1998年10月9日
情報処理振興事業協会


         コンピュータウイルス被害の届出状況について


1.はじめに

●IPA(情報処理振興事業協会・石井賢吾理事長)は、'98年9月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

●コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号) に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届出ることとされている。

2.届出の概要

(1)今までの届出状況
 届出件数は、'90年4月通産省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づいて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。 今までの届出件数は7722件となる。次に示す表は、 '96年1月から '98年9月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。


〔 届 出 件 数 の 月 別 推 移 〕

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
98年 月別件数 248 145 177 133 142 137 191 165 222      
年別累計 248 393 570 703 845 982 1173 1338 1560      
全累計 6410 6555 6732 6865 7007 7144 7335 7500 7722      
97年 月別件数 60 57 100 200 230 299 353 214 273 239 232 134
年別累計 60 117 217 417 647 946 1299 1513 1786 2025 2257 2391
全累計 3831 3888 3988 4188 4418 4717 5070 5284 5557 5796 6028 6162
96年 月別件数 36 85 91 92 52 66 54 35 43 51 93 57
年別累計 36 121 212 304 356 422 476 511 554 605 698 755
全累計 3052 3137 3228 3320 3372 3438 3492 3527 3570 3621 3714 3771

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年の届出件数は それぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件である。

(2)'98年9月の届出状況
 9月のコンピュータウイルスの被害届出は222件であった。

 9月の被害届出の詳細は次の通りである。

(a)今月、届出のあったウイルスは21種類であった。届出件数の多いウイルスはマクロウイルスの ExcelMacro/Larouxが85件となっている。
初めて届けられたウイルスは、WordMacro/PolyPoster、PE/Marburgの2種類(*印)である。
(マクロウイルス 171件、従来型55件、1件で複数のウイルス感染の届出がある為、合計は届出件数の 222件に合致しない。)

 項 番 ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'98/9

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
ExcelMacro/Laroux 85
WordMacro/Cap 46
ExcelMacro/Extras 25
WordlMacro/Wazzu
*5 WordlMacro/PolyPoster
WordlMacro/Concept
WordlMacro/Kompu
WordlMacro/MDMA
WordlMacro/Niceday
*10 PE/Marburg
11 アンチシーモス
12 フォーム
13 PE/CIH
14 B1
15 アンジェリーナ
16 ディスクウォッシャー
17 ベイジン
18 ヤンキードゥードル
19 リッパー
20 AutoStart9805 30
21 MBDF

注)

1.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

2.検査発見及び駆除修復に使われたウイルス対策ソフトを、下記に示す。

検査発見に使われたソフト名 件数 駆除修復に使われたソフト名 件数
ウイルスバスター 89 ウイルスバスター 92
Inter Scan 31 Inter Scan 29
VirusScan 31 VirusScan 28
Norton AntiVirus 15 Norton AntiVirus 16
F-SECURE(F-PROT) F-SECURE(F-PROT)
VBSCAN VBSCAN
ScanMail XLSCAN.XLA
IBM AntiVirus IBM AntiVirus
InocuLAN InocuLAN
SWEEP ScanMail
NAV for Mac(SAM) 32 NAV for Mac(SAM) 32
WormFood WormScanner
WormFood

今回、IPAに初めて届出があったウイルスを簡単に説明する。

「PE/Marburg」(PE/Marburg)
 このウイルスはWindows95/98の32ビット実行形式ファイル(PEファイル、拡張子がEXE) に感染するファイル感染型ウイルスで、メモリに常駐しないタイプのウイルスである。
 感染したファイルを実行すると、カレントディレトリ、Windowsディレクトリ、system ディレクトリにある拡張子がEXEとSCR(スクリーンセーバー)のファイルに感染しようとする。
 感染しているファイルを感染してから3ヶ月後に実行すると発病し、スクリーン上のい たるところにカラーアイコン(赤い丸の中に白い十字)を表示する。

「WordMacro/PolyPoster」(WM/PolyPoster)
 このウイルスは、マイクロソフト社のWord(以下MSword)を介して感染するウイルスで ある。このウイルスに感染したデータファイルを読み込むとそのMSwordに感染する。そし て、感染した MSwordで、作成、更新したMSword文書ファイルに感染する。
 ネットニュースリーダー(ForteAgent)がインストールされていると、ウイルスは感染 したファイルをランダムにUSENETニュースグループに送ろうとする。

(b)届出の感染機種別件数は次のとおりである。一番多い届出は、IBM及びその互換機で、FDのみの感染を除く約63%の割合を占めている。

 

機        種

届  出  件  数

'98/9 '98/1〜9 '97合計
NEC 98機 日電  PC-98シリーズ 13 150 380
IBM 機

互換機

IBM機 14 119 259
各社 IBM互換機 104 959 1680
MAC機 APPLE Macintoshシリーズ 32 135 45

注)
1.複数機種感染の届出を含む。 FDのみの感染は64件。
2.各社IBM互換機には、NEC PC-98NXシリーズを含む。

(c)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、約80%の割合を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

'98/9 '98/1〜9 '97合計
一般法人ユーザ 178 1224 1338
情 報 産 業 25 236 687
個 人 ユ ー ザ 10 55 247
教育・研究機関 45 119

(d)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて四国地方、近畿地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
'98/9 '98/1〜9 '97合計
北海道 地 方 18 55
東 北 地 方 30 108
関 東 地 方 139 1100 1491
中 部 地 方 16 152 305
近 畿 地 方 20 146 239
中 国 地 方 29 62
四 国 地 方 23 31 52
九 州 地 方 10 54 79

(e)被害届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。メールにより感染したケースが最も多く不明を除く約50%の割合を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
'98/9 '98/1〜9 '97合計
外部からの媒体で感染したケース 72 488 722
メールにより感染したケース 91 634 632
海外からの媒体で感染したケース 24 61
海外からのメールにより感染したケース 31 157
ネットワークからのダウンロードにより感染したケース 12 56 37
不 明 40 327 782

(f)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。FD のみの感染は、FDを使用前に検査し、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感  染  台 数

届  出  件  数
'98/9 '98/1〜9 '97合計
  FDのみ感染 64 276 240
  1台 109 810 1050
  2台以上 5台未満 32 280 460
  5台以上10台未満 11 104 200
 10台以上20台未満 45 209
 20台以上50台未満 28 156
 50台以上 17 76




特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPAに届出されたウイルスの中で、 10月10日〜11月30日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPAまで)

DH2 3日、11日、15日、28日の火曜日
 (※11月3日火曜日が該当日)
タイムワープ 10月21日
DBmh−14 10月30日〜11月1日
ハロウイン(1376) 11月1日
DTd−17 11月15日
ジミー 11月15日
サンポ 11月30日

以上

問い合わせ先:
IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室
TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp