1998年4月3日
情報処理振興事業協会

         コンピュータウイルス被害の届出状況について



1.はじめに

●IPA(情報処理振興事業協会・石井賢吾理事長)は、'98年3月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

●コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号) に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届出ることとされている。

2.届出の概要

(1)今までの届出状況
 届出件数は、'90年4月通産省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づいて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。 今までの届出件数は6732件となる。次に示す表は、 '96年1月から '98年3月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

〔 届 出 件 数 の 月 別 推 移 〕


月 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
98年 月別件数 248 145 177                  
年別累計 248 393 570                  
全累計 6410 6555 6732                  
97年 月別件数 60 57 100 200 230 299 353 214 273 239 232 134
年別累計 60 117 217 417 647 946 1299 1513 1786 2025 2257 2391
全累計 3831 3888 3988 4188 4418 4717 5070 5284 5557 5796 6028 6162
96年 月別件数 36 85 91 92 52 66 54 35 43 51 93 57
年別累計 36 121 212 304 356 422 476 511 554 605 698 755
全累計 3052 3137 3228 3320 3372 3438 3492 3527 3570 3621 3714 3771

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年の届出件数は それぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件である。

(2)'98年3月の届出状況
3月のコンピュータウイルスの被害届出は 177件であった。この中で被害台数の多 かった届出は、ExcelMacro/Larouxが、パソコン 50台、70台、100台に感染したケース がそれぞれ1件ずつあった。

 3月の被害届出の詳細は次の通りである。

(a)今月、届出のあったウイルスは15種類(名称不明を不含)であった。届出件数 の多いウイルスはマクロウイルスのExcelMacro/Laroux が 92件、WordMacro/Cap が 60件となっている。(マクロウイルス 155件、従来型24件、不明1件。1件で複数の ウイルス感染の届出がある為、合計は届出件数の 177件に合致しない。)

項番   ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'98/3

IBM 機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
ExcelMacro/Laroux  92
WordMacro/Cap 60
WordMacro/Wazzu
WordMacro/Concept
不明
アンチシーモス
フォーム
ヤンキードゥードル
リッパー
MBDF
10 D3
11 オンタリオ
12 バーガー
13 サンポ
14 ジミー
15 カスケード

注)
1.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

2.検査発見及び駆除修復に使われたウイルス対策ソフトを、下記に示す。

検査発見に使われたソフト名 件数 駆除修復に使われたソフト名 件数
ウイルスバスター 90 ウイルスバスター 90
Inter Scan 23 VirusScan 16
VirusScan 16 Norton AntiVirus 14
Norton AntiVirus InterSCAN 10
スキャンワクチン XLSCAN.XLA 10
F-PROT F-PROT
XLSCAN.XLA クリーンワクチン
IBM AntiVirus IBM AntiVirus
InocuLAN InocuLAN
ViruSafe ViruSafe
ScanPRT ScanPRT
ScanMail
TSCAN
SAM SAM

(b)届出の感染機種別件数は次のとおりである。一番多い届出は、IBM及びその 互換機で、FDのみの感染を除く約72%の割合を占めている。

 

機        種

届  出  件  数 

'98/3 '98/1〜3 '97合計
NEC 98機 日電  PC-98シリーズ 23 68 380
IBM 機

互換機

IBM機  17 41 259
各社 IBM互換機 117 396 1680
MAC機  APPLE Macintoshシリーズ 18 45

注)複数機種感染の届出を含む。 FDのみの感染は33件。

(c)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、 一般法人ユーザからのもので、約74%の割合を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

'98/3 '98/1〜3 '97合計
一般法人ユーザ 131 438 1338
情 報 産 業 35 98 687
個 人 ユ ー ザ 20 247
教育・研究機関  14 119

(d)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて中部 地方、近畿地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
'98/3 '98/1〜3 '97合計
北海道 地 方 55
東 北 地 方 14 108
関 東 地 方 128 422 1491
中 部 地 方 20 53 305
近 畿 地 方 16 52 239
中 国 地 方 62
四 国 地 方 52
九 州 地 方  13 79

(e)被害届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。メールにより感染 したケースが最も多く不明を除く約62%の割合を占めており、メールによりMSwordの 添付ファイル、Excelの添付ファイルを受信した場合には、ウイルス検査後使用する ことがウイルス対策上極めて重要である。

感  染  経  路 

届  出  件  数
'98/3 '98/1〜3 '97合計
外部からの媒体で感染したケース 47 140 722
メールにより感染したケース 94 261 632
海外からの媒体で感染したケース 61
海外からのメールにより感染したケース 157
ネットワークからのダウンロードにより感染したケース 15 37
不 明  26 142 782

(f)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。FD のみの感染は、FDを使用前に検査し、ウイルスを発見したものである。50台以上の 被害は 3件(100台 1件、70台 1件、50台 1件)であった。

感  染  台  数

届  出  件  数
'98/3 '98/1〜3 '97合計
  FDのみ感染  33 87 240
  1台 87 321 1050
  2台以上 5台未満  29 99 460
  5台以上10台未満 14 30 200
 10台以上20台未満 17 209
 20台以上50台未満 156
 50台以上 76

特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPAに届出されたウイルスの中で、 4月4日〜5月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPAまで)

WordMacro/Nuclear 4月5日
15イヤーズ 4月7日
J&M 4月15日
DH2 4月28日(火)
DApdm−13 5月5日
ガニュー 5月17日
アルゼンティーナ 5月25日

以上