | □ ローカル | □ 隣接 | ■ ネットワーク |
---|---|---|---|
AC:攻撃条件の複雑さ | □ 高 | □ 中 | ■ 低 |
Au:攻撃前の認証要否 | □ 複数 | □ 単一 | ■ 不要 |
C:機密性への影響 (情報漏えいの可能性) |
□ なし | □ 部分的 | ■ 全面的 |
I:完全性への影響 (情報改ざんの可能性) |
□ なし | □ 部分的 | ■ 全面的 |
A:可用性への影響 (業務停止の可能性) |
□ なし | □ 部分的 | ■ 全面的 |
注)■:選択した評価結果
AV:AccessVector, AC:AccessComplexity, Au:Authentication,
C:ConfidentialityImpact, I:IntegrityImpact, A:AvailabilityImpact
5.本脆弱性のCWE分類
6.参考情報
(1)「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」について
ソフトウェア製品およびウェブサイトの脆弱性対策を促進し、コンピューターウイルスやコンピューター不正アクセス等によって、不特定多数のコンピューター(パソコン)に対して引き起こされる被害を予防するため、経済産業省の告示に基づき、官民の連携体制「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」を整備し運用しています(図6-1参照)。
最新の届出状況は 「脆弱性関連情報に関する届出状況(プレスリリース)」 を参照下さい。
図6-1.「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」の基本枠組み
プレスリリースのダウンロード
本件に関するお問い合わせ先
IPA 技術本部 セキュリティセンター(IPA/ISEC) 渡辺/大森
Tel: 03-5978-7527 Fax: 03-5978-7518 E-mail:
報道関係からのお問い合わせ先
IPA 戦略企画部 広報グループ 横山/大海
Tel: 03-5978-7503 Fax: 03-5978-7510 E-mail: