1998年9月4日
情報処理振興事業協会


         コンピュータウイルス被害の届出状況について


1.はじめに

●IPA(情報処理振興事業協会・石井賢吾理事長)は、'98年8月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

●コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号) に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届出ることとされている。

●IPAでは全国の通産局と共催で情報セキュリティセミナーを開催する。詳細は添付資料「開催のお知らせ」を参照のこと。

2.届出の概要

(1)今までの届出状況
 届出件数は、'90年4月通産省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づいて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。 今までの届出件数は7500件となる。次に示す表は、 '96年1月から '98年8月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。


〔 届 出 件 数 の 月 別 推 移 〕

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
98年 月別件数 248 145 177 133 142 137 191 165        
年別累計 248 393 570 703 845 982 1173 1338        
全累計 6410 6555 6732 6865 7007 7144 7335 7500        
97年 月別件数 60 57 100 200 230 299 353 214 273 239 232 134
年別累計 60 117 217 417 647 946 1299 1513 1786 2025 2257 2391
全累計 3831 3888 3988 4188 4418 4717 5070 5284 5557 5796 6028 6162
96年 月別件数 36 85 91 92 52 66 54 35 43 51 93 57
年別累計 36 121 212 304 356 422 476 511 554 605 698 755
全累計 3052 3137 3228 3320 3372 3438 3492 3527 3570 3621 3714 3771

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年の届出件数は それぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件である。

(2)'98年8月の届出状況
 8月のコンピュータウイルスの被害届出は165件であった。この中で被害台数の多 かった届出は、PE/CIHが、パソコン150台に感染したケースが1件あった。
 (PE/CIHについては、初めて届出があったウイルスの欄を参照のこと)

 8月の被害届出の詳細は次の通りである。

(a)今月、届出のあったウイルスは19種類であった。届出件数の多いウイルスはマクロウイルスの ExcelMacro/Larouxが72件となっている。
初めて届けられたウイルスは、PE/CIH、ABCD、バイの3種類(*印)である。
(マクロウイルス 127件、従来型40件、1件で複数のウイルス感染の届出がある為、合計は届出件数の 165件に合致しない。)

項番   ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'98/8

IBM 機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
ExcelMacro/Laroux  72
WordMacro/Cap 37
ExcelMacro/Extras 17
WordlMacro/Appder
*5 PE/CIH
*6 ABCD
アンチシーモス
アンチテレフォニカ
ベイジン
10 モンキー
11 3783
12 J&M
13 ジミー
14 テキーラ
*15 バイ
16 パリティブート
17 フォーム
18 AutoStart9805 17
19 MBDF

注)

1.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

2.検査発見及び駆除修復に使われたウイルス対策ソフトを、下記に示す。

検査発見に使われたソフト名 件数 駆除修復に使われたソフト名 件数
ウイルスバスター 71 ウイルスバスター 70
Norton AntiVirus 20 Norton AntiVirus 19
VirusScan 18 VirusScan 18
Inter Scan 18 Inter Scan 11
F-SECURE(F-PROT) XLSCAN.XLA
InocuLAN F-SECURE(F-PROT)
ScanMail クリーンワクチン
スキャンワクチン IBM AntiVirus
XLSCAN.XLA SFScan
IBM AntiVirus
ServerProtect
LANDesk
SAM SAM
NAV NAV
Autostart Hunter Autostart Hunter
WormScanner

今回、IPAに初めて届出があったウイルスを簡単に説明する。

「PE/CIH」(PE/CIH)
 このウイルスは常駐型でWindows95/98の32ビット実行形式ファイル(PE(*)ファイル、 拡張子がEXE)に感染するファイル感染型ウイルスである。
 感染したファイルを実行すると、メモリに常駐し、プログラムの実行、ファイルのコ ピー等でオープンしたプログラムファイルに感染する。
 発病するとハードディスクの先頭部分を無意味なデータで上書きするため、ディスク内容にアクセスできなくなる。
 また、コンピュータが使用しているチップセットが、インテル430TXかその互換 チップの場合には、BIOS ROMのブートブロックに無意味なデータを上書きして、内容を 破壊する。
 このウイルスには、4月26日発病、6月26日発病等の種類がある。
 (*PE:Portable Executable)

「ABCD」(ABCD)
 このウイルスは、常駐型でディスクのブートセクタに感染するウイルスである。
 感染したディスクで起動するとウイルスはメモリに常駐する。
 ウイルスが常駐した状態でアクセスされたフロッピーディスクに感染する。
 IBM機及びIBM互換機以外での感染はない。
 ハードディスクに感染した際に、パーティションテーブルを移動させるので、FDISKに よるウイルス駆除を行おうとするとディスク内容が失われる。
 また、システムフロッピーで起動すると、ハードディスクが認識不可能になる。
 通算200回起動すると、ハードディスクのマスタブートセクターの内容を無意味な内 容で上書きし、起動不可能にする。

「バイ」(Bye)
 このウイルスは、常駐型でディスクのブートセクタに感染するウイルスである。
 感染したディスクで起動するとウイルスはメモリに常駐する。
 ウイルスが常駐した状態でアクセスされたフロッピディスクに感染する。
  IBM機特有の割り込み処理を使用しているため、IBM機及びIBM互換機以外での感染はない。
 発病すると、コンピュータ起動時に「Bye by C&C」と表示しハングアップする。ただし、 発病条件の判定部分のデータが一部壊れているため、発病する可能性は低い。

(b)届出の感染機種別件数は次のとおりである。一番多い届出は、IBM及びその互換機で、FDのみの感染を除く約62%の割合を占めている。

 

機        種

届  出  件  数

'98/8 '98/1〜8 '97合計
NEC 98機 日電  PC-98シリーズ 14 137 380
IBM 機

互換機

IBM機 105 259
各社 IBM互換機 104 855 1680
MAC機 APPLE Macintoshシリーズ 20 103 45

注)
1.複数機種感染の届出を含む。 FDのみの感染は35件。
2.各社IBM互換機には、NEC PC-98NXシリーズを含む。

(c)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、約79%の割合を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

'98/8 '98/1〜8 '97合計
一般法人ユーザ 131 1046 1338
情 報 産 業 21 211 687
個 人 ユ ー ザ 45 247
教育・研究機関 36 119

(d)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて中部地方、近畿地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
'98/8 '98/1〜8 '97合計
北海道 地 方 16 55
東 北 地 方 23 108
関 東 地 方 111 961 1491
中 部 地 方 21 136 305
近 畿 地 方 16 126 239
中 国 地 方 24 62
四 国 地 方 52
九 州 地 方 44 79

(e)被害届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。メールにより感染したケースが最も多く不明を除く約42%の割合を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
'98/8 '98/1〜8 '97合計
外部からの媒体で感染したケース 52 416 722
メールにより感染したケース 55 543 632
海外からの媒体で感染したケース 22 61
海外からのメールにより感染したケース 26 157
ネットワークからのダウンロードにより感染したケース 44 37
不 明 35 287 782

(f)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。FD のみの感染は、FDを使用前に検査し、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感  染  台  数

届  出  件  数
'98/8 '98/1〜8 '97合計
  FDのみ感染 35 212 240
  1台 77 701 1050
  2台以上 5台未満 32 248 460
  5台以上10台未満 15 93 200
 10台以上20台未満 42 209
 20台以上50台未満 25 156
 50台以上 17 76




特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPAに届出されたウイルスの中で、 9月5日〜10月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPAまで)

リトルレッド 9月9日
DH2 3日、11日、15日、28日の火曜日
 (※9月15日火曜日が該当日)
スタードット 9月24日
タイムワープ 10月21日
DBmh−14 10月30日〜11月1日
1554 毎年9月〜12月
4096 毎年9月22日以降

以上

問い合わせ先:
IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室
TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp

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|添付資料|
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【情報セキュリティセミナー】開催のお知らせ
  「情報化資源の有効活用のために」

平成10年9月4日
通商産業省
各通商産業局
情報処理振興事業協会








 昨今、コンピュータの利用技術の多様化やネットワーク技術の著しい進歩により、 現在の情報化社会ではコンピュータシステム抜きには機能しなくなっており、 そのセキュリティ対策の重要性も増大してきています。
 このような背景をふまえて、情報処理振興事業協会(IPA)では全国の通産局と共催で、 技術的に進化したコンピュータウイルスの被害と対策、不正アクセスの被害と対策、 貴重な情報を保護する暗号技術の現状と正しい使い方等について、情報セキュリティ セミナーを開催することになりました。関係各位の積極的参加を賜りますようお願い申し上げます。

 □ プログラム(標題、時間等内容の一部を変更する場合があります)
・通商産業局 挨拶(5分)
・情報処理振興事業協会 挨拶(5分)
・コンピュータウイルス被害の現状と対策(40分)
・コンピュータウイルス発病シミュレーション(25分)
・「ワクチンについて」導入事例等 (25分×2)
・質疑応答(10分)
・昼食休憩(75分)(ワクチン業者プレゼン含む)
・コンピュータ不正アクセス被害の現状と対策(40分)
・質疑応答(10分)
・暗号技術の現状と正しい使い方(40分)
・質疑応答(10分)
 □ 日時・場所  別紙「会場案内一覧表」を参照
 □ 参加費    無料
 □ 対象   コンピュータウイルス対策等情報セキュリティを考えられている方
 □ 定員   1セミナーにつき 100〜150名程度を予定
 □ 参加申込方法
「所属団体名・会社名、所属部署、参加者氏名、連絡先住所/電話番号/FAX番号、参加場所」をお書きの上、
 別紙会場ごとの通産局に下記の何れかの方法でお申し込み下さい。
申込方法 申 込 先 備 考
FAX  各通産局FAX No. 別紙  
電子メール  各通産局ID No. 別紙  別紙ID記載の局のみ
 □ 申込受付期間
「会場案内一覧表」を参照(定員になりしだい、受付を締め切らせていただきます。)
 □ 問合先
・IPAセキュリティセンター 電話:(03)-5978-7509
・各通商産業局
 □ その他
・セミナー受講申込の方には、(財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)が発刊している下記の各基準解説書を 定価の20%割引で購入できる書籍購入申込書を参加申込受付時に発行致します。
 なお、当日会場での販売は行いません。予めご了承下さい。
基 準 解 説 書 定 価
(税込み・送料別)
割引価格
(税込み・送料別)
 コンピュータウイルス対策基準解説書  ¥2,625  ¥2,100
 コンピュータ不正アクセス対策基準解説書  ¥3,150  ¥2,520
 システム監査基準解説書  ¥4,200  ¥3,360
 システム監査Q&A110  ¥3,885  ¥3,108
    書籍に関する問合先:(財)日本情報処理開発協会 調査部普及振興課 TEL:03-3432-9381 FAX:03-3432-9389
・当日、受講者全員に「コンピュータウイルス被害対策情報CD-ROM」を配布します。

●会場案内一覧表

場所 福岡 広島 札幌 仙台 名古屋 松江
日時
(予定)
平成10年
10月27日(火)
11:00〜16:10
平成10年
10月28日(水)
11:00〜16:10
平成10年
11月 5日(木)
11:00〜16:10
平成10年
11月 6日(金)
11:00〜16:10
平成10年
11月16日(月)
11:00〜16:10
平成10年
11月17日(火)
11:00〜15:35
会場 福岡第一合同庁舎
別館大会議室
八丁堀シャンテ 北海道経済センター パレス宮城野 名古屋ソフトウェアセンター くにびきメッセ
住所 福岡市博多区
 博多駅東2-11-1
広島市中区
 上八丁堀8-28
札幌市中央区
 北1条西2丁目
仙台市青葉区
 上杉3-3-1
名古屋市中区
 金山5-11-6
松江市西川津町3669
申込期間 9月21日〜10月16日 9月21日〜10月16日 9月21日〜10月23日 9月21日〜10月23日 9月28日〜10月30日 9月28日〜10月30日
問合先
 
 
 
 
電話
FAX
e-mail
九州通商産業局
産業部
情報政策課
 
 山口正典
(092)482-5440
(092)482-5392
qkyuim@miti.go.jp
中国通商産業局
産業部
政策課
情報政策室
 長尾博行
(082)224-5684
(082)228-2698
nhaa7351@miti.go.jp
北海道通商産業局
産業部
情報政策課
 赤坂修司
 高橋育男
(011)709-2311
(011)707-5324
tiab1317@miti.go.jp
東北通商産業局
産業部
機械情報産業課
 
 成田 眞
(022)263-1111
(022)223-2658
nmaa5055@miti.go.jp
中部通商産業局
産業企画部
産業企画課
情報政策室
 池戸信哉
(052)951-8457
(052)950-1764
isab1592@miti.go.jp
中国通商産業局
産業部
政策課
情報政策室
 長尾博行
(082)224-5684
(082)228-2698
nhaa7351@miti.go.jp
場所 大阪 静岡 金沢 高松 高崎 沖縄
日時
(予定)
平成10年
11月25日(水)
11:00〜16:10
平成10年
11月26日(木)
11:00〜16:10
平成10年
11月27日(金)
10:30〜15:40
平成10年
12月 1日(火)
11:00〜16:10
平成10年
12月 3日(木)
11:00〜16:10
平成10年
12月 9日(水)
11:00〜15:20
会場 大阪商工会議所 静岡県職員会館
(もくせい会館)
石川県地場産業振興センター 高松商工会議所会館 高崎シティギャラリー サザンプラザ海邦
住所 大阪市中央区
 本町橋2-8
静岡市鷹匠3-6-1 金沢市戸水町イ80 高松市番町2-2-2 高崎市高松町35-1 那覇市旭町7
申込期間 10月12日〜11月13日 10月12日〜11月13日 10月12日〜11月13日 10月19日〜11月20日 10月12日〜11月13日 10月26日〜11月27日
問合先
 
 
 
 
電話
FAX
e-mail
近畿通商産業局
産業企画部
情報政策課
 
 福井健二
(06)941-9251
(06)941-9565
fkaa6973@miti.go.jp
関東通商産業局
産業企画部
情報政策課
 
 大和久雅弘
(03)3213-6068
(03)3211-2463
 
中部通商産業局
産業企画部
産業企画課
情報政策室
 池戸信哉
(052)951-8457
(052)950-1764
isab1592@miti.go.jp
四国通商産業局
産業部
政策課
情報政策室
 北村賢二
(087)831-3141
(087)831-5923
kkaa7846@miti.go.jp
関東通商産業局
産業企画部
情報政策課
 
 大和久雅弘
(03)3213-6068
(03)3211-2463
 
沖縄総合事務局
通商産業部
産業課
 
 山内婦之子
(098)866-0031
(098)869-7016