第12-12-248号
掲載日:2012年 6月 5日
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 セキュリティセンター
IPA (独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、2012年5月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
(届出状況の詳細PDF資料はこちら)
1. 今月の呼びかけ
「 ソフトウェアの自動更新を利用しましょう! 」
〜MyJVNバージョンチェッカとの合わせ技で、ウイルス対策をより強固に!〜
昨今、よく使われるウイルス感染の手口としてドライブ・バイ・ダウンロード攻撃※1があります。これは、OSやアプリケーションなどのソフトウェアが最新のバージョンではないパソコンの利用者が、ウイルスや不正プログラムを感染させる仕掛けが施されたウェブサイトを閲覧した時に、ウイルス感染の被害に遭うというものです。
最近では、「偽セキュリティ対策ソフト」型ウイルスを感染させる手口※2としても多く使われていますが、このウイルスの感染被害に遭ったパソコン利用者の多くは、ソフトウェアの更新をしていなかったことが確認されています。
IPAの調査※3では、ソフトウェアの更新について、「更新方法が分からない」、「手間がかかる」いった意見が多くみられました。また、定期的に更新をしていても、「更新が頻繁でいつ最新版が公開されたか分からない」といった相談もよせられています。
IPAではそのような意見をふまえ、複数のソフトウェアのバージョン情報を同時に、簡単に調べることができ、更新に必要な詳細情報を表示する「MyJVNバージョンチェッカ」※4を無償で公開しており、これと併用して「ソフトウェアの自動更新」の利用をおすすめしています。一度設定を行えば、定期的にソフトウェアの最新バージョンを確認し、最新バージョンがあれば更新を促す機能です。
今月の呼びかけでは、更新頻度が高いソフトウェアであるWindows、Java、Flash Player、Adobe Readerの4つについて、「ソフトウェアの自動更新」の設定方法を説明します。

図1-1:ソフトウェアの自動更新のイメージ図
| ●ソフトウェアのセキュリティ上の問題箇所である脆弱(ぜいじゃく)性を迅速に解消するため | |
| ソフトウェアを古いバージョンのまま使用することは、ソフトウェアを脆弱性のある状態で使用することになりかねません。最近のウイルスは、この脆弱性を悪用してパソコンに感染被害を与えます。こうした被害に遭わないためには、脆弱性が解消されている最新バージョンのソフトウェアを使わなければなりません。 最近では、新しい脆弱性情報が公表されるとそれを悪用したウイルスもすぐに出現しています。面倒だからと言って最新バージョンへの更新を後回しにしていると、そうしたウイルスに感染する可能性があります。 |
|
| ●ソフトウェアの更新が不定期かつ頻繁なため | |
| 定期的に更新が行われているソフトウェアも、定例以外のタイミングで最新版が公開される場合があります。また、不定期かつ毎月のように最新版が公開されるソフトウェアもありますので、最新の更新情報に注意を払う必要があります。 | |
| ●ウェブサイト閲覧からウイルス感染 | |
| ウェブサイトを閲覧しただけで、パソコン利用者の意図に関わらず、ウイルスなどの不正プログラムをパソコンにダウンロードさせる手法であるドライブ・バイ・ダウンロード攻撃により、ウイルスを感染させます。IPAによせられた同じ攻撃手口による最近の感染被害相談では、「偽セキュリティ対策ソフト」型ウイルスが多く見られました。 | |
| ●メールの添付ファイルからウイルス感染 | |
| 脆弱性を悪用するウイルス入りのファイルを添付したメールを送りつけ、添付ファイルを開かせて感染させます。最近では、関係機関や関係者を装い、組織や個人に狙いを絞ってウイルスを送りつける「標的型攻撃メール」も多くなっています。 | |

図1-2:パソコン利用者を狙ったウイルス感染攻撃のイメージ図

図1-3:Windows 7 コントロールパネル カテゴリ画面

図1-4:Windows 7 システムとセキュリティ画面

図1-5:Windows 7 設定の変更画面

図1-6:Windows 7 コントロールパネル カテゴリ画面

図1-7:Windows 7 プログラム画面

1-8:Javaコントロールパネル

図1-9:Windows 7 コントロールパネル カテゴリ画面

図1-10:Windows 7 システムとセキュリティ画面

図1-11:Flash Player設定マネージャー画面

図1-12:Adobe Reader 起動画面

図1-13:Adobe Reader 環境設定画面
5月のウイルスの検出数※1は、20,236個と、4月の10,339個から95.7%の増加となりました。また、5月の届出件数※2は、970件となり、4月の732件から32.5%の増加となりました。
※1 検出数 : 届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数: 同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・5月は、寄せられたウイルス検出数20,236個を集約した結果、970件の届出件数となっています。

図2-1:ウイルス検出数

図2-2:ウイルス届出件数
5月は、特に目立った動きはありませんでした(図2-3参照)。
※ ここでいう「不正プログラムの検知状況」とは、IPAに届出られたものの中から「コンピュータウイルス対策基準」におけるウイルスの定義に当てはまらない不正なプログラムについて集計したものです。
※ コンピュータウイルス対策基準:平成12年12月28日(通商産業省告示 第952号)(最終改定)(平成13年1月6日より、通商産業省は経済産業省に移行しました。)
「コンピュータウイルス対策基準」(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/CvirusCMG.htm
図2-3:不正プログラムの検知件数推移
| 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 届出(a) 計 | 7 | 8 | 13 | 5 | 9 | 10 | |
| 被害あり(b) | 7 | 7 | 9 | 4 | 7 | 6 | |
| 被害なし(c) | 0 | 1 | 4 | 1 | 2 | 4 | |
| 相談(d) 計 | 42 | 35 | 37 | 54 | 46 | 50 | |
| 被害あり(e) | 13 | 9 | 14 | 10 | 9 | 17 | |
| 被害なし(f) | 29 | 26 | 23 | 44 | 37 | 33 | |
| 合計(a+d) | 49 | 43 | 50 | 59 | 55 | 60 | |
| 被害あり(b+e) | 20 | 16 | 23 | 14 | 16 | 23 | |
| 被害なし(c+f) | 29 | 27 | 27 | 45 | 39 | 37 | |
5月の届出件数は10件であり、そのうち何らかの被害のあったものは6件でした。
不正アクセスに関連した相談件数は50件であり、そのうち何らかの被害のあった件数は17件でした。
被害届出の内訳は、侵入2件、なりすまし2件、不正プログラム埋め込み2件、でした。
「侵入」の被害は、ウェブページが改ざんされていたものが2件でした。侵入の原因は、サーバー管理ツールの脆弱性を悪用されたものが1件でした(他は原因不明)。
「なりすまし」の被害は、スパム配信として悪用されていたものが1件、オンラインゲームに本人になりすまして何者かにログインされ、サービスを勝手に利用されていたものが1件でした。
| 事 例 |
|
|---|---|
解 説 ・ 対 策 |
長期間パスワードが変更されていないメールアカウントは、不正使用目的で狙われやすくなります。 |
| 事 例 |
|
|---|---|
解 説 ・ 対 策 |
自分では気がつかないうちに、他人にアカウント情報が知られてしまったと考えられます。アカウント情報は、他人に教えないのは当然ですが、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などのアカウント情報と同じものを使っていると、そうしたサービスの自己紹介などから推測される可能性もあります。面倒でも、サービスごとにIDとパスワードを変更することを勧めます。
|
5月のウイルス・不正アクセス関連相談総件数は934件でした。そのうち『ワンクリック請求』に関する相談が243件(4月:131件)、『偽セキュリティソフト』に関する相談が21件(4月:26件)、Winny に関連する相談が3件(4月:7件)、「情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメール」に関する相談が3件(4月:3件)、などでした。
| 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 1,312 | 1,302 | 1,073 | 772 | 750 | 934 | |
| 自動応答システム | 790 | 760 | 645 | 427 | 428 | 490 | |
| 電話 | 451 | 485 | 362 | 287 | 270 | 363 | |
| 電子メール | 65 | 49 | 62 | 49 | 50 | 78 | |
| その他 | 6 | 8 | 4 | 9 | 2 | 3 | |
(備考)
IPA では、「情報セキュリティ安心相談窓口」を開設し、コンピュータウイルス・不正アクセス、Winny 関連、その他情報セキュリティ全般についての相談を受け付けています。
| メール | ![]() (これらのメールアドレスに特定電子メールを送信しないでください) |
| 電話番号 | 03-5978-7509 (24時間自動応答、ただし IPA セキュリティセンター員による相談受付は休日を除く月〜金、10:00〜12:00、13:30〜17:00のみ) |
| FAX | 03-5978-7518 (24時間受付) |
「自動応答システム」 : 電話の自動音声による応対件数
「電話」 : IPA セキュリティセンター員による応対件数
合計件数には、「不正アクセスの届出および相談の受付状況」における『相談(d) 計』件数を内数として含みます。

図4-1:ワンクリック請求相談件数の推移
| 相談 | ノートパソコンを利用しているが、いつもUSBメモリを挿したままの状態でインターネットにつないだり、文書作成ソフトのアップデートを行ったりしている。この場合、ウイルス感染などでUSBメモリのデータが外部に流出してしまう恐れはあるのか。 |
|---|---|
| 回答 | データを外部に流出させるウイルスに感染した場合は、Cドライブなどローカルのハードディスク同様に、接続されたUSBメモリのデータが外部に流出することが考えられます。そのようなことを避ける為、USBメモリを使用していない時は、外しておくことをお勧めします。また、USBメモリだけではなく、microSDカードやスマートフォンなど外部記憶媒体として扱われる機器などをパソコンにつなぐ場合も同様に注意してください。 (ご参考)
|
| 相談 | スマートフォン(Android)に○○というアプリをインストールしようとしたら、権限許可の画面で「電話通知、携帯ステータス、ネットワーク通信」等が出てきた。このアプリに、このような権限は必要なのか。 |
|---|---|
| 回答 | アプリをインストールする際に、様々な権限(パーミッション)を要求してきたとのことですが「この様な権限は必要ない」と思ったのであれば一旦、踏みとどまり、不安を解消してからインストールをしてください。実際に求めてくる権限について、確実に正当かどうかを判断する事は非常に難しいのが実情です。そこでインストール前の判断材料として「5月の呼びかけ」で紹介した「一歩踏み込んだおすすめの対策」を実施してください。具体的には、「レビュー記事に悪い評判は書かれていないか」「アプリ開発者が他に公開しているアプリの評判に、悪いものがないか」「開発者やアプリ名をインターネットで検索して、悪い評判や噂などはないか」などをチェックするということです。その他「5月の呼びかけ」には「スマートフォンを安全に使うための六箇条」など基本的な事項が記載されていますので、ぜひ確認してください。 (ご参考)
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一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター:http://www.jpcert.or.jp/
@police:http://www.cyberpolice.go.jp/
フィッシング対策協議会:http://www.antiphishing.jp/
株式会社シマンテック:http://www.symantec.com/ja/jp/
トレンドマイクロ株式会社:http://jp.trendmicro.com/jp/home/
マカフィー株式会社:http://www.mcafee.com/japan/
株式会社カスペルスキー:http://www.viruslistjp.com/analysis/
独立行政法人 情報処理推進機構 技術本部 セキュリティセンター
TEL:03-5978-7591 FAX:03-5978-7518
E-mail: ![]()
(このメールアドレスに特定電子メールを送信しないでください)
URL:http://www.ipa.go.jp/security/
| 2012年 6月 5日 | 掲載 |
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