1999年11月9日
情報処理振興事業協会

コンピュータウイルス被害の届出状況について(抜粋)

 

1.1999年10月ウイルス被害届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年10月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

 ●被害届出件数

405件(先月332件、1月〜10月累計3,188件)

  [昨年10月 136件、昨年1年間2,035件(月平均約170件)、昨年1月〜10月 1,696件]

 ●被害届出状況

先月より増加し、、今年に入って2回目の400件を越える届出件数となった。
また、今年1月から10月までの届出件数が3,000件を突破した。
届出ウイルスの種類は23種類で、一番届出の多かったウイルスは、XM/Larouxで123件(先月121件)であった。
感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、不明を除いた届出件数の約64%の割合を占めている。

2.今月の特記事項

(1)「W32/PrettyPark」の被害届出急増!!

  9月に初めて届出のあったW32/PrettyParkの被害が10月の届出で40件(9月届出分は18件)と急増している。W32/PrettyParkは、メール機能を悪用したウイルス で、感染すると、ユーザが気づかないうちにメーラーを起動し、登録されているアドレスに自分自身を添付したメールを出してしまう。 メールにPrettyPark.exeというファイルが添付されている場合は、絶対に実行しないようにすること。
  (「W32/PrettyPark」の詳細情報

(2)IPAのWebページに特設ページ開設!!

 (a)情報セキュリティ対策と西暦2000年問題

 西暦2000年問題に便乗して、セキュリティを侵害する行為が多発する可能性があるため、ウイルスや不正アクセス関係のセキュリティ対策情報をIPAのWebページに掲載した。
 西暦2000年問題に関連したセキュリティ対策の情報として、活用していただきたい。

 (b)ウイルス対策スクール

 「ウイルスは怖いが、どうすればいいのかわからない。」「用語の意味がよくわからない。」等の悩みを持ったパソコン初心者のために、ウイルスの基礎知識、対策方法等、ウイルスに関連した情報を、分かり易く図解して掲載している。
 インターネット、パソコン等を始めたばかりの初心者が、ウイルスに関する正しい知識を習得するために活用していただければ幸いである。

(3)有名メーカーのサポートセンターを騙った偽メールに注意!!

 有名メーカーのサポートセンターを騙り、悪意のあるプログラムをアップデートプログラムやワクチンソフトのように見せかけて、添付ファイルで送りつけるメールによる被害が海外で発生している。国内で大きな被害は出ていないが、同じ様な手口で悪意のあるプログラムファイルが添付ファイルで送られてくることが十分考えられるので、注意が必要である。
   (サポートセンターを騙った偽メールの詳細情報

(4)友人からの電子メールでも、添付ファイルには要注意!!

 電子メールの機能を悪用したウイルスも急増しているので、対策として、以下の基本的事項について周知徹底されることを希望する。

a)たとえ、友人、知人、職場の同僚から送られてきた電子メールであっても、添付ファイルは、開いたり、実行したりする前に、必ず最新のワクチンソフトでウイルス検査を行うこと。

b)ファイルに感染しないタイプの「W32/Ska(Happy99)」、「W32/ExploreZip」のようなトロイの木馬型ウイルスは、新種の場合は最新のワクチンソフトでも発見できない可能性が高いので、メールの添付ファイルでプログラムファイルを受け取った場合は、相手先に添付ファイルの内容の問い合わせを行う等により、必ずファイルの安全を確認してから実行すること。

3.ウイルス被害届出制度

 コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。

 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は11,385件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年10月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

9911.gif (13421 バイト)

 

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。

 今月、届出のあったウイルスは23種類であった。届出件数の多いウイルスは、XM/Larouxが123件となっている。(マクロウイルス261件、従来型150件。1件で複数のウイルス感染届出があるため、合計は、届出件数の405件に合致しない。)

 

項番

ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'99/10

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
XM/Laroux 123
W97M/Marker 37
W97M/X97M/P97M/Tristate 35
W97M/Class 20
W97M/Ethan 16
WM/Cap 11
W97M/Melissa 10
W97M/ColdApe
W97M/Opey
10 W97M/Chack
11 W97M/Nono
12 WM/Niknat
13 XM/Extras
14 XM/VCX.A
15 W32/Ska 83
16 W32/PrettyPark 40
17 W32/CIH 15
18 B1
19 アンチシーモス
20 フォーム
21 サンポ
22 ステルスブート
23 AutoStart9805

注)

 1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、W97Mは、Word97Macro、 W97M/X97M/P97Mは、Word97Macro/Excel97Macro/PowerPoint97Macro、WMは、WordMacroの略である。
 2.W32/は、Windows32ビットの環境下で動作するウイルスを示す。
 3.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。


最近の被害届出ウイルス一覧

 最近の4ヶ月(7〜10月)で、被害届出件数の多い主なウイルスを下記に示す。
 W32/Ska他、今年初めて届出があったウイルスの届出件数が増加しているので、ワクチンソフトのウイルス定義ファイルを最新のものに更新するなど、注意が必要である。

  1997年計 1998年計 1999年 1999年
7〜10月
1月〜6月 7月 8月 9月 10月
XM/Laroux 842 960 516 88 47 121 123 379
*W32/Ska 0 0 558 84 66 93 83 326
*W97M/X97M/P97M/Tristate 0 0 15 21 20 19 35 95
W97M/Class 0 19 174 15 20 18 20 73
*W97M/Marker 0 0 31 14 5 8 37 64
*W97M/Ethan 0 0 40 16 18 12 16 62
*W32/PrettyPark 0 0 0 0 0 18 40 58

(*印は、1999年に初めて届出のあったウイルスを示す。)

  10月の被害届出の詳細

 

問い合わせ先:
 

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp