1998年7月3日
情報処理振興事業協会


         コンピュータウイルス被害の届出状況について


1.はじめに

●IPA(情報処理振興事業協会・石井賢吾理事長)は、'98年6月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

●コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号) に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届出ることとされている。

2.届出の概要

(1)今までの届出状況
 届出件数は、'90年4月通産省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づいて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。 今までの届出件数は7144件となる。次に示す表は、 '96年1月から '98年6月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。


〔 届 出 件 数 の 月 別 推 移 〕

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
98年 月別件数 248 145 177 133 142 137            
年別累計 248 393 570 703 845 982            
全累計 6410 6555 6732 6865 7007 7144            
97年 月別件数 60 57 100 200 230 299 353 214 273 239 232 134
年別累計 60 117 217 417 647 946 1299 1513 1786 2025 2257 2391
全累計 3831 3888 3988 4188 4418 4717 5070 5284 5557 5796 6028 6162
96年 月別件数 36 85 91 92 52 66 54 35 43 51 93 57
年別累計 36 121 212 304 356 422 476 511 554 605 698 755
全累計 3052 3137 3228 3320 3372 3438 3492 3527 3570 3621 3714 3771

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年の届出件数は それぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件である。

(2)'98年6月の届出状況
6月のコンピュータウイルスの被害届出は137件であった。この中で被害台数の多かった届出は、 AutoStart9805が、パソコン110台に、ExcelMacro/Larouxがパソコン 90台、60台に感染したケースがそれぞれ1件あった。

 6月の被害届出の詳細は次の通りである。

(a)今月、届出のあったウイルスは16種類であった。届出件数の多いウイルスはマクロウイルスの ExcelMacro/Larouxが74件となっている。
(マクロウイルス 108件、従来型32件、1件で複数のウイルス感染の届出がある為、合計は届出件数の 137件に合致しない。)

項番   ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'98/6

IBM 機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
ExcelMacro/Laroux  74
WordMacro/Cap 27
ExcelMacro/Extras
WordMacro/Appder
WordMacro/Colors
WordMacro/Npad
アンチシーモス
D3
フォーム
10 DH2
11 オンタリオ
12 カスケード
13 サンポ
14 ワンハーフ
15 AutoStart9805 15
16 MBDF

注)

1.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

2.検査発見及び駆除修復に使われたウイルス対策ソフトを、下記に示す。

検査発見に使われたソフト名 件数 駆除修復に使われたソフト名 件数
ウイルスバスター 56 ウイルスバスター 51
VirusScan 18 VirusScan 16
Inter Scan 16 Norton Antivirus 14
Norton AntiVirus 13 Inter Scan 11
InocuLAN XLSCAN.XLA
スキャンワクチン LANDesk
LANDesk クリーンワクチン
F-PROT F-PROT
TSCAN InocuLAN
ViruSafe ScanPrt
    ViruSafe
SAM 18 SAM 18

・今回届出があった、ExcelMacro/Larouxの亜種について説明する。

  このウイルスは、A-a.XLSという名前のファイルをXLStartディレクトリに作成し、 このファイルにウイルスマクロをコピーすることにより感染する。
  その後オープン、新規作成されたスプレッドシート全てに感染する。感染したXLSファイルには 「VIRUS EDY」という名称の隠しワークシートが含まれる。このウイルスは感染のみで、発病はしない。

(b)届出の感染機種別件数は次のとおりである。一番多い届出は、IBM及びその 互換機で、FDのみの感染を除く約71%の割合を占めている。

 

機        種

届  出  件  数

'98/6 '98/1〜6 '97合計
NEC 98機 日電  PC-98シリーズ 14 107 380
IBM 機

互換機

IBM機 13 81 259
各社 IBM互換機 72 635 1680
MAC機 APPLE Macintoshシリーズ 21 65 45

注)複数機種感染の届出を含む。 FDのみの感染は22件。

(c)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、 一般法人ユーザからのもので、約82%の割合を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

'98/6 '98/1〜6 '97合計
一般法人ユーザ 112 749 1338
情 報 産 業 17 174 687
個 人 ユ ー ザ 35 247
教育・研究機関 24 119

(d)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて中部 地方、近畿地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
'98/6 '98/1〜6 '97合計
北海道 地 方 14 55
東 北 地 方 17 108
関 東 地 方 96 710 1491
中 部 地 方 15 94 305
近 畿 地 方 10 95 239
中 国 地 方 18 62
四 国 地 方 52
九 州 地 方 28 79

(e)被害届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。外部からの媒体で感染 したケースが最も多く不明を除く約50%の割合を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
'98/6 '98/1〜6 '97合計
外部からの媒体で感染したケース 58 299 722
メールにより感染したケース 51 396 632
海外からの媒体で感染したケース 16 61
海外からのメールにより感染したケース 14 157
ネットワークからのダウンロードにより感染したケース 31 37
不 明 20 226 782

(f)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。FD のみの感染は、FDを使用前に検査し、ウイルスを発見したものである。

感  染  台  数

届  出  件  数
'98/6 '98/1〜6 '97合計
  FDのみ感染 22 151 240
  1台 64 533 1050
  2台以上 5台未満 26 171 460
  5台以上10台未満 16 62 200
 10台以上20台未満 33 209
 20台以上50台未満 17 156
 50台以上 15 76




特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPAに届出されたウイルスの中で、 7月4日〜8月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPAまで)

DH2 3日、11日、15日、28日の火曜日
 (※7月28日、8月11日火曜日が該当日)
アルゼンティーナ 7月9日、8月17日
ロシアンフラグ 8月19日
DApm−12 8月31日

以上