コンピュータウイルス被害状況調査結果要約
平成12年4月7日
情報処理振興事業協会
1.概要
IPAは、コンピュータウイルス被害状況を把握し、わが国の実情にあった効果的な対策を講ずるために、
国内および海外におけるアンケート調査を毎年実施しています。
以下に、「平成11年度国内におけるコンピュータウイルス被害状況調査」および
「平成11年度海外におけるコンピュータウイルス被害状況調査」の調査結果の要約を示します。
2.平成11年度国内におけるウイルス被害状況調査
1998年の調査でのアンケート回収事業所および全国の事業所から無作為に抽出した事業所の計全国の5,000件を調査対象とし、1998年12月から1999年11月の1年間を調査対象期間としました。
(回収率30.6%)
回答のあった事業所の44%が、過去1年間にウイルス感染被害に遭っています。97年のマクロウイルスによる被害の増大以降、微増が続いています。
(図1参照)
また、調査集計でのトップ5ウイルスは、XM/Laroux
34.7%,W32/Ska(Happy99) 16.6%, W97M/Class 5.7%, W32/CIH 5.2%, WM/Cap 5.0%
となっています。3位、4位が逆転したほかは、1999年のIPAへのウイルス発見届出のトップ5と同一のウイルスであり、毎月の届出状況が、国内におけるウイルス感染の実態と一致していることが分かります。
従って、毎月の届出状況の集計データは、その時点の国内感染の最新状況として捉えることができます。
ワクチンソフトの導入率は80%を超えているにもかかわらず、そのうち60%近くはアップデート体制が整備されていない状況にあります。

図1 国内ウイルス感染被害率
3.平成11年度海外におけるウイルス被害状況調査
平成11年度は、米国、欧州、アジアの3地域における米国、ドイツ、イギリス、韓国、シンガポールの5ヶ国を対象に、それぞれの国のコンピュータユーザ関連の各種データベースや、関連団体の会員リスト等を用いて、各国とも5,000事業所を抽出しアンケート調査を実施しました。(回収率米国 6.4%、ドイツ4.0%、イギリス3.8%、韓国6.0%、シンガポール8.0%)
ウイルス感染被害率は、おおよそ60%内外であり、各国ともに大きな差異は見られませんでした。(図2 参照)。
インターネットの普及から、グローバル化が進んでいることが主な原因と思われます。主な感染ウイルスは、米国では、W32/CIH
14.8%, W97M/Marker 11.9%, W97M/Class 10.7%、ドイツでは、W32/CIH 23.5%, W97M/Ethan
16.9%、イギリスでは、W97M/Ethan 12.6%, W97M/Melissa 11.1%, WM/Cap 10.4%
、韓国では、XM/Laroux 25.4%, W32/CIH 20.1%、シンガポールではW32/CIH 23.8%,
W32/Ska 12.8%
などとなっており、マクロウイルスが主流となっています。
ワクチンソフトの導入状況では、イギリスが98.9%、米国が91.5%と高い導入率を示しています。ワクチンソフトの管理体制では、 「専門部署・職位による管理」が主流になっており、管理体制のない割合はシンガポールの30.2%SIZE="3"> からイギリスの 12.2%までと各国とものきなみ低い割合となっています。アップデート体制のない割合が60%近くを占めている我が国の現状は、 今後のウイルス対策の大きな課題といえます。
図2 海外ウイルス感染被害率
以上