1999年5月11日

情報処理振興事業協会

コンピュータウイルス被害の届出状況について(抜粋)

 

1.1999年4月ウイルス被害届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年4月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

 ●被害届出件数

341件(先月455件、1月〜4月累計1245件)

  [昨年4月 133件、昨年1年間2035件(月平均約170件)、昨年1月〜4月 703件]

 ●被害届出状況

届出ウイルスの種類は17種類で、一番届出の多かったウイルスは、W32/Skaで114件であった。
初めてIPAに届出があったウイルスは、W97M/Marker、W97M/Melissa、W97M/X97M/P97M/Tristateの3種類。
W97M/X97M/P97M/Tristateは、Word、Excel、PowerPointで感染するウイルスである。
W32/Skaの被害増加に伴い、感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、不明を除く約65%の割合に至った。
知人からのメールであっても、メールの添付ファイルは、必ず最新のワクチンソフトでウイルス検査を行ってから開いたり、実行するようにされたい。

2.今月の特記事項

(1)W32/CIHについて

 4月26日に発病するウイルス 「W32/CIH」の被害届出が、今までで月間最多の75件あり(同ウイルスの月間の最多届出件数は、先月の34件であった。)、その中の24件が発病による被害届出であった。 これら以外にも発病してハードディスクの内容が破壊されたとの相談が多く寄せられている。
  W32/CIHには、6月26日、毎月26日に発病する亜種も発見されているので、最新のワクチンソフトを用いて、発病する前に発見・駆除されたい。
  Webサイトからダウンロードしたファイルからの感染が多くなってきている。ダウンロードファイルは、必ず最新のワクチンソフトで、ウイルス検査を行ってから、使用すべきである。
  W32/CIHについては、IPAのWebサイトに情報を掲載しているので参照されたい。

(2)コンピュータウイルス被害実態調査について

 届出以外のウイルス被害状況の実態を把握するためにIPAが実施した、国内、海外におけるアンケートによるコンピュータウイルス被害状況調査の結果をまとめたものを [添付資料]「コンピュータウイルス被害実態調査要約」に記述したので、参照されたい。
 平成10年の調査結果は、IPAのWebサイト(国内海外)に掲載している。
 また、印刷・製本した調査報告書は有償にて頒布している。(平成10年版調査報告書 国内、海外とも1000円(送料・消費税込))
 今までにIPAで作成・頒布している調査報告書の一覧はIPAのWebサイトに掲載。

3.ウイルス被害届出制度

 コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号)に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。

IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は9442件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年4月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

 

 

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。

 今月、届出のあったウイルスは17種類であった。届出件数の多いウイルスは、W32/Skaが114件となっている。  初めて届けられたウイルスは、W97M/Marker、W97M/Melissa、W97M/X97M/P97M/Tristate(*印)である。(マクロウイルス144件、従来型200件、1件で複数のウイルス感染届出があるため、合計は届出件数の341件に合致しない。)

 

項番

ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'99/4

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
XM/Laroux 74
W97M/Class 29
W97M/Ethan 16
*4 W97M/Marker
WM/Cap
*6 W97M/Melissa
*7 W97M/X97M/P97M/Tristate
W97M/Nono
W97M/Chack
10 WM/Niknat
11 W32/Ska 114
12 W32/CIH 75
13 アンチシーモス
14 B1
15 アンチテレフォニカ
16 D3
17 AutoStart9805

注)

 1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、W97MはWord97Macro、WMはWordMacro、W97M/X97M/P97Mは、Word97Macro/Excel97Macro/ PowerPoint97Macroの略である。
 2.W32/は、Windows32ビット実行形式ファイルを感染対象とするウイルスを示す。
 3.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

  4月の被害届出の詳細

 

問い合わせ先:

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp