1998年3月6日
情報処理振興事業協会
コンピュータウイルス被害の届出状況について

1.はじめに

●IPA(情報処理振興事業協会・石井賢吾理事長)は、'98年2月のコンピュータ ウイルス被害の届出状況をまとめた。

●コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準 ('90年4月10日付通商産業省告示第139号、'95年7月7日改訂通商産業省告示第429 号、'97年9月24日改訂通商産業省告示第535号)に基づき、'90年4月にスタートした 制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐため に必要な情報をIPAに届出ることとされている。

●主なワクチンメーカー等のウイルス 対策情報掲載サイトをIPAのWebページで紹 介しているので参照されたし。

2.届出の概要

(1)今までの届出状況
 届出件数は、'90年4月通産省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は6555件となる。次に示す表は、 '96年1月から '98年2月までの被害届 出件数の月別推移を表したものである。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
98年 月別件数 248 145                    
年別累計 248 393                    
全累計 6410 6555                    
97年 月別件数 60 57 100 200 230 299 353 214 273 239 232 134
年別累計 60 117 217 417 647 946 1299 1513 1786 2025 2257 2391
全累計 3831 3888 3988 4188 4418 4717 5070 5284 5557 5796 6028 6162
96年 月別件数 36 85 91 92 52 66 54 35 43 51 93 57
年別累計 36 121 212 304 356 422 476 511 554 605 698 755
全累計 3052 3137 3228 3320 3372 3438 3492 3527 3570 3621 3714 3771

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年の届出件数は それぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件である。

(2)'98年2月の届出状況
 2月のコンピュータウイルスの被害届出は145件であった。この中で被害台数の多 かった届出は、パソコン 110台にWordMacro/Cap、ExcelMacro/Larouxが感染したケー スと94台にExcelMacro/Laroux が感染したケースがそれぞれ1件ずつあった。
 2月の被害届出の詳細は次の通りである。

(a)今月、届出のあったウイルスは14種類であった。届出件数の多いウイルスはマ クロウイルスのExcelMacro/Laroux が 88件、WordMacro/Cap が41件となっている。 (マクロウイルス 132件、従来型16件。1件で複数のウイルス感染の届出がある為、 合計は届出件数の 145件に合致しない。)

項番   ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'98/2

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
ExcelMacro/Laroux 88
WordMacro/Cap 41
WordMacro/Niknat
WordMacro/Demon
アンチシーモス
カスケード
フォーム
ステルスブート
ベイジン
10 インベーダー
11 ニューロキーラ
12 ヤンキードゥードル
13 3783
14 サンポ

注)1.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。
  2.検査発見及び駆除修復に使われたウイルス対策ソフトを、下記に示す。

検査発見に使われたソフト名 件数 駆除修復に使われたソフト名 件数
Inter Scan 41 ウイルスバスター 34
ウイルスバスター 39 Inter Scan 30
Virus Scan 21 Virus Scan 23
Norton AntiVirus 16 Norton AntiVirus 16
スキャンワクチン XLSCAN.XLA
F-PROT F-PROT
XLSCAN.XLA クリーンワクチン
InocuLAN InocuLAN
IBM AntiVirus ViruSafe
ViruSafe    
SAM SAM

(b)届出の感染機種別件数は次のとおりである。一番多い届出は、IBM及びその 互換機で、FDのみの感染を除く約81%の割合を占めている。

 

機        種

届  出  件  数

'98/2 '98/1〜2 '97合計
NEC 98機 日電  PC-98シリーズ 20 45 380
IBM 機

互換機

IBM機 PS/2、PS/55 11 24 259
各社 IBM互換機 95 279 1680
MAC機 APPLE Macintoshシリーズ 12 45

注)複数機種感染の届出を含む。 FDのみの感染は24件。

(c)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザか らのもので、約58%の割合を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

'98/2 '98/1〜2 '97合計
一般法人ユーザ 85 307 1338
情 報 産 業 52 63 687
個 人 ユ ー ザ 13 247
教育・研究機関 10 119

(d)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて中部地方 、近畿地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
'98/2 '98/1〜2 '97合計
北海道 地 方 55
東 北 地 方 11 108
関 東 地 方 114 294 1491
中 部 地 方 13 33 305
近 畿 地 方 12 36 239
中 国 地 方 62
四 国 地 方 52
九 州 地 方 79

(e)被害届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。メールにより感染 したケースが最も多く不明を除く約53%の割合を占めており、メールによりMSwordの 添付ファイル、Excel の添付ファイルを受信した場合には、ウイルス検査後使用する ことがウイルス対策上極めて重要である。

感  染  経  路

届  出  件  数
'98/2 '98/1〜2 '97合計
外部からの媒体で感染したケース 42 93 722
メールにより感染したケース 56 167 632
海外からの媒体で感染したケース 61
海外からのメールにより感染したケース 157
ネットワークからのダウンロードにより感染したケース 37
不 明 38 116 782

(f)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。FD のみの感染は、FDを使用前に検査し、ウイルスを発見したものである。50台以上の 被害は 2件( 110台 1件、 94台 1件)であった。

感  染  台  数

届  出  件  数
'98/2 '98/1〜2 '97合計
  FDのみ感染 24 54 240
  1台 76 234 1050
  2台以上 5台未満 34 70 460
  5台以上10台未満 16 200
 10台以上20台未満 10 209
 20台以上50台未満 156
 50台以上 76




特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPAに届出されたウイルス の中で、3月7日〜4月30日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト 等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPA まで)

WordMacro/Helper 毎月10日
WordMacro/Twno 毎月13日
FORM 毎月24日
WordMacro/MDMA 毎月1日
ジェリー 3月10日
Type of Jerusalem 3月13日(金)
DAdmh-26 3月13日(金)
キャスパー 4月1日
WordMacro/Nuclear 4月5日
J&M 4月15日

以上