1999年8月6日
情報処理振興事業協会
情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年7月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。
●被害届出件数
299件(先月385件、1月〜7月累計2,235件)
[昨年7月 191件、昨年1年間2,035件(月平均約170件)、昨年1月〜7月 1,173件]
●被害届出状況
先月より減少したが、昨年の月平均を大きく上回る届出件数となった。
1月から7月までの累計届出件数は、昨年1年間の届出件数を越えている。届出ウイルスの種類は22種類で、一番届出の多かったウイルスは、XM/Larouxで88件(先月97件)であった。
感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、不明を除いた届出件数の約70%の割合を占めている。
最近「W32/Ska(Happy99)」、「W97M/Melissa」、「W32/ExploreZip」のように電子メールを悪用したウイルスが急増しているので、電子メールを利用する際は注意が必要である。
たとえ、友人、知人、職場の同僚から送られてきた電子メールであっても、添付ファイルは、必ず最新のワクチンソフト(※)でウイルス検査を行ってから、開いたり、実行するようにされたい。(※)最新のワクチンソフト=ウイルス定義ファイルの更新
ウイルスは新種が次々に出現しており、古いウイルス定義ファイルを使用していると、ワクチンによる検査を行っても、ウイルス感染を発見できない場合や誤認をする場合もある。このため、ワクチンメーカーからの登録ユーザ への電子メールによる案内やWebサイトの更新情報に日頃から注意を払い、常に最新のウイルス定義ファイルへの更新を実施されたい。ファイルに感染しないタイプの「W32/Ska(Happy99)」、「W32/ExploreZip」のようなトロイの木馬型ウイルスは、新種の場合は最新のワクチンソフトでも発見できない可能性が高いので、メールの添付ファイルでプログラムファイルを受け取った場合は、相手先に添付ファイルの内容の問い合わせを行う等により、必ずファイルの安全を確認してから実行するようにされたい。
コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号)に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー
を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。
届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は10,432件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年7月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。
今月、届出のあったウイルスは22種類であった。届出件数の多いウイルスは、XM/Larouxが88件となっている。(マクロウイルス201件、従来型102件、1件で複数のウイルス感染届出があるため、合計は届出件数の299件に合致しない。)
項番 |
ウ イ ル ス 名 |
届出件数 |
感 染 し た 機 種 | |||
'99/7 |
IBM機 互換機 |
NEC98機 互換機 |
MAC機 | FDのみ | ||
| 1 | XM/Laroux | 88 | ● | ● | − | ● |
| 2 | WM/Cap | 25 | ● | − | ● | ● |
| 3 | W97M/X97M/P97M/Tristate | 21 | ● | ● | − | ● |
| 4 | W97M/Ethan | 16 | ● | − | − | ● |
| 5 | W97M/Class | 15 | ● | − | − | ● |
| 6 | W97M/Marker | 14 | ● | − | − | ● |
| 7 | W97M/Melissa | 6 | ● | − | − | ● |
| 8 | XM/Compat | 4 | ● | − | − | ● |
| 9 | XM/Extras | 4 | ● | − | − | ● |
| 10 | W97M/Chack | 3 | ● | − | − | ● |
| 11 | W97M/Groov | 1 | − | − | − | ● |
| 12 | W97M/Protected | 1 | − | − | − | ● |
| 13 | W97M/Nono | 1 | ● | − | − | − |
| 14 | WM/Concept | 1 | − | − | − | ● |
| 15 | WM/Npad | 1 | ● | − | − | − |
| 16 | W32/Ska | 84 | ● | ● | − | ● |
| 17 | W32/CIH | 8 | ● | − | − | − |
| 18 | アンチシーモス | 2 | ● | − | − | − |
| 19 | ワンハーフ | 2 | ● | − | − | ● |
| 20 | カスケード | 1 | − | ● | − | − |
| 21 | フォーム | 1 | − | − | − | ● |
| 22 | AutoStart9805 | 4 | − | − | ● | − |
注)
1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、WMはWordMacro、W97M/X97M/P97Mは、Word97Macro/Excel97Macro/
PowerPoint97Macro、W97Mは Word97Macroの略である。
2.W32/は、Windows32ビット実行形式ファイルを感染対象とするウイルスを示す。
3.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。
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