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2006年度下期 次世代ソフトウェア開発事業 公募結果


2006年度下期の公募では44件のご応募を頂きました。
ご応募ありがとうございます。
厳正に審査を実施した結果、下記4件のプロジェクトを採択することに決定いたしました。



1  テーマ名  生体計測連成血流シミュレータおよび情報共有化システムの開発
 申請者名  株式会社アールテック
 所在地  静岡県
 開発概要  
 平成15年の人口動態統計では日本人口は1億2614万人で、年間の死亡数は101.5万人、死亡原因のうち、血管系病変による死亡は全体の28.7%と悪性新生物とほぼ同じ割合である。粥状動脈硬化病変、脳動脈瘤、解離性大動脈瘤などの血管病変には好発部位があり、これらの発生や進行には血管壁に加わる剪断応力が大きな役割を果たすと考えられる。
本システムは、cine Phase Contrast MR Imaging(cine PC MRI)の医療用MRI(磁気共鳴画像装置)撮影法から得られる血管内での血流に関する関心領域での3次元空間速度情報と時間情報に基づき算出された血流動態データを、CFD(計算力学流れ解析)に受け渡して、より詳細な血液の流れ解析を実現する。さらに、この計算結果の誤差関数を求めて、解析条件を自動的に変更できる高精度な計測連成血流シミュレータを実現する。このシミュレータの開発により、血管形状や血流量などの境界条件を変更した場合の血流動態の変化を定量的に把握することが可能になる。
このシステムにより、人体内での血流の直接測定のみならず、血流シミュレーションが可能となり、血管内診断および治療に有効である。さらに、動脈瘤などの血管内治療の臨床コラボレーションに有用であるとともに、多大な需要を創出するものと期待される。
 
 PM評価  
 社会的にも有用な意義あるテーマであり、シミュレータの実現により総合的な血管剪断応力解析システムとなり、医療現場での実用化が期待できます。また、国際的な関心も得ており、時機と戦略によっては国際的な評価と波及効果も期待できます。
 

2  テーマ名  環境に適応可能でスケーラブルな多地点間マルチメディア通信基盤ソフトウェア
 申請者名  メタプロトコル株式会社,有限会社ユビグラフ,株式会社SRA
 所在地  愛知県
 開発概要
 ネットワークのブロードバンド化に伴い、高速大容量のネットワークが一般ユーザにも利用可能になりつつある。しかし、複数ユーザ間でのTV会議など、多地点間のマルチメディア通信は普及しているとはいえない。H.323を用いたTV会議システムは商用システムとして存在するが、多地点間接続を行うためにMCUと呼ばれる装置が必要であったり、一般ユーザには設定が難しかったりして、多数の一般ユーザが気軽に多地点会議を行う環境は整っていない。本開発では、XCAST6に代表される次世代の多地点間通信プロトコルの考え方を基本として、ネットワークの環境に適応可能で、グループ数に対しスケーラブルな多地点間マルチメディア通信基盤ソフトウェア、およびその上でのプロトタイプTV会議システムの開発を行う。この基盤ソフトウェアの利用により、多地点でのTV会議やデータ会議のアプリケーションを容易に開発することが可能になる。

 PM評価  
 本提案は、多地点のテレビ会議を容易に実現するための基盤ソフトウェアを提案しています。従来からH.323を用いた製品が使われていますが、装置が高価でありポート番号の設定が煩雑でした。Access Gridの技術が知られていますが、マルチキャストの設定が必要であり、ネットワーク管理者を煩わせる必要があります。
本提案は従来の技術をそのまま用いるのではなく、プロトコルとして最近注目されているALM (Application Level Multicast), XCAST (eXplicat Multi-Unicast)を使用します。これにより利用者が簡単に利用できるシステムを構築できます。提案者自身がインターネットの国際標準化において活躍しており、本提案は、新しいプロトコルの実践と普及をはかる意義があります。
また本提案には、ネットワークの品質状況に応じて利用可能な通信帯域別に受信者をクラス分けする技術が含まれており、技術的な先進性が認められます。


3  テーマ名  音楽検索エンジン開発
 申請者名  有限会社イクシコム
 所在地  京都府
 開発概要  
 音楽検索エンジン開発(以下本開発)は、個々の音楽の音響信号そのものを分析することにより、その音楽の特徴抽出を行い、抽出された情報を利用して楽曲の特徴空間での類似度の算出を行うことにより、従来技術を凌駕する新しい音楽検索エンジンを開発する。
 利用者は自分の好きな音楽と類似性の高い音楽を手軽に検索・アクセス出来、また音楽配信業者にとっては、ユーザの好みに応じた楽曲配信、楽曲リストの作成、お勧め曲の提示など幅広い範囲での利用が可能となる。
 本開発では、精度の高い類似性の抽出が行える様音楽検索エンジン部分に特化してシステムの開発を行う予定である。
 
 PM評価
 音響信号の解析により抽出したビートを基準にして、リズム、ハーモニー、メロディの3要素についてメタデータを生成して、それらの一致度に基づいて類似の曲を検索する方法に新規性が認められる興味深い提案です。
本システムの出力結果と人間の感覚とがどれほど合致しているかの評価が一つのポイントになるかと思われますが、逆に、人間の感覚との合致ならびに非合致から将来思わぬ展開が生じる可能性も秘めた面白いテーマです。
 

4  テーマ名  超巨大パケットデータベースとパケットトラフィック統計的特徴量データベースの統合によるボット対策システム
 申請者名  株式会社ネットワーク応用技術研究所
 所在地  福岡県
 開発概要
 本提案で開発するボット対策システムは、攻撃者の指示を待ち様々な不正活動を行うボットについて、ネットワークの通信を監視して検知するネットワーク型の検知システムである。ボットは、自己防衛のための高度な機能を持つ上に、難読化されているため、従来のウィルス対策ソフトや侵入検知システム(IDS)では検知が困難である。本提案は、ボットが行う通信を捉えて、ボットをすばやく精度良く検知することを主目的として、下記の3つのサブテーマに取り組む。本研究開発はスパイウェア、キーロガー、バックドア等の不正侵入の検知にも使えることが見込まれる。
1. 超巨大パケットデータベースの構築
提案者が実業務で使用しているネットワークを使い、その中を流れるパケットそのものを長期間に渡り網羅的に収集して、テラバイト規模の超巨大パケットデータベースを作る。さらに、ボットのプログラムを入手し、動作させて、ボットに特有のパケット通信パターンもこのデータベースに収集する。
2. 統計的特徴量によるボット検知技術
送信元アドレス、送信先アドレス、送信先ポート等の複数の項目でパケットを分類し、おのおののパケット数等を数えて集約値を得る。集約値から得られる、各種の統計的特徴量の時間的変化をみて、ボットの侵入を確実に検知するための新技術を作る。
3. 超巨大パケットデータベースを用いたボット判別技術
統計的特徴量による検知のみでは誤検知の可能性がある。例えば、IRC型ボットとP2Pアプリケーションの正常なトラフィックは統計的特徴量だけでは見分けがつかない。超巨大パケットデータベース内に蓄積された過去のパケットデータを使い、パケット長、通信間隔、IPアドレスの分布、ポート番号の分布、その他の通信パターンから、ボットの存在の有無を判別するボット判別技術に取り組む。
 
 PM評価
 ボット対策は重要なテーマです。これまでの提案者の実績に基づいて新しい技術を提案している点が高く評価されます。プロジェクトの成否は検知の精度および有効性がポイントとなると考えられます。新提案の技術的な特徴を生かして、実用に供することができるシステムが実現できるように、具体的な工夫を重ねてください。
 

*提案申請順

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