1999年4月9日

情報処理振興事業協会

コンピュータウイルス被害の届出状況について(抜粋)

 

1.1999年3月ウイルス被害届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年3月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

 ●被害届出件数

455件(先月251件)[昨年3月 177件、昨年1年間2035件(月平均約170件)]

 ●被害届出状況

IPAが '90年4月に被害届出を受理するようになってから、最大の届出件数となった。
(過去最大の届出件数は、'97年7月の353件)
届出ウイルスの種類は、29種類で、一番届出の多かったウイルスは、W32/Skaであった。
初めてIPAに届出があったウイルスは、W97M/Ethanの1種類。
感染経路は、メールからの感染が最も多く、不明を除く約71%の割合を占めている。
3月の届出の中で、最も被害台数の多かった届出は、ワクチンを使用していなかったためパソコン300台にXM/Larouxが感染したもの。

2.今月の特記事項

(1)電子メール機能を悪用したウイルスが急増

 W32/Ska、W97M/Melissaのように、感染すると外部にウイルスをメールで送信してしまうウイルスが増加している。発見が遅れると、ユーザーが知らないうちにウイルスに感染したファイルを外部に出してしまう可能性が非常に高いので、日頃から最新のワクチンソフトによるウイルス検査を実行するようにされたい。
 また、添付ファイルやダウンロードファイルをウイルス検査をしないで、開いたり実行したりして、感染するケースが増えている。友人、知人、職場の同僚から送られてきた電子メールの添付ファイルや、信頼できそうなサイトからのダウンロードファイルであっても、必ず最新のワクチンソフトでウイルス検査を行ってから、開いたり、実行するようにされたい。

(2)W32/Ska(Happy99)について

 本ウイルスの届出件数が、先月の74件から、今月は181件に増大した。
 (過去、1種類のウイルスの月間の最多届出件数は、'97年7月、XM/Larouxの140件)
 ユーザーからの相談も引き続きよせられており、これからも感染被害が拡がるものと思われる。
 IPAのWebサイトに本ウイルスの情報を掲載しているので、参照の上、対策を講じられたい。

(3)W32/CIHについて

 4月26日に発病するウイルス、「W32/CIH」の被害届出が、今までで月間最多の34件あった。
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので、市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除 されたい。

(4)W97M/Melissaについて

 海外で、ウイルスに感染したファイルをメールの添付ファイルで送るウイルスによる被害が急増している。
 国内では、まだ大きな感染被害は出ていない。(IPAへの3月中の感染被害届出は0件)
 しかし、海外から感染したファイルが送られてくることが十分考えられるので、IPAのWebサイトの情報を参照して、対策を講じられたい。
 また、Wordに付いているセキュリティ機能(ツール/オプション/全般の「マクロウイルスを自動検出する」)を活用されたい。

3.ウイルス被害届出制度

 コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号)に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。

IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は9101件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年3月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

 

 

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。

 今月、届出のあったウイルスは29種類であった。届出件数の多いウイルスは、W32/Skaが181件となっている。  初めて届けられたウイルスは、W97M/Ethan(*印)である。(マクロウイルス192件、従来型265件、1件で複数のウイルス感染届出があるため、合計は届出件数の455件に合致しない。)

 

項番

ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'99/3

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
XM/Laroux 110
W97M/Class 42
WM/Cap 27
*4 W97M/Ethan
W97M/Groov
WM/Concept
XM/Compat
XM/VCX.A
W32/Ska 181
10 W32/CIH 34
11 アンチシーモス 13
12 フォーム
13 ヤンキードゥードル
14 カスケード
15 ベイジン
16 D3
17 B1
18 DH2
19 J&M
20 Pieck
21 W32/Marburg
22 カンス
23 サンポ
24 シリーボップ
25 ナタス
26 パリティenc
27 モンキー
28 リッパー
29 AutoStart9805

注)

 1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、W97MはWord97Macro、WMはWordMacro、の略である。
 2.W32/は、Windows32ビット実行形式ファイルを感染対象とするウイルスを示す。
 3.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

  3月の被害届出の詳細

 

問い合わせ先:

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp