1999年6月4日

情報処理振興事業協会

コンピュータウイルス被害の届出状況について(抜粋)

 

1.1999年5月ウイルス被害届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年5月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

 ●被害届出件数

306件(先月341件、1月〜5月累計1551件)

  [昨年5月 142件、昨年1年間2035件(月平均約170件)、昨年1月〜5月 845件]

 ●被害届出状況

前月より被害届出件数は減少したが、'99年3月から3ヶ月連続で300件を越える届出件数となった。
(これ以前に月間の届出件数が300件を越えたのは、'97年7月の1回のみ)
今月減少した要因としては、W32/Ska(Happy99)、W97M/Melissa等が新聞、テレビで取り上げられたため、ワクチンを使用するユーザーが増え、届出件数が急増したが、その後は、ウイルス感染の被害に遭うケースが少なくなったものと思われる。 

届出ウイルスの種類は22種類で、一番届出の多かったウイルスは、XM/Larouxで81件であった。
初めてIPAに届出があったウイルスは、W97M/Jediの1種類。
感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、不明を除く約60%の割合に至った。
5月の届出の中で、感染被害台数の多かった届出は、自宅から持ち込んだFDから職場のパソコン120台にXM/Larouxが感染したケースが1件あった。
5月の届出の中で、感染被害台数0台の届出が98件あり、届出全体の約32%を占めた。これは、ワクチンソフトの常駐等により、事前にウイルスを発見・駆除し、パソコンへの感染を未然に防いだものである。

2.今月の特記事項

(1)W32/Ska(Happy99)について

 本ウイルスの届出件数が、69件あった。(2月:74件、3月:181件、4月:114件)
 届出件数は減少の傾向を示しているが安易に電子メールの添付ファイルを実行して感染した届出、相談が引き続き寄せられている。
 友人、知人、職場の同僚から送られてきた電子メールの添付ファイルであっても、必ず最新のワクチンソフトでウイルス検査を行ってから、実行するようにされたい。
 IPAのWebサイトに本ウイルスの情報を掲載しているので、参照の上、対策を講じられたい。

(2)W32/CIHについて

   発病すると、ハードディスクのデータを破壊する本ウイルスの届出件数が、63件あった。
  (1月:18件、2月:12件、3月:34件、4月:75件、)
 感染経路は、ダウンロードファイルから感染したケースが最も多く、不明を除く約67%の割合を占めている。
 ダウンロードファイルは、必ず最新のワクチンソフトで、ウイルス検査を行ってから実行するようにされたい。
 また、発病により破壊されたデータの復旧はできないので、ワクチンソフトによるウイルス検査を行うとともに、日頃からデータのバックアップを取ることが重要である。
 W32/CIHには、4月26日以外にも、6月26日、毎月26日に発病するタイプの亜種も発見されているので、発病する前に最新のワクチンソフトで発見・駆除するようにされたい。
   W32/CIHに関する情報

3.ウイルス被害届出制度

 コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号)に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。

IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は9748件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年5月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

 

 

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。

 今月、届出のあったウイルスは22種類であった。届出件数の多いウイルスは、XM/Larouxが81件となっている。  初めて届けられたウイルスは、W97M/Jedi(*印)の1種類である。(マクロウイルス163件、従来型145件、1件で複数のウイルス感染届出があるため、合計は届出件数の306件に合致しない。)

 

項番

ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'99/5

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
XM/Laroux 81
W97M/Class 25
WM/Cap 17
W97M/Marker 12
W97M/Ethan
W97M/Melissa
W97M/Chack
*8 W97M/Jedi
W97M/Protected
10 W97M/X97M/P97M/Tristate
11 XM/Compat
12 WM/Niknat
13 W32/Ska 69
14 W32/CIH 63
15 アンチシーモス
16 フォーム
17 リッパー
18 カスケード
19 パリティブート
20 ファットアベンジャー
21 ベイジン
22 AutoStart9805

注)

 1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、W97MはWord97Macro、WMはWordMacro、W97M/X97M/P97Mは、Word97Macro/Excel97Macro/ PowerPoint97Macroの略である。
 2.W32/は、Windows32ビット実行形式ファイルを感染対象とするウイルスを示す。
 3.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

  5月の被害届出の詳細

 

問い合わせ先:

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp