近年のIT分野における新技術の急速な進展により、既存IT技術を活用する人材に加え、中長期視点で革新的な次世代ITを活用して世の中を抜本的に変えていけるような先進分野IT人材の発掘・育成の重要性が増しています。
このため、独立行政法人情報処理推進機構(以下「IPA」という。)では、基礎技術や領域横断的技術革新に取り組む未踏的IT人材 が自らのアイディアや技術力を最大限に活かし将来の経済発展への貢献につなげていけるよう、次世代ITを活用する先進分野IT人材の発掘・育成を目的とした「未踏ターゲット事業」(以下「本事業」という。)を2018年度から実施しています。
本事業では、以下のターゲット分野に興味を持つ未踏的IT人材からプロジェクトを募集し、優れた能力と実績を持ち合わせたプロジェクトマネージャー(以下「PM」という。)等による指導・助言、活動実績(育成従事実績)に応じた活動費提供など(詳細は「4.(2)契約形態」を参照)を行います。(2023年度のPMは以下のWEBページをご参照ください。https://www.ipa.go.jp/jinzai/target/2023/pm_index.html )
本公募では、2022年度に引き続き「量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発」をターゲット分野として取り上げ、プロジェクトの提案を募集します。
応募部門には、量子コンピューティング技術に関する自らのアイディアや技術力を活かしたプロジェクトの提案を募集する「ベーシック部門」と、2022年度から開始した、量子コンピューティング技術を活用して「カーボンニュートラルの実現に資する内容」に焦点を当てたプロジェクトの提案を募集する「カーボンニュートラル部門」があります。
2020年10月、政府は「2050年カーボンニュートラルを目指す」ことを宣言しました 。「カーボンニュートラル」は我が国のみならず世界的に取り組むべき喫緊の社会課題となっていますが、その「実現は、並大抵の努力では実現できず、エネルギー・産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションの創出といった取組を、大きく加速することが必要です。 」
一方、カーボンニュートラルの実現にはエネルギー利用の「効率化」「省力化」等、組合せ最適化問題として捉えられる場面が多いと考えられ、複雑な組合せ最適化処理を高速で実現できる等、量子コンピューティング技術を活用できる余地が非常に大きいと考えます。また、この取組み通じて、事業目的である「世の中を抜本的に変えていけるような先進分野IT人材の発掘・育成」の強化につながると考えています。