1999年10月8日
情報処理振興事業協会
情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年9月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。
●被害届出件数
332件(先月216件、1月〜9月累計2,783件)
[昨年9月 222件、昨年1年間2,035件(月平均約170件)、昨年1月〜9月 1,560件]
●被害届出状況
先月より増加し、、今年に入って5回目の300件を越える届出件数となった。
届出ウイルスの種類は20種類で、一番届出の多かったウイルスは、XM/Larouxで121件(先月47件)であった。
初めてIPAに届出のあったウイルスは、「W32/PrettyPark」の1種類。(「W32/PrettyPark」の詳細情報)
感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、不明を除いた届出件数の約77%の割合を占めている。
有名メーカーのサポートセンターを騙り、悪意のあるプログラムをアップデートプログラムやワクチンソフトのように見せかけて、添付ファイルで送りつけるメールによる被害が海外で発生している。国内で大きな被害は出ていないが、同じ様な手口で悪意のあるプログラムファイルが添付ファイルで送られてくることが十分考えられるので、注意が必要である。
(サポートセンターを騙ったメールの詳細情報)アップデートプログラム等の配布については、通常Webサイトからのダウンロードにより行なわれており、プログラムファイルが電子メールに添付されて送られるようなことはないので、そのようなファイルをメールの添付ファイルで受け取ったときには、安易に実行しないようにされたい。
また、電子メールの機能を悪用したウイルスも急増しているので、対策として、以下の基本的事項について周知徹底されることを希望する。a)たとえ、友人、知人、職場の同僚から送られてきた電子メールであっても、添付ファイルは、開いたり、実行したりする前に、必ず最新のワクチンソフトでウイルス検査を行うこと。
b)ファイルに感染しないタイプの「W32/Ska(Happy99)」、「W32/ExploreZip」のようなトロイの木馬型ウイルスは、新種の場合は最新のワクチンソフトでも発見できない可能性が高いので、メールの添付ファイルでプログラムファイルを受け取った場合は、相手先に添付ファイルの内容の問い合わせを行う等により、必ずファイルの安全を確認してから実行すること。
コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。
○コンピュータウイルス対策基準
・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂
届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は10,980件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年9月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。
今月、届出のあったウイルスは20種類であった。届出件数の多いウイルスは、XM」/Larouxが121件となっている。初めて届けられたウイルスは、W32/PrettyPark(*印)の1種類である。(マクロウイルス199件、従来型133件)
項番 |
ウ イ ル ス 名 |
届出件数 |
感 染 し た 機 種 | |||
'99/9 |
IBM機 互換機 |
NEC98機 互換機 |
MAC機 | FDのみ | ||
| 1 | XM/Laroux | 121 | ● | ● | − | ● |
| 2 | W97M/X97M/P97M/Tristate | 19 | ● | ● | − | ● |
| 3 | W97M/Class | 18 | ● | ● | − | ● |
| 4 | W97M/Ethan | 12 | ● | − | − | ● |
| 5 | WM/Cap | 10 | ● | − | − | ● |
| 6 | W97M/Marker | 8 | ● | − | − | ● |
| 7 | W97M/Chack | 4 | ● | − | − | ● |
| 8 | W97M/Melissa | 3 | ● | − | − | ● |
| 9 | W97M/Jedi | 1 | ● | − | − | − |
| 10 | WM/MDMA | 1 | − | − | − | ● |
| 11 | XF/Paix | 1 | − | − | − | ● |
| 12 | XM/VCX.A | 1 | − | − | − | ● |
| 13 | W32/Ska | 93 | ● | ● | − | ● |
| *14 | W32/PrettyPark | 18 | ● | ● | − | ● |
| 15 | W32/CIH | 15 | ● | − | − | ● |
| 16 | W32/ExploreZip | 2 | ● | ● | − | − |
| 17 | アンチシーモス | 2 | ● | − | − | ● |
| 18 | B1 | 1 | − | − | − | ● |
| 19 | アンチテレフォニカ | 1 | − | − | − | ● |
| 20 | ストーンド | 1 | ● | − | − | − |
注)
1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、W97M/X97M/P97Mは、Word97Macro/Excel97Macro/
PowerPoint97Macro、W97Mは、Word97Macro、WMは、WordMacro、XFは、ExcelFormulaの略である。
2.W32/は、Windows32ビット実行形式ファイルを感染対象とするウイルスを示す。
3.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。
IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室
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