1999年3月5日
情報処理振興事業協会
情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年2月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。
●被害届出件数
251件(先月198件)[昨年2月 145件、昨年1年間2035件(月平均約170件)]
●被害届出状況
届出ウイルスの種類は、21種類で、一番届出の多かったウイルスは、
XM/Larouxであった。初めてIPAに届出があったウイルスは、W32/Ska、W97M/Nono、W97M/X97M/Shiverの3種類で、この中でも、W32/Skaは、XM/Larouxに次いで2番目に多い届出があった。
W32/Skaについては、(2)に取り上げているので参照されたい。
W97M/X97M/Shiverは、WordとExcelの両方に感染するマクロウイルスである。
2月の届出の中で、最も被害台数の多かった届出は、パソコン80台に
W32/CIHが感染したケースであった。
最近、新聞、テレビ等で数多く取り上げられている新種のウイルス)
2月に初めてIPAに届出があり感染被害が拡がっている。
200件を越える相談、問い合わせがあり、2月の届出件数は74件にのぼった。
W32/Skaはトロイの木馬の一種である。このウイルスは、通常、電子メールやニュースグループ上の添付ファイルとして拡がっていく。
電子メールの場合、他の自分宛のメールと同じタイミングで、メール本文が空で
Happy99.exeというファイルだけが添付されたメールが届く(この現象からHappy99という名称でも呼ばれている)。送り主は大抵の場合、直前にメールを送ってきた人物と同一である。
Windows95/98のユーザが、このファイルを実行すると 「Happy New Year 1999」というタイトルの花火の画像が表示され、感染被害に遭う。以降このユーザーが、電子メール(またはニュース)を送ると、そのメッセージと同じ宛て先、同じ件名のメールをコピーして、
Happy99.exeを添付して送信する。
知り合いから届いたメールでも、 Happy99.exeという添付ファイルが有る場合は、実行することなく、削除すること。また、当該の感染メールを送ってきた相手が気づいていない場合が多いので送信者にはウイルス感染の可能性がある旨連絡されたい。
W32/Skaの概要、感染確認方法、修復方法はIPAのWebに掲載の情報を参照されたい。
コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号)に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー
を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。
届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は8646件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年2月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。
今月、届出のあったウイルスは21種類であった。届出件数の多いウイルスはマクロウイルスのXM/Larouxが85件となっている。
初めて届けられたウイルスは、(*印)のW32/Ska、W97M/Nono、W97M/X97M/Shiverの3種類である。
(マクロウイルス127件、従来型126件、1件で複数のウイルス感染届出があるため、合計は届出件数の251件に合致しない。)
項番 |
ウ イ ル ス 名 |
届出件数 |
感 染 し た 機 種 | |||
'99/2 |
IBM機 |
NEC98機 互換機 |
MAC機 | FDのみ | ||
| 1 | XM/Laroux | 85 | ● | ● | − | ● |
| 2 | WM/Cap | 16 | ● | − | ● | ● |
| 3 | W97M/Class | 15 | ● | − | − | ● |
| *4 | W97M/X97M/Shiver | 3 | ● | − | − | ● |
| 5 | XM/Extras | 2 | ● | − | − | − |
| *6 | W97M/Nono | 2 | ● | − | − | − |
| 7 | XF/Paix | 2 | ● | − | − | − |
| 8 | W97M/Groov | 1 | ● | − | − | − |
| 9 | W97M/Chack | 1 | ● | − | − | − |
| 10 | W32/Ska | 74 | ● | ● | − | ● |
| 11 | W32/CIH | 12 | ● | ● | − | ● |
| 12 | アンチシーモス | 4 | ● | − | − | ● |
| 13 | アンジェリーナ | 1 | − | − | − | ● |
| 14 | カスケード | 1 | − | ● | − | − |
| 15 | フォーム | 1 | ● | − | − | − |
| 16 | ベイジン | 1 | ● | − | − | − |
| 17 | ヤンキードゥードル | 1 | ● | − | − | − |
| 18 | リッパー | 1 | ● | − | − | − |
| 19 | B1 | 1 | ● | − | − | − |
| 20 | Exebug | 1 | ● | − | − | − |
| 21 | AutoStart9805 | 28 | − | − | ● | ● |
注)
1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、WMはWordMacro、W97MはWord97Macro、W97M/X97MはWord97Macro/
Excel97Macro、XFはExcelFormulaの略である。
2.W32/は、Windows32ビット実行形式ファイルを感染対象とするウイルスを示す。
3.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。