2010年10月21日
独立行政法人情報処理推進機構
>> ENGLISH
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、「TeraPad」におけるセキュリティ上の弱点(脆弱性)の注意喚起を、2010年10月21日に公表しました。
「TeraPad」で特定のフォルダにあるテキストファイルを開いた場合に、任意のコードが実行されてしまう可能性があります。対策方法は 「開発者が提供する対策済みバージョンに更新する」ことです。
1.概要
「TeraPad」は、テキストファイルを作成、編集する機能を持つソフトウェアの一つです。「TeraPad」には、DLL(Dynamic Link Library)というソフトウェアの部品を読み込む際の処理に、セキュリティ上の弱点(脆弱性)が存在します。この弱点が悪用されると、「TeraPad」がインストールされたコンピュータ上で、任意のコードが実行されてしまう可能性があります。
下記のサイトから対策済みバージョンを入手して、更新してください。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~t-susumu/library/tpad.html
最新情報は、次のURLを参照下さい。
http://jvndb.jvn.jp/jvndb/JVNDB-2010-000045
本脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき、以下の報告者からIPAが届出を受け、JPCERT/CC(一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター)が製品開発者と調整を行ない、2010年10月21日に公表したものです。
報告者 | : | 塩月 誠人 氏 | (2010年9月27日届出) |
2.脆弱性による影響
ファイルサーバなどの共有フォルダに誘導されたユーザが、そのフォルダ内のテキストファイルを開いた場合に、コンピュータ上でユーザの意図しないプログラムの実行や、ファイルの削除、ウイルスやボットなどの悪意あるツールのインストールが行われてしまう可能性があります。
3.対策方法
対策方法は「開発者が提供する対策済みバージョンに更新する」ことです。
4.本脆弱性の深刻度
(1)評価結果
本脆弱性の深刻度 | □ I(注意) | ■ II(警告) | □ III(危険) |
---|---|---|---|
本脆弱性のCVSS基本値 | 6.8 |
(2)CVSS基本値の評価内容
AV:攻撃元区分 | □ ローカル | □ 隣接 | ■ ネットワーク |
---|---|---|---|
AC:攻撃条件の複雑さ | □ 高 | ■ 中 | □ 低 |
Au:攻撃前の認証要否 | □ 複数 | □ 単一 | ■ 不要 |
C:機密性への影響 (情報漏えいの可能性) |
□ なし | ■ 部分的 | □ 全面的 |
I:完全性への影響 (情報改ざんの可能性) |
□ なし | ■ 部分的 | □ 全面的 |
A:可用性への影響 (業務停止の可能性) |
□ なし | ■ 部分的 | □ 全面的 |
注)■:選択した評価結果
AV:AccessVector, AC:AccessComplexity, Au:Authentication,
C:ConfidentialityImpact, I:IntegrityImpact, A:AvailabilityImpact
5.本脆弱性のCWE分類
6.参考情報
(1)「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」について
ソフトウェア製品及びウェブサイトの脆弱性対策を促進し、コンピュータウイルスやコンピュータ不正アクセス等によって、不特定多数のコンピュータ(パソコン)に対して引き起こされる被害を予防するため、経済産業省の告示に基づき、官民の連携体制「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」を整備し運用しています(図6-1参照)。
最新の届出状況は 「脆弱性関連情報に関する届出状況(プレスリリース)」 を参照下さい。
図6-1.「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」の基本枠組み
プレスリリースのダウンロード
本件に関するお問い合わせ先
IPA セキュリティセンター(IPA/ISEC) 渡辺/大森
Tel: 03-5978-7527 Fax: 03-5978-7518
E-mail:
報道関係からのお問い合わせ先
IPA 戦略企画部広報グループ 横山/大海
Tel: 03-5978-7503 Fax: 03-5978-7510 E-mail: